Novos BaianosとAcabou Chorareを深掘り—サンバとロックが織り成すブラジル音楽の金字塔
イントロダクション — Novos Baianosとは
Novos Baianos(ノーヴォス・バイアーノス)は、1960〜70年代にブラジル音楽界で独自の混淆(ロック、サンバ、MPB、フォルクローレ、アフロ・ブラジル音楽)を生み出した伝説的なグループです。中心メンバーにはモラエス・モレイラ(Moraes Moreira)、ベイビー・コンスエロ(後のBaby do Brasil)、ペペウ・ゴメス(Pepeu Gomes)、パウリーニョ(Paulinho Boca de Cantor)、ルイス・ガルヴァォ(Luiz Galvão)、ダジ(Dadi)らがいます。
彼らは共同生活的な創作環境と地元バイーア(サルヴァドール)文化への回帰を通じ、都会のロック志向と地域のリズムや民俗音楽を有機的に融合させました。結果として生まれた音楽は70年代のブラジル音楽シーンに強烈な影響を与え、今なお世界的に再評価されています。
まずはこれを聴け — 『Acabou Chorare』(1972) 深掘り
Novos Baianos を語るうえで最重要アルバムは断トツで『Acabou Chorare』(1972)です。批評的にも商業的にも成功を収め、ブラジル音楽史における金字塔とされています。
サウンドと構成
『Acabou Chorare』はサンバ、ボサノヴァ、フォルクローレ、ロック的な楽曲構成を柔らかく繋ぎ合わせた作品です。アコースティック楽器(ギター、バイヨン、カヴァキーニョ等)とホーン、コーラスの豊かなアレンジが並び、肩肘張らない“家族的”な演奏感が特徴です。代表曲と聴きどころ
- 「Preta Pretinha」:軽やかなリズムに乗るメロディとコーラスワーク。
- 「Brasil Pandeiro」:民謡的なリズムとグルーヴの融合が聴けるカヴァー的アレンジ。
- 「Mistério do Planeta」や「Besta é Tu」など、バンドの多面的な表現力がよく出た楽曲群。制作背景
アルバム制作時、メンバーはサルヴァドール近郊で共同生活をしており、日常的に歌や演奏、即興の交流が行われていました。そうした共同体的創作環境が、リラックスした演奏と有機的なコーラスワークに直結しています。なぜ聴くべきか
ブラジル音楽の伝統と当時のロック/ポップ感覚を混ぜ合わせた先駆的な作品で、世界中のミュージシャンや批評家から高く評価されています。ブラジル音楽入門としても最適です。
その他のおすすめ作と聴きどころ
『Acabou Chorare』に続いて聴きたい作品をタイプ別に紹介します。ここでは代表的な方向性と各作品の魅力を述べます。
初期のロック/サイケ色を残す作品(入門編)
初期作にはロックやサイケデリックな要素が色濃く残っているものがあり、そこからNovos Baianosの発展過程を追うと興味深いです。アンサンブルの原型やポップ/ロック感覚がどうブラジルの伝統音楽と結びついていったかが聴き取れます。フォーク & アコースティック寄りの作品(成熟期)
『Acabou Chorare』以降、グループはよりアコースティックでサンバ/MPBに根ざした演奏を追求します。弦楽器やアコギ主体の暖かい編成、親密なコーラス、地域的リズムの採用が特徴で、歌詞も日常や土地への視線を深めます。ソロ活動や派生作(個々の才能を聴く)
モラエス・モレイラやベイビー、ペペウ・ゴメスらはソロで活躍し、グループとは異なる音楽性を示しています。Novos Baianosの音響的/作曲的基盤を知ったうえで彼らのソロ作を聴くと、個々の貢献がより明確に分かります。ライブ盤・コンピレーション
ライブ録音や編集盤は、共同生活の即興性やステージでのエネルギーを知るうえで有効です。スタジオ盤とは異なるアレンジや伸びやかなボーカル表現が楽しめます。
聞き方の提案 — 深く楽しむためのポイント(作品分析)
歌詞(ルイス・ガルヴァォの世界観)に注目する
多くの楽曲で作詞を担当したルイス・ガルヴァォの言葉選びは、サルヴァドール的な情景やユーモア、社会/文化への視点が巧妙に織り込まれています。歌詞とメロディの関係を追うと、曲の深みが増します。コーラス・アンサンブルを聴き分ける
Novos Baianosの最大の魅力の一つが“人声の重なり”です。主要メンバーの掛け合いやハーモニーが曲の雰囲気を決定づけるため、ボーカルラインの配置や呼吸感に注意して聴いてみてください。地域リズムと楽器編成の融合に耳を澄ます
サンバや他の北東ブラジルのリズムと、現代的なポップ/ロック楽器(エレキギターやオルガンなど)がどう溶け合っているかを確認すると、新鮮な発見があります。
コレクター向けメモ(版・再発を選ぶ際の視点)
オリジナル盤は音像やジャケット表現の点で魅力的ですが、音質や入手のしやすさを考えると良好なリマスター盤や公式再発も価値があります。
国内盤/海外プレスでは歌詞の表記やライナーノーツが異なる場合があるので、ブックレットや解説の有無も購入の参考にしてください。
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参考文献
- Novos Baianos — Wikipédia (pt)
- Acabou Chorare — Wikipédia (pt)
- Novos Baianos — AllMusic
- Rolling Stone Brasil — 記事一覧(アルバム評価等)


