Bobby 'Blue' Blandのレコード完全ガイド:Duke期から70年代までを徹底深掘り
Bobby "Blue" Bland — おすすめレコード深掘りコラム
Bobby "Blue" Bland(ボビー・“ブルー”・ブランド)は、ブルースとソウルが交差する独特の歌唱様式で20世紀中盤以降のR&Bに多大な影響を与えた歌手です。ゴスペル由来の情感豊かなフレージング、洗練されたホーン・アレンジ、そしてソウルフルかつ時に荒々しいシャウトが同居するスタイルは、多くの後続ミュージシャンに影響を与えました。本稿では、レコード(LP/シングル)を中心に“聴くべき一枚”を厳選して深掘りします。コレクター向けのプレスや編集盤の注目点、楽曲・演奏面での聴きどころも解説します(レコードの再生・保管・メンテナンスに関する助言は含みません)。
推薦盤 1:Two Steps from the Blues(Duke時代の名盤)
なによりもまず挙げるべきは、ブランドの代表作群を象徴するアルバム群です。中でも「Two Steps from the Blues」は彼のキャリアを語るうえで欠かせない一枚と評価されています。Dukeレーベル期のシングル曲やアルバム曲を通じて、ブランドの“ブルースをソウルに昇華させた”側面が最も明確に示されています。
- 聴きどころ:悲哀と誇りが入り混じるボーカル表現、Joe Scottらによる洗練されたホーン・アレンジ、Wayne Bennettのギターが織り成すリズム感。
- 代表曲(アルバム内/同時期の必聴曲):「I Pity the Fool」「Farther Up the Road」「Turn On Your Love Light」など。単曲単位でも強烈なインパクトを持つ曲が並びます。
- 音楽的背景:DukeのプロデューサーDon Robeyのもと、R&Bと都会的なソウルの橋渡しをするような編曲が施され、ブランドの歌声がドラマティックに活かされています。
- コレクションの観点:オリジナルDuke盤(モノラル初期プレス)はコレクターズアイテムとして価値があります。一方で、近年の良質なリマスターやコンピレーションで聴きやすく再構成された盤も多数あるため、音質・入手性のバランスで選ぶと良いでしょう(詳細はDiscogs等で版情報を確認してください)。
推薦盤 2:Duke時代のシングル/コンピレーション(The Duke Recordings系)
ブランドの真骨頂はシングル群にこそあります。1950〜60年代のシングルで築かれたヒット群をまとめたコンピレーションは、彼の変遷を俯瞰するうえで非常に価値があります。まとまった編集盤(“Complete”や“Best of the Duke Years”など)を一枚持っておくと、代表曲を時系列で追えます。
- 聴きどころ:シングルではよりダイレクトな演出が多く、歌の即効性やコール&レスポンス、バンドの鋭いアタックが楽しめます。初期の荒削りさからアレンジの洗練までの流れが分かります。
- 注目ミュージシャン:ギタリストWayne Bennettのフレーズ、Joe Scottのアレンジ、Dukeのバック・バンドの演奏力がまとまって確認できます。
- コレクションの観点:シングル盤のオリジナルは価格が張ることがありますが、まとまったリマスター・ボックスや公式編集盤は音源の網羅性という点でおすすめです。
推薦盤 3:70年代以降のソウル寄り・再評価盤(Ain't No Love系の時期)
1970年代に入ると、ブランドはよりモダンなソウル/都会的R&Bのサウンドを取り入れた作品を発表します。「Ain't No Love in the Heart of the City」など、後にカバーされて広く知られる曲もこの時期の作風から生まれています。ブルースにとどまらない彼の表現の幅を聴くならこの時期のアルバムも押さえておくべきです。
- 聴きどころ:よりストレートなソウル・バラードや洗練されたプロダクション。ブランドの歌がポピュラー音楽の文脈でも通用することを示しています。
- 代表的な曲:先述の「Ain't No Love in the Heart of the City」他、都会的なアレンジが施された名曲群。
- コレクションの観点:オリジナルLPを狙うか、時代を整理した良質なコンピ/再発で音質と解説を重視するか、目的に応じて選択するとよいでしょう。
推薦盤 4:ライブ盤/共演盤(ブランドの表現力を直に味わう)
スタジオ録音とは別に、ライブでのブランドはさらにダイナミックで説得力があります。長尺で感情を突き上げるパフォーマンス、バンドとの掛け合い、観客の反応が乗る場面はライブ盤ならでは。B.B. Kingなどとの共演作・ライブ盤も、現場での存在感を示す資料的価値が高いです。
- 聴きどころ:生のテンション、即興的なボーカルの揺れ、曲を引き伸ばすことで生まれるドラマ性。
- コレクションの観点:ライブ録音は年代や音質差が大きいので、ライナーノーツや録音情報を確認し良好な音源を選ぶのが肝要です。
聴きどころと注目ポイント(曲を聴くときの視点)
- 声の“語り”を聴く:ブランドの魅力は“歌で語る”力にあります。語尾の処理、息遣い、言葉の間の取り方に注目すると、その情感の深さが分かります。
- 編曲の効果を味わう:Joe Scottらのホーン/ストリングスの使い方は、曲のドラマ化に非常に効果的です。アンサンブルのワンフレーズで曲全体のムードが変わる場面を探してみてください。
- ギターの役割:Wayne Bennettのギターはブランドの歌を支える重要な要素。単なる伴奏を超えた“会話”としてのギター・フレーズに耳を傾けてください。
- 曲構成とシングル文化:1950〜60年代のR&Bはシングル志向の構成が多く、短い時間で強い印象を残す工夫が凝らされています。アルバムを通して聴くと時代感が理解できます。
入手・版情報の見方(簡潔に)
ブランドのディスコグラフィはDuke期を中心に複数の編集盤や輸入盤が存在します。オリジナルLPの価値は高いですが、音質や解説を重視する場合は信頼できるリマスター盤や正規編集盤(コンプリート集)を選ぶと良いでしょう。購入前は収録曲リスト、マスター/モノラルかステレオか、リマスター情報、ライナーノーツの有無をチェックすることをおすすめします(各盤の詳細はDiscogsや公式リリース情報で確認してください)。
まとめ:ブランドのレコードを聴く意味
Bobby "Blue" Blandのレコードは、単なる“ブルース”の枠を超え、都会的なソウルと深い情感を融合させた表現の連続です。初期のDukeシングル群が持つ即効性、名盤アルバムのドラマ性、70年代以降のソウル寄り作品の幅広さ——どの時期から入っても発見があり、聴き手を引き込む力があります。まずは「Two Steps from the Blues」(およびDuke期コンピ)から入るのが王道ですが、ライブ盤や70年代の作品で別の側面を味わうことも強くおすすめします。
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