Lee Ritenour レコードで聴くべき代表作と聴き方:初心者からコレクターまでの完全ガイド
イントロダクション — Lee Ritenourとは
Lee Ritenour(リー・リトナー)はアメリカのジャズ/フュージョン系ギタリストで、セッション・ミュージシャンとしての活動からソロ作品、そしてFourplayの創設メンバーとしての活躍まで幅広く知られています。テクニックの確かさと歌心のあるメロディライン、ジャンルを横断する柔軟なアプローチが特徴で、聴き手を選ばない「職人的な音楽性」が魅力です。本コラムでは「レコードで聴く」ことを前提に、初めての人にもコアなコレクターにも刺さるおすすめ盤をピックアップし、聴きどころや選盤の観点から深掘りします。
選定基準
アーティストの音楽的な転機や代表作であること
レコードで聴くと魅力が増すアレンジや演奏が含まれていること
ソロ作/コラボ作/バンド作(Fourplayなど)のバランスを考慮していること
おすすめレコード(厳選)
First Course(1976)
リー・リトナーのソロ・デビュー作。フュージョン期のセッション・ギタリストとしての魅力が詰まっており、初期のエネルギッシュでスピーディーなプレイや曲作りのセンスを味わえます。初期音源として彼のギター・トーンやソロの表現の原点を確認するのに最適です。
Captain Fingers(1977)
タイトル曲を筆頭に、リトナーの作曲能力とフュージョン志向が色濃く出た一枚。シンセやホーンとのアンサンブル、リズム隊との掛け合いなどバンド・サウンド志向が強く、演奏のダイナミクスを楽しめるレコードです。
Feel the Night(1979)
1970年代末〜1980年代初頭にかけての「滑らかな」サウンド志向が見られる作品。メロディ重視のナンバーや歌もの寄りのトラックも含まれ、リトナーの幅広い音楽志向を知る助けになります。
Rit(1981) — 代表曲「Is It You」収録
この時期のリトナーを象徴する作品で、ポップ寄りのアプローチとジャズ的な演奏のバランスが良い一枚。シングルヒットとなった「Is It You」(ボーカル:Eric Tagg)を収録しており、ラジオ志向のメロディと高度な演奏が共存する点が聴きどころです。
Fourplay(1991) — Fourplay(デビュー)
Lee Ritenourが結成に関わったスーパーバンド、Fourplayのデビュー作。ボブ・ジェームス(キーボード)、ネイザン・イースト(ベース)、ハーヴィー・メイソン(ドラム)と並んで聴けることで、リトナーの「バンドにおける役割(アンサンブル志向)」がよくわかります。コンテンポラリー・ジャズの名盤のひとつとして、アルバム単位での完成度が高い作品です。
Wes Bound(1993)
ジャズ・ギターの巨匠ウェス・モンゴメリーへのオマージュ的な作品。ウェスのフレーズやバラード感、ミュート奏法などへの敬意が随所に表れ、リトナーが如何に過去の巨匠を消化して自分のスタイルに取り込んでいるかが分かります。ジャズ・ギター愛好家にとって聞きどころの多い一枚です。
各アルバムの聴きどころ(楽器的/音楽的観点)
メロディと歌心 — リトナーは速弾きや技巧だけでなく「歌わせる」フレーズ作りが巧みです。特にバラードやミドルテンポの曲でその良さが際立ちます。
アンサンブル志向 — セッション出身だけあって、ホーンやキーボード、リズム隊との呼吸が良く、ソロが単独で成立するだけでなく「曲全体の流れ」を重視した構成になっています。
ジャンル横断性 — フュージョン、スムーズジャズ、ポップス寄りのトラック、さらにはトラディショナルなジャズ風味まで幅があります。アルバムごとに表情が変わるため、複数枚揃える価値があります。
コラボレーション — 名うてのセッションメンやゲスト(ハーヴィー・メイソン、デイヴ・グルーシン系のプレイヤーなど)が参加することが多く、それぞれのプレイヤーとのケミストリーも楽しみの一つです。
選盤アドバイス(何を基準にレコードを選ぶか)
時代ごとの音作りを見る — 初期のフュージョン色が強い作品と、80年代以降のポップ寄り/スムーズ寄りの作品ではプロダクションやアレンジが大きく異なります。どの時期の「音」が好きかで選ぶと良いです。
ソロ作とバンド作を分けて聴く — ソロ名義は個人の表現が前面に出ますが、Fourplayなどのバンド作はインタープレイの妙が楽しめます。双方を揃えるとリトナー像が立体的になります。
リマスター盤や国内盤/初回盤の違い — 音質やジャケットの雰囲気が異なる場合があります。音質重視ならリマスター盤を、オリジナルの雰囲気やコレクション性を重視するなら初期プレスを探すのも一手です(盤そのものの管理・再生法はここでは触れません)。
ゲスト奏者/作曲クレジットを見る — 参加ミュージシャンによって曲の色味が変わります。特定のプレイヤー目当てでアルバムを選ぶのもおすすめです。
初心者におすすめの聴き方
まずは代表曲を1〜2枚で押さす(例:Ritの「Is It You」)→ 次にバンド作(Fourplayのデビュー)→ 初期ソロ(First Course / Captain Fingers)→ トリビュート作(Wes Bound)という順で聴くと、リトナーの成長や幅が見えやすいです。
アルバムを通して聴くこと(A面→B面)で、当時のアルバム作りの流れや曲順による構成美を体感できます。
収集のヒント(簡潔に)
お気に入りの時期・スタイルを決めてから深掘りする(初期フュージョン/80sスムーズ/90sトリビュートなど)。
Fourplayの初期作はバンドの名刺代わりとして持っておくと、Lee Ritenourの別側面が見えておすすめです。
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