István Kertészの指揮を聴く: ドヴォルザークとバルトークを軸にした聴きどころと厳選レコード紹介

István Kertész — 指揮者としての概略

István Kertész(イシュトヴァン・ケルテシュ、1929–1973)はハンガリー出身の指揮者で、短い生涯ながら精緻で活力ある解釈により広く評価されました。特に20世紀初頭〜中期の中欧レパートリー(バルトーク、ドヴォルザークなど)や、交響曲作品での総合的な構築力とリズム感覚が際立ちます。本コラムでは、レコード(盤)で聴く際に特におすすめの録音とその聴きどころを深堀して紹介します。

おすすめレコード(厳選)

  • ドヴォルザーク:交響曲全集(Kertészのドヴォルザーク・サイクル)

    なかでも交響曲第9番「新世界より」は、ケルテシュの代表録音の一つとして長く支持されています。歌謡性のある旋律を伸ばしきる一方で、チェコ的なリズムや舞曲感を軽やかに提示するバランス感が魅力です。

    聴きどころ:第1楽章の主題提示の自然な流れ、第2楽章ラルゴの木管・英語角笛の色合いの扱い、第4楽章でのテンポ感と推進力。

  • バルトーク:管弦楽曲(「管弦楽のための協奏曲」「弦楽・打楽器・チェレスタのための音楽」など)

    ケルテシュはバルトークのリズム感、硬質で透明なテクスチャーの扱いに優れ、打楽器やチェレスタの配慮が聴き取れる演奏を残しました。音色のコントラスト、アンサンブルの緊張感に注目して聴くと、彼の特徴がよく分かります。

    聴きどころ:「管弦楽のための協奏曲」の第4楽章以降に見られる推進力、そして「弦楽・打楽器・チェレスタ」の対位的な明瞭さ。

  • 協奏曲/管弦楽の名演盤(選りすぐり)

    ケルテシュはソリストとの協演でも高い評価を得ました。彼の伴奏は決して目立ちすぎず、作品の構造を引き立てることに重きを置きます。ソリストの技巧とオーケストラの統合に注目して聴くと新たな発見があります。

    聴きどころ:ソロとオーケストラ間の呼吸、リズムの置きどころ、アゴーギク(微妙なテンポの揺れ)の使い方。

  • その他注目録音(概観的に)

    上の2大柱(ドヴォルザーク、バルトーク)に加え、ケルテシュの録音にはブラームスやベートーヴェン、モーツァルト作品での秀逸なライヴ/スタジオ録音も存在します。詳細なディスコグラフィは後述の参考リンクから確認してください。

各録音の「何が優れているか」— 聴きどころ詳細

  • 構造の明晰さと推進力
    ケルテシュの演奏は楽曲全体の「設計図」がはっきりしているのが特徴です。各楽章の起伏や再現部の扱い、動機の展開が明確で、最後まで無駄なく進む感覚があります。

  • リズムとダンス性
    特に中欧領域の音楽において、ダンス的なリズムの切れ味やアクセントの置き方が巧みです。ドヴォルザークやブラームスのスケルツォ/舞曲的部分でその真価が分かります。

  • 透明なテクスチャーの扱い
    バルトークや近現代曲でのアンサンブルの層(弦群、木管、打楽器)の重なりを明瞭に表出させます。装飾的な色彩を過度に飾らず、必要なところで色を添えるのが上手です。

  • 感情表現の節度
    表現は情熱的でも感傷的でもなく、音楽の流れの中での自然な感情表出に留められます。したがって劇的さを過度に演出する現代的解釈とは一線を画します。

レコード(盤)選びのポイント — 何を基準に買うか

  • オリジナル・プレス vs リイシュー
    オリジナルLPは当時の録音・編集の空気をそのまま伝える一方、リイシュー(リマスター)はノイズ低減や周波数補正が施されており現代環境で聴きやすい場合が多いです。音質の好み(鮮明さ・温度感)で選んでください。

  • 盤の状態と情報確認
    中古で購入する場合は盤面・ジャケットの状態、マトリクス/カタログ番号を確認しましょう。どのマスターを使っているか(オリジナルかリマスターか)で音の印象が変わります。

  • ライナー/録音年をチェック
    収録年や会場、使用オーケストラが解釈の背景を示します。ライナーにある指揮者のコメントや録音事情の記述も理解を深める助けになります。

  • 比較試聴をおすすめ
    可能ならサンプルやストリーミングで比較し、テンポ感や音色の違いを確認してから購入すると満足度が高まります。

私のおすすめ聴取順(初めてケルテシュを聴く人向け)

  • まずはドヴォルザーク交響曲第9番(「新世界より」)でケルテシュ的な「歌」と「推進力」を体験
  • 次にバルトークの「管弦楽のための協奏曲」や「弦楽・打楽器・チェレスタ」でリズムとテクスチャの妙味を確認
  • その後、協奏曲や室内楽的要素のある録音で伴奏としての指揮の緻密さを味わう

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参考文献