Cartola(カルチョーラ)徹底ガイド:サンバの詩人の生涯・名曲・聴き方・おすすめアルバムとコレクション
Cartola(カルチョーラ)とは — サンバの詩人が残したもの
Cartola(本名:Angenor de Oliveira)は、20世紀ブラジルを代表するサンバ作家・歌手の一人です。メロディに宿る静かな悲哀(saudade)と、簡潔で詩的な歌詞で知られ、マングエイラ(Mangueira)をはじめとするリオのサンバ文化に深く根ざした人物です。生涯を通じて複数の名曲を生み出し、その再発見は1960年代以降の音楽シーンにも大きな影響を与えました。
おすすめレコード・セレクション(タイプ別に深掘り)
1) 1970年代のスタジオ・アルバム(セルフタイトル群)
Cartola が"再発見"された後に残したスタジオ録音群は、彼の歌とギター、そして成熟した作曲世界を一貫して味わえる重要なソースです。録音クオリティは当時のスタジオ録音としてまとまっており、ヴォーカルのまろやかさやフレーズの間(ま)を余すところなく楽しめます。
- なぜ聴くか:若い頃の録音とは異なり、歌唱表現や節回しに円熟味があるため、作詞作曲家としての「完結した姿」が感じられます。
- 聴きどころ:言葉の間の呼吸、ギター伴奏と歌の絶妙なバランス、詩的な世界観(恋、失意、郷愁など)。
- 探し方のコツ:オリジナルLPプレスと信頼できるリマスター盤(CD/アナログ再発)の音質差を比較すると、ヴォーカルのニュアンスがよく分かります。
2) Zicartola時代に関わる録音/ライヴ音源
1960年代に Cartola と夫人ドナ・ジカが開いたサロン「Zicartola(ジカルトラ)」は、若い音楽家と旧世代の出会いの場となり、Cartola の再評価につながりました。その周辺で残されたライヴ録音や雑多なセッション音源は、当時の空気感を伝える貴重な資料です。
- なぜ聴くか:スタジオ録音とは別の即興的なやり取り、客席の反応、仲間たちとのコラボレーションが楽しめる。
- 聴きどころ:歌の解釈の変化、ゲスト・ミュージシャンとの対話、セットリストに見られるレパートリーの広がり。
3) 早期録音・78回転盤等を集めたコンピレーション
Cartola が作曲・発表した曲の多くは、戦前〜中期のサンバ・シーンに根ざしています。78回転盤や戦前録音を集めたコンピレーションは、曲のルーツをたどるのに最適です。
- なぜ聴くか:楽曲の原初的なアレンジや歌唱スタイル、歴史的文脈を理解できる。
- 聴きどころ:原曲のテンポ感、シンプルな伴奏、詩の初出形態。
4) 網羅的なベスト/ボックスセット(「完全作品集」的な編集盤)
近年は発掘・再編集が進み、Cartola の代表作を年代順・テーマ別にまとめた良質な編集盤がいくつも出ています。初めて深く聴くなら、信頼できるレーベルが監修した選集を入口にすると全体像がつかめます。
- なぜ聴くか:曲の変遷を通じて作家性が浮かび上がる。解説(ライナーノート)が充実している盤を選べば歴史的背景理解にも役立つ。
- 聴きどころ:代表曲が網羅されているか、未発表テイクやライヴが含まれているか、解説の深さ。
代表曲の楽しみ方(アルバム視点で)
Cartola の代表曲群はアレンジや録音年代により表情が変わります。1曲ごとに異なる「詩の間(ま)」や抑揚を比較すると、彼の音楽世界の奥行きが見えてきます。以下は聴き方の指針です。
- 歌詞をまず追う:直訳的な意味よりも感情の動き(切なさ、諦観、愛情)を追うと細部が生きてくる。
- 複数盤で比較する:初期録音と晩年の録音を比べると、テンポやフレージング、伴奏の余白の取り方が変わる。
- 他アーティストによるカバーも聴く:ジョアン・ジルベルトをはじめ多くの歌手がカバーしており、各解釈の違いが曲の普遍性を示す。
購入・選盤の実務的ポイント(演奏・保管以外)
どの盤を選ぶかは、何を重視するかで変わります。以下の選び方ガイドを参考にしてください。
- 音楽性重視:マスタリング良好、ライナーノーツが充実した再発盤や編集盤を選ぶ。
- 歴史性重視:オリジナル・プレス(初期LPや78回転盤)や年代ごとの録音を収録したコレクションを探す。
- 解説重視:音楽史・文化的背景を詳述したリリース(学究的な解説付き)を選べば、曲と時代の繋がりが深まる。
- デジタルでの下見:購入前にストリーミングや試聴でヴォーカルの質感・雰囲気を確認すると安心。
聴きどころ — 作品世界を深めるための注目点
- 詩の「語りかけ」的な性格:Cartola の歌詞は直接的な説明を避け、情景や感情を示唆する語法が多い。歌詞を声で「語る」ように聴くと味わい深い。
- 余白と間の美学:ギター伴奏と歌の間にある「空白」が重要。アレンジでは引き算が効いている。
- ローカルと普遍の併存:リオのファヴェーラやサンバの現場に根差しつつ、普遍的な感情表現を持つ点が国際的にも評価される理由です。
最後に — Cartola を味わうための提案プレイリスト(作り方)
初めて深く聴くなら、以下の順で曲や盤を聴くと世界が見えやすくなります。
- 代表曲のコンピレーションでイントロダクション(代表曲を押さえる)
- 1970年代のスタジオ・アルバムで「成熟した」歌唱に触れる
- Zicartola周辺のライヴ音源で当時の空気を体験する
- 早期録音を聴いて曲の原型を確認する
こうして聴き進めると、曲そのものの美しさだけでなく、Cartola を取り巻くシーンや彼がサンバにもたらした詩的感覚の深さが見えてきます。
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