Bananarama完全ガイド:80年代ポップの名盤と代表曲を徹底解説
イントロダクション:Bananaramaとは何者か
Bananarama(バナナラマ)は1980年代を代表する英国の女性ポップ・グループ。シングル志向のキャッチーなメロディ、コーラスのハーモニー、時にブラック・ポップやニュー・ウェイヴ、ダンス寄りのプロダクションを取り入れた音作りで、世界的なヒットを多数放ちました。主要メンバーのサラ・ダリン(Sara Dallin)とケレン・ウッドワード(Keren Woodward)を軸に、初期はショーン・ファヒー(Siobhan Fahey)も在籍し、編成の変化を経ながら長年活動を続けています。
おすすめレコード(アルバム)詳解
Deep Sea Skiving(1983)
デビュー作にしてBananaramaの原点が詰まった一枚。ニュー・ウェイヴやポップ、スカの要素が混ざり合った楽曲群と、生のコーラスが光ります。初期のシングル「Shy Boy」「Really Saying Something」など、グループのシンプルかつ強力なポップ性が最もストレートに表れている作品です。ポップ史の中で“ガール・グループの自主性”を感じさせる部分が多く、初期ファンや80年代ポップを掘りたい人にまず薦めたいアルバム。
聴きどころ:
- 編曲がシンプルな分、コーラスのニュアンスや歌い回しがよく聴こえる。
- 初期の自主的なポップ志向と後のダンス路線の対比が分かる。
Bananarama(セルフタイトル、1984)
グループ名を冠したアルバムは、よりポップで洗練されたサウンドを提示します。代表曲「Cruel Summer」など、世界的に知られるシングルを多数収録しており、彼女たちが“世界規模のポップ・アクト”へと飛躍した過程を感じさせます。メロディの強さとシンセを軸にしたプロダクションが印象的です。
聴きどころ:
- 名曲群の配置と、ラジオ向けに磨かれたアレンジ。
- エモーショナルなボーカル表現とコーラス・ワーク。
True Confessions(1986)
本作でBananaramaはプロデューサー/ソングライター集団と組み、よりダンス寄りの世界へと踏み出します。カバー曲ながら大ヒットした「Venus」は、この時期の彼女たちを象徴するトラックで、全米1位を獲得するなど商業的成功をもたらしました。ポップとダンスの接点を模索する過程として、重要な作品です。
聴きどころ:
- クラブ寄りのビートとラジオ・フレンドリーなフックの融合。
- 大作志向のプロダクションがポップの定義を拡張している点。
Wow!(1987)
1980年代後半、Bananaramaの“ヒットメーカー”としての面目を保った一枚。シングル「I Heard a Rumour」「Love in the First Degree」など、ダンス・ポップの粒揃いナンバーを収録し、プロダクションはさらに洗練。アレンジの豪華さやフックの強さは、80年代ポップの典型例として楽しめます。商業シーンに完全に適合したサウンドを求めるならここから聴き始めるのも良いでしょう。
聴きどころ:
- キャッチーなフックとコーラスの密度が高い。
- シンセ・ベースの活用、ダンスビートの一体感。
Pop Life(1991)
90年代初頭の作品で、制作面での実験や変化が見られる一枚。ダンス〜ハウス的要素やR&B寄りの処理がある曲もあり、80年代の直線的なポップとは一線を画します。後期のBananaramaの音楽性を知るうえで重要です。
聴きどころ:
- 90年代のダンス・ミュージックの影響が入ったアレンジ。
- 80年代ヒットとの対比で、グループの成長と変化を追える。
In Stereo(2019)
長年の活動を経た成熟期の作品。往年のポップ感を残しつつ、現代のプロダクション感覚も取り入れており、往年のファンと新しい聴衆の橋渡しとなる一枚です。ヴォーカルの表現や曲作りの落ち着きが魅力で、最新作に近いサウンドを探すならおすすめ。
聴きどころ:
- 往年のポップ・センスを現代的に再構築した楽曲。
- 歌詞やメロディの成熟度が感じられる。
代表曲(シングル)とその聴きどころ
Venus — カバーながら大胆な再構築で全米1位を獲得。ダンス寄りのプロダクションでBananarama最大の商業的成功の一つ。
Cruel Summer — 独特のムードとコーラス・ワークが光るナンバー。夏の情景を切り取る歌詞とメロディが印象的。
I Heard a Rumour / Love in the First Degree — ダンス・ポップの完成形とも言えるシングル群。クラブ寄りのビートとラジオ向けのフックが同居。
Really Saying Something — 初期のニュー・ウェイヴ色、ポップな疾走感が楽しめるコラボレーション系の名曲。
どの盤・再発を選ぶか(音や収録曲での選び方)
オリジナル盤は当時の空気感がそのまま残っている一方、リマスター盤やボーナス・トラック付きの再発は音質改善や貴重なデモ/12インチ・ミックスが楽しめます。アルバム単位で楽曲の流れを重視するならオリジナル順(当時のLPや初期CD)を、コレクターや深掘り派なら拡張版・デラックスエディションがおすすめです。
- 初期作(Deep Sea Skiving など):楽曲の原点や編曲の生々しさを楽しみたい場合はオリジナル/初期プレスが魅力。
- ヒット期(True Confessions / Wow!):シングル中心に名曲を楽しみたいなら通常盤で十分。リマスターはラジオ向けの明瞭な音像を好む人向け。
- 近年作(In Stereo など):最新の制作水準がそのまま反映されているので、通常盤で楽曲の全体像を掴めます。
コレクションの楽しみ方(音楽的観点)
Bananaramaの魅力は“ポップの柔軟性”にあります。初期の手触りあるポップからSAWなどの商業的ダンス・ポップ、90年代以降の実験的アプローチまで、時代ごとのポップ・トレンドを彼女たちなりに吸収してきました。アルバムを通して聴くことで、曲構築のパターン、ハーモニーの取り方、プロダクションの変遷がよく分かります。お気に入りのシングルを入り口にして、制作年代順に聴き進めると変化が楽しめます。
まとめ
Bananaramaはシンプルなポップ・センスと高いキャッチネスで長年リスナーを惹きつけてきました。入門としては「Deep Sea Skiving」「Bananarama」「True Confessions」「Wow!」あたりを押さえておけば、彼女たちの音楽的幅と時代ごとの魅力を十分に味わえます。リマスターやデラックス盤は補完要素として有用なので、目的に応じて盤を選んでください。
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