ポール・ヤング入門ガイド:おすすめアルバムと聴き方で80年代ソウルを深掘り

Paul Young — 入門とおすすめレコードの楽しみ方

1980年代にシーンを代表する“ブルー・アイド・ソウル”の歌手として頭角を現したPaul Young(ポール・ヤング)。ソウル/R&Bのカバーを自分の声質と英国ポップのセンスで再解釈し、大きなヒットを連発しました。本コラムでは「これを聴けばポール・ヤングがわかる」おすすめアルバムを中心に、各作品の魅力、聴きどころ、楽曲のハイライトを深掘りして紹介します。

No Parlez (1983)

デビュー作にして代表作。表題以上にこのアルバムで示した音楽的な方向性(ソウルの解釈、洗練された80年代的プロダクション)が彼のイメージを決定づけました。エモーショナルな歌唱と緻密なアレンジのバランスが魅力です。

  • 聴きどころ:表情豊かなヴォーカル、フェンダー/フレットレスベースの存在感(特にベースラインが印象的な楽曲)、シンプルながら効果的なストリングスやコーラス。
  • 代表曲(アルバム収録):「Wherever I Lay My Hat (That's My Home)」ほか
  • こんな人に:ポール・ヤングの“声”にまず触れたいリスナー、80年代英国ポップ×ソウルの好例を聴きたい人。

The Secret of Association (1985)

商業的にも成功を収め、よりソウルフルかつポップス寄りの楽曲が並ぶ2作目。ここでの大ヒットが彼を国際的な存在に押し上げました。

  • 聴きどころ:ストリングスやホーンの使い方が大きく出ており、バラードからミディアム・テンポまで幅のある表現。
  • 代表曲:「Everytime You Go Away」— カバーながら彼の歌唱で新たな曲像を作ったナンバー。ヴォーカル表現とアレンジの丁寧さに注目。
  • こんな人に:80年代の爽やかな大人ポップを求めるリスナー、ヒット曲中心に聴きたい人。

Between Two Fires (1986)

前作の成功を受けつつ、やや実験的/内省的な要素が入っていると感じさせる作品。商業ヒット寄りの色味は抑えられていますが、歌のバリエーションや楽曲の深さを味わえるアルバムです。

  • 聴きどころ:より成熟したヴォーカル表現、アコースティックな要素とエレクトロニックな編曲の混在、曲ごとに異なる色合い。
  • こんな人に:ヒット曲の延長ではなく、アルバム単位での深掘りを楽しみたい人。

From Time to Time – The Singles Collection (1991)

活動初期からのヒットをまとめたベスト盤。まずは代表曲を一気に押さえたい、という入門者には最適の1枚です。編集盤ならではの聴きやすさで、ポール・ヤングの音楽的な変遷が把握できます。

  • 聴きどころ:代表シングルを通して聴くことで、ヴォーカル・アプローチやプロダクションの変化がわかる。
  • 収録の注目点:代表曲に加え、デュエットやシングル・バージョンなど、編集盤ならではの“抜粋”がまとまっている。

90年代以降の作品とコラボレーション

90年代以降も精力的に活動し、ジャンルの枠を越えたコラボレーションやカヴァーを続けています。特に欧州圏での共演曲(例:イタリアのシンガーとのデュエット)は新たなリスナー層を獲得しました。

  • 注目コラボ:国際的なアーティストとのデュエットは、彼の柔軟な表現力を示す好例です。
  • 深掘りしたい人に:オリジナル曲とカヴァーの差異、ツアー音源やライヴ盤(公式リリース)を合わせて聴くと、ステージ上での表現がより明確になります。

聴きどころの視点(アルバムごとの聞き分け方)

  • ヴォーカル表現:ポール・ヤングの魅力は何より「声」。抑制の効いた中にも感情を乗せる歌い回しに注目してください。
  • カヴァーの解釈:彼の代表曲の多くはカヴァーですが、単なる忠実な再現ではなく“再解釈”が施されています。原曲と聴き比べると発見があります。
  • 編曲とプロダクション:80年代らしいシンセ・サウンドと、生楽器を併用したアレンジの絶妙なバランスが各アルバムで変化します。それぞれの年代背景も意識すると面白いです。

おすすめの聴き順

初めて聴くなら:

  • 1. From Time to Time(ベストで代表曲を把握)
  • 2. No Parlez(デビュー作で基礎を掴む)
  • 3. The Secret of Association(大ヒット曲と抒情性)
  • 4. Between Two Fires/90年代盤(深掘り)

補足:重要な共演者・制作陣

初期のサウンドには有能なミュージシャンやプロデューサーが関わっており、彼の特徴的なサウンドを形作る重要な要素になっています。例えば低音を担うプレイヤーのプレイやアレンジの妙が、楽曲の印象を強めています。

コラムまとめ — ポール・ヤングの魅力とは

Paul Youngの魅力は、ソウルフルな歌声を持ちながら英国的センスで楽曲を整え、原曲に新たな表情を与えるところにあります。代表作2枚(No Parlez、The Secret of Association)を軸に聴き進めると、彼の表現の幅と成長が分かりやすく感じられるはずです。

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参考文献