ヴィッキー・レアンドロスのおすすめアナログ盤を徹底解剖|コレクター視点で見る聴きどころと入手ポイント
Vicky Leandros — おすすめレコード深堀コラム
Vicky Leandros(ヴィッキー・レアンドロス)は、ギリシャ系の血を引きながらルクセンブルクやドイツを拠点に活躍したボーカリストで、1960〜70年代のポップス/シャンソン/シュラーガー(ドイツ語ポップ)の良質な接点に位置する存在です。ヨーロッパ各国語で歌唱し、ユーロヴィジョン・ソング・コンテストでの優勝経験や、多言語展開によるヒットで国際的な知名度を築きました。本稿では「レコード(アナログ盤)として持っておく価値が高い」アイテムを中心に、曲の聴きどころ、盤としての注目点、コレクター目線での魅力を深堀します。
おすすめシングル(必聴)
「Après Toi」 (1972)
1972年のユーロヴィジョン優勝曲。彼女のキャリアで最も広く知られた代表曲のひとつで、メロディの力強さと彼女の伸びやかな歌唱が直に伝わります。アナログ7インチで聴くと、当時のステレオ録音/マイク処理の質感やオーケストレーションのバランスが温度感を持って伝わり、シングル盤特有の存在感があります。コレクターはオリジナル・プレスの盤質、ジャケットの有無(国によって異なる)をチェックすると良いでしょう。
「L'amour est bleu(恋は青く)」 (1967)
1967年のユーロヴィジョン出場曲で、ヴァイキーの初期の国際的ブレイク曲。インスト(ポール・モーリア盤)で世界的ヒットになったため曲自体の知名度は高いですが、ヴァイキー本人の歌唱するヴァージョンは歌詞の抑揚やフランス語の語感、若さの残る声色が魅力です。初期のシングル盤やEPを手に入れると、当時の編曲やアレンジの作りを直接楽しめます。
各国語ヴァージョンのシングル(ドイツ語・フランス語・英語・ギリシャ語など)
ヴィッキーの魅力は言語違いのヴァージョンにあります。代表曲はしばしばドイツ語やフランス語、ギリシャ語で再録されており、同一楽曲の歌い分けを楽しめます。コレクター的には、“ある言語版だけ存在するプロモ盤”や“ジャケット違い”が探索対象として面白いです。
注目アルバム・名盤(LP)
初期のシングル集・ベスト系LP
数枚のベスト盤や編集盤は、60〜70年代の重要シングルをまとめて聴けるので入門用に最適です。初期の録音群はシングルでしかリリースされなかった曲も多く、編集盤には当時のA面B面が収録されていることがあるため、アルバムとしてのまとまりで彼女の変遷を追えます。
1970年代のスタジオLP(ヴォーカル・ポップ/シュラーガー寄り)
この時期のLPには大編成のストリングスやブラスを交えたアレンジが多く、歌唱表現も成熟期に入っていきます。アルバム単位で聴くと、ポップ曲だけでなくシャンソン的な深みのあるナンバーや、大人向けのバラードも楽しめ、LPのサイド構成(A面B面)での曲並びの意図も感じられます。
1980年代以降の作品(大人のポップス/世界音楽的要素)
成熟した歌唱と選曲で、より洗練されたプロダクションが特徴。LPで出ている再発や海外盤で音質の違いを比べるのも面白い分野です。
コレクターズ・ポイント:盤種・プレスの見どころ
レーベルと国別プレス:ヴィッキーのリリースはルクセンブルク、ドイツ、フランス、日本など各地域で異なるジャケットやB面を持つことがあります。オリジナル盤を狙うなら、初出国のプレス(多くはヨーロッパ盤)が価値を持ちます。
言語バリエーション:同曲の異言語ヴァージョンは、同一年に複数国で別ジャケット/別カタログ番号で出ることがよくあります。現地語版の7インチはコレクターに人気があり、コレクションの目玉になります。
プロモ盤・限定盤:プロモ・ステレオ/モノ盤、ラジオ局配布盤、限定のカラービニールやピクチャー・スリーヴ付き盤は希少価値が高く、コレクターの注目対象です。
日本盤・帯付きLP:日本独自編集のベストや帯付きの国内盤LPは、日本のコレクター嗜好に合ったデザインや解説が付いており海外盤と異なる魅力があります。
聴きどころ・アレンジ観察ポイント
歌唱の「言語ごとの色合い」:フランス語ではフレーズの余白と繊細さ、ドイツ語では発音の明瞭さと感情の直線性、ギリシャ語では母国的な語感が感じられ、ヴァイキーの多言語適応力が楽しめます。
編曲とオーケストレーション:60〜70年代録音は大編成ストリングス+ホーンやコーラスを積極的に使うことが多く、アナログ盤で聴くとアレンジの空気感やダイナミクスが立体的に感じられます。
シングルとアルバムでの表現差:シングル用ミックスはより前に出たヴォーカルとコンパクトな構成、アルバム曲は間奏やフェードの処理などに違いが出ることが多く、両方を比較すると制作意図がよくわかります。
入手のコツとチェックポイント
まずはベスト/編集盤で曲を把握:多言語での代表曲を一通り聴き、気に入った曲のオリジナル・シングルや初出LPを狙うと効率的です。
出品説明を細かく確認:ジャケットの状態、盤面のスクラッチ、再プレスか初版か、プレス国やカタログ番号(可能であれば)を必ずチェックしてください。言語バージョン記載は特に重要です。
価格の目安:シングルの一般的な良好コンディション盤は手頃ですが、初期プレスや希少ジャケット、プロモ盤はプレミアが付くことがあります。日本盤や限定仕様は需要が高めです。
現場での“聴き比べ”を推奨:中古レコード店やイベントで実際にターンテーブルで聴ける機会があれば、オリジナル・プレスと再発の音の違いを体感してみてください。
まとめ:何を集めるべきか
最初に狙うべきは「Après Toi」「L'amour est bleu」といった代表シングルのオリジナル・プレス、次いで多言語ヴァージョンや、国内盤(日本盤)の帯付きLP、そしてプロモ/限定盤といったレアアイテムです。音楽的にはシンプルなポップだけでなく、シャンソン的な深みや大編成アレンジの良さも同時に味わえる点がヴィッキーのレコードの大きな魅力です。
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参考文献
- Vicky Leandros — Wikipedia (英語)
- Vicky Leandros 公式サイト
- Discogs — Vicky Leandros 検索結果
- AllMusic — Vicky Leandros 検索結果
- Eurovision — Vicky Leandros (1972)(ユーロヴィジョン公式)


