アルフォンソ・ジョンソンのおすすめレコード徹底解説|Weather Report時代からソロ作までLPで聴く聴きどころと入門ガイド

はじめに

Alphonso Johnson(アルフォンソ・ジョンソン)はアメリカのジャズ/フュージョン・ベーシスト。Weather Report での活躍や、ソロ作、セッションワークを通じてモダンなエレクトリックベースの表現を切り開いてきました。本コラムでは、アルフォンソ・ジョンソンの「おすすめレコード」を中心に、各作品の聴きどころ・特徴・推奨ポイントを深掘りして解説します。いわゆるレコード(LP)で聴くことを想定し、音楽的背景やメンバー構成、代表曲を挙げながら、初めて彼に触れる人からコアなファンまで役立つガイドにします。

アルフォンソ・ジョンソンとは(簡潔に)

1951年生まれのベーシストで、若くしてフュージョン界に登場。エレクトリックベースのメロディアスなフレージング、スラップや指弾きの巧みさ、そして作曲/編曲能力を兼ね備えています。特に1970年代半ば、Weather Report のメンバーとして国際的な評価を得たほか、ソロ作品や他アーティストのサポートで多彩な音楽性を示しました。

おすすめレコード(必聴リスト)

  • 1. Weather Report – "Black Market" (1976)

    なぜ聴くべきか:アルフォンソがWeather Reportに参加してからの重要作。バンドのサウンドがよりリズミックでファンク寄りになり、彼のベースが大きく貢献しています。

    聴きどころ:トラックごとに変化するグルーヴ感、エレクトリックベースの存在感。アルフォンソのベースソロや対話的な演奏が際立つ曲をチェックしてください(例:「Cannon Ball」や「Barbary Coast」などのアンサンブル重視トラック)。

  • 2. Weather Report – "Tale Spinnin'" (1975)

    なぜ聴くべきか:アルフォンソ在籍期のもう一枚。前作からの発展が感じられ、作曲面でもバラエティが増しています。フュージョンの名作としても評価が高い一枚。

    聴きどころ:メロディアスなベースライン、リズム隊とシンセの掛け合い。アルフォンソのアンサンブル感覚が光ります。

  • 3. Alphonso Johnson – "Moonshadows" (1976)

    なぜ聴くべきか:彼の初期ソロ作の代表作。リーダー作としてベースを前面に出しつつ、ゲストにフュージョン界の名手を迎えた聴き応えあるアルバムです。

    聴きどころ:リーダーとしての作曲性や編曲のセンス。ベースのメロディ性を打ち出したトラックや、ソロやフュージョン的なアンサンブルが楽しめます。

  • 4. Alphonso Johnson – "Yesterday's Dreams" (1976)

    なぜ聴くべきか:ソロ路線でのさらなる実験と成熟が見られる一枚。プロデュースやゲスト陣にも注目。アルフォンソの多面性を捉えた作品です。

    聴きどころ:ベースワークの多様性、楽曲ごとの色合いの違い。メロウな曲からファンク寄りの曲まで幅広く含まれています。

  • 5. Alphonso Johnson – "Spellbound" (1977)

    なぜ聴くべきか:1970年代後半のフュージョン潮流を背景に、アルフォンソが音楽的に熟成していることを感じられる作品。リズム感とメロディラインの両立が秀逸です。

    聴きどころ:サウンドの洗練度、ベースの音像作り(エフェクトやトーン)に興味がある人におすすめ。

  • 6. 日米セッション / ゲスト参加作(要チェック)

    なぜ聴くべきか:アルフォンソは多くのアーティストのセッションに参加しています。Weather Report以外でも、ロック/ポップ/ジャズの文脈で独特の色を出す演奏が聴けます。

    おすすめ例:Joe Zawinul、Herbie Hancock、や他のフュージョン系アーティストとの共演作。ゲスト参加盤はアルバム単位ではなくトラックごとに光ることが多いので、クレジットを確認して注目してみてください。

各レコードの詳細と聴きどころ(トラックや演奏面を深掘り)

  • Weather Report – "Black Market"

    特徴:このアルバムはブラジル/ワールドミュージックの要素やファンク感が取り入れられ、全体にリズム重視のアプローチが増しています。アルフォンソのベースはリズムとメロディの橋渡し役を担い、ソロだけでなくバンドの推進力として作用します。

    注目ポイント:ベースの音色(ミッドの厚み)、フィンガリングのニュアンス。曲によっては低音を支える「グルーヴの核」として、また別のトラックではメロディ楽器のように動く場面もあります。

  • ソロ作(Moonshadows / Yesterday's Dreams / Spellbound)

    特徴:リーダー作では作曲面での個性が出ます。ジャズ/フュージョンの文脈を基本としつつ、ヴォーカルやストリングス、ソロ楽器との掛け合いなどアレンジの幅が広いのが特徴です。

    注目ポイント:ベースをメロディ楽器として前面に出すトラックでは、ラインの歌わせ方やポジション移動(高音域でのプレイ)に注目。スタジオでの音作り(DIやアンプ処理)も作品ごとに違いがあり、LPでの音像が魅力を増します。

アルフォンソのプレイの魅力を聴くポイント

  • メロディアスなベースライン:単なるリズム支えにとどまらず、楽曲のテーマを担うベースラインが多く、ベースの「歌」を意識して聴くと新たな発見があります。

  • アンサンブル感:他の楽器(キーボード、ドラム、ホーン)との対話を重視するため、バンド全体を俯瞰して聴くとプレイの意味がわかりやすいです。

  • 音色とトーンメイク:1970年代はトーン作りの実験が盛んだった時期。アルフォンソもエフェクトやピックアップ・ポジションを意図的に使い分けています。アナログLPでの再生はその違いをよく伝えます。

  • フュージョンの語法:ジャズ理論にロックやファンクの要素を融合させるプレイが見られ、ベースの役割が拡張されています。リズム/ハーモニー両面での機能をチェックしてください。

どのレコードから聴き始めるか(初心者向けガイド)

  • まずは「Black Market」:Weather Report の代表作のひとつで、アルフォンソがバンドに与えた影響を体感できます。バンド・サウンドの中でのベースの働きを把握するのに最適。

  • ソロ入門は「Moonshadows」:リーダー作としての個性を知るには向いています。ソロ作ならではのアレンジや、ゲストとの化学反応を楽しめます。

  • 気になったらゲスト参加作を追う:好きなトラックのクレジットを辿れば、アルフォンソの多彩な顔が見えてきます。

おすすめのLPプレスやエディション選びのコツ(音質面の目安)

  • 初回プレスやオリジナル・マスターに近い再発を優先:1970年代録音はオリジナル・アナログ・ミックスの風合いが重要。できればマスターに忠実なプレスを選ぶと当時の音像が楽しめます。

  • リマスター再発の評判をチェック:一部のリマスターは解像度が上がる一方でミックスのバランスが変わることもあるため、レビューやサンプルを事前に確認すると安心です。

  • ライナーノーツやクレジットを重視:参加ミュージシャンや録音日、スタジオ情報などが分かると、どの時期のアルフォンソのプレイか理解しやすくなります。

まとめ

Alphonso Johnson はフュージョン期のベース表現を象徴するプレイヤーの一人です。Weather Report 在籍期の作品でバンド・サウンドにおけるベースの役割を知り、ソロ作で彼自身の作曲性や音楽観を味わう――この二軸で聴き進めるのがおすすめです。LPで聴くと音色やアンサンブルのニュアンスが直に伝わってきますので、まずは「Black Market」と「Moonshadows」あたりから始めてみてください。

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参考文献