リー・ヘイズルウッドの世界を徹底解説:ナンシー・シナトラとの共作からソロ作までの聴き方と魅力
はじめに — リー・ヘイズルウッドとは何者か
リー・ヘイズルウッド(Lee Hazlewood)は、低くて艶のあるバリトン、シネマティックで時に諧謔的な物語性、そしてプロデューサー/ソングライターとしての確かな手腕で知られる米国の音楽家です。1960年代のポップ、カントリー、サイケデリックやラウンジの要素を独自に融合させたサウンドは、当時のメインストリームとは一線を画し、のちのインディー/オルタナ系アーティストやアンビエント〜サイケ系のミュージシャンにも大きな影響を与えました。
選び方のポイント
「デュエット/プロデュース作品」:ナンシー・シナトラとの共作群はヘイズルウッドのポップ感覚とドラマ性が凝縮されています。
「ソロの内省作」:孤独や後悔を描く抒情的な作品群は、彼の歌唱表現と詞の深みを直に味わえます。
「コンセプト/サウンドトラック性の強い作品」:映像的で実験的なアレンジが際立つアルバムは、聴くほど新しい発見があります。
おすすめレコード 深掘り解説
Nancy & Lee(ナンシー・アンド・リー)
なによりもまず挙げたいのが、ナンシー・シナトラとの共作アルバム。ヘイズルウッドの低声とナンシーのクリアなボーカルのコントラスト、それを活かした演出が作品全体を通して最大の魅力です。
なぜ聴くべきか:ポップでありながら映画的。男女のやり取りを演劇的に切り取るような楽曲構成は、単なるポップ・デュエットを越えたドラマを提示します。
代表曲:「Summer Wine」「Some Velvet Morning」 — 特に「Some Velvet Morning」は不思議な時間感と神話的イメージが混ざり合った名曲で、ヘイズルウッドの作風が最も象徴的に出ています。
聴きどころ:曲間の間合い、マイクワークの距離感、語りのように入る彼のボーカル表現。楽曲ごとの劇的な編曲変化を楽しんでください。
Requiem for an Almost Lady(レクイエム・フォー・アン・アルモスト・レディ)
ヘイズルウッドのソロ作品の中でも特に内省的で、孤独と諦念が色濃く出たアルバムです。余白を活かしたアレンジと、語るような歌い回しが胸に迫ります。
なぜ聴くべきか:彼の「物語る力」がもっとも純度高く表出している作品の一つ。叙情的でありながら冷徹な視点が同居しており、何度も聴くほどテクスチャーが開いてきます。
代表曲・聴取ポイント:シンプルな伴奏に載るバリトンが、詞の隅々まで感情を刻み込みます。歌詞のイメージ(大都市・喪失・諦観)に耳を傾けてください。
The Cowboy in Sweden(カウボーイ・イン・スウェーデン)/関連サウンドトラック類
映像作品と連動したコンセプト・アルバム的な側面が強く、ヨーロピアンな香りや実験的な編曲が混ざる一群。西部劇的なモチーフをモダンに解釈したサウンドは、彼の“映画音楽家”的側面を鮮やかに示します。
なぜ聴くべきか:ストーリー志向のサウンド作りと、民族的・ジャズ的な要素の取り込み。従来のカントリーポップとは違う“旅するカウボーイ”像が提示されます。
聴きどころ:インストや短いモチーフの配置が巧みで、アルバム全体を通して映像を思い描きながら聴くと発見が多いです。
重要な編集盤・コンピレーション
ヘイズルウッドはシングル曲やプロデュース作品を含めると非常に多彩な活動をしています。初めて深掘りするなら、代表曲をまとめた編集盤やベスト盤から入るのも有効です。彼のソングライティング全体像や、ナンシー・シナトラとの仕事、プロデューサーとしての手腕を一度に掴めます。
なぜ聴くべきか:散逸したシングルやコラボ作品、未発表曲などを含む編集盤は、キャリアの広がりと変化を短時間で理解するのに便利です。
聞き方の提案(プレイリスト的アプローチ)
「物語を追う」:曲の歌詞と語りを重視して連続再生。登場人物や情景を想像しながら聴くと、ヘイズルウッドの語り口が生きてきます。
「アレンジの違いを聴き分ける」:ナンシーとのデュエット曲とソロのミニマル曲を交互に並べて、プロダクションの対比を楽しむ。
「映像を想起する」:Cowboy in Sweden系の作品は、映画音楽的に脳内で場面を構築して聴くと、作り手の意図が立体的になります。
なぜ今聴くべきか — 影響と現在性
ヘイズルウッドの音楽は60年代の産物でありながら、現代の多くのアーティストに影響を与え続けています。ダークでロマンティックな語り口、ジャンルを横断するアレンジ、そしてポップに潜む不穏さは、現代のインディー/オルタナ系やダーク・カントリー的な流れと非常に相性が良いです。時間や流行に左右されない「語りと空間」の作り方を学びたいなら、最適です。
購入・探し方のコツ(アルバム選定の観点)
初めてなら:代表的なスタジオ・アルバムかベスト盤を1枚選んで、ヘイズルウッドの声と世界観に慣れてから深掘りする。
深掘りするなら:ナンシー・シナトラとの共作、ソロの内省作、コンセプト的なサウンドトラックをそれぞれ1枚ずつ選ぶと彼の全体像が見えます。
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参考文献
- Lee Hazlewood — Wikipedia
- Nancy & Lee — Wikipedia
- Lee Hazlewood — AllMusic
- Lee Hazlewood — Discogs
- Requiem for an Almost Lady — Wikipedia
- Cowboy in Sweden — Wikipedia


