Gerald Levertのおすすめレコード徹底ガイド|LeVert・ソロ・LSGを聴くべき順と聴きどころ
はじめに — Gerald Levertとは
Gerald Levert(ジェラルド・レヴァート)は、オハイオ出身のソウル/R&Bシンガーで、父は伝説のグループ The O'Jays の Eddie Levert。グループ LeVert のリード・ヴォーカルとして80年代に頭角を現し、ソロ/コラボレーションでも数多くの名曲を残しました。温かく厚みのあるテナーボイスと、ゴスペルに根ざしたフレージング、都会的でセクシーな歌詞のバランスが彼の最大の魅力です。本稿では、Gerald Levert の作品の中から「聴くべきおすすめレコード」をピックアップし、楽曲・制作面・聴きどころを深掘りして解説します。
おすすめレコードの選び方(簡潔に)
Gerald のキャリアは「LeVert(グループ)時代」「ソロ活動」「LSG(スーパーユニット))」の大きく3つに分かれます。歴史的背景や声の成長、コラボレーションの相互作用を味わうためにも、次の順で聴くのをおすすめします。
- LeVert(グループ)での代表作 → ソロ作 → LSGのコラボ作
- 初めての場合は代表曲を中心にアルバム丸ごと1枚を通して聴くと、時代ごとのプロダクションや声の変化がよく分かります。
1. The Big Throwdown — LeVert(グループ)
なぜ聴くべきか:LeVert の代表作の一つで、グループ名義での商業的突破口になったアルバムです。特に「Casanova」は80年代後半のR&Bを代表するヒットで、Gerald の甘いヴォーカルとコーラスワーク、都会的なアレンジが光ります。
- 聴きどころ:ヴォーカル・ハーモニー、メロウなバラードとダンサブルなナンバーのバランス。
- 代表曲:Casanova(グループとしての顔となったシングル)
- 音楽的特徴:ポップ性の強いメロディと80年代後半のシンセ/プログラミングを使ったプロダクション。若いGeraldのエモーショナルな歌唱が際立ちます。
2. Private Line — Gerald Levert(ソロ・デビュー)
なぜ聴くべきか:ソロとしての出発点を示す重要作。グループでは見られなかった個人的で官能的な側面、そしてソロ・シンガーとしての表現の幅が示されています。バラードからミッドテンポまで、Gerald のヴォーカル表現が最も分かりやすく出ている作品です。
- 聴きどころ:ヴォーカル・テクニック(ビブラート、フォール、ダイナミクス)と、歌詞にこめた大人の恋愛表現。
- 代表曲:タイトル曲を含むロマンティックなバラード群(アルバム全体が“夜の空気”に合う作り)。
- 音楽的特徴:80〜90年代初頭のR&Bサウンドを背景にしつつ、より私的でセクシーなトーンを追求。
3. Groove On — Gerald Levert
なぜ聴くべきか:ソロ2作目あたりの充実期を示す作品で、ソウルフルなバラードとグルーヴィーなナンバーが両立しています。ヴォーカルの安定感と成熟が進み、プロダクション面でも洗練が進んでいるのが特徴です。
- 聴きどころ:ミッドテンポのグルーヴや、切ないバラードにおける表現の深さ。
- 代表曲:アルバムの流れで“歌の世界観”を堪能できる曲が並ぶ点を評価。
- 音楽的特徴:R&Bの伝統に忠実でありつつ、当時のモダンなプロダクション感を取り入れた仕上がり。
4. Levert.Sweat.Gill(LSG) — LSG(Levert・Sweat・Gill)
なぜ聴くべきか:Gerald と Keith Sweat、Johnny Gill という3人のヴォーカリストによるスーパーユニット作品。ソロでは出せない掛け合いやコーラスの厚み、強烈なR&Bの化学反応が楽しめます。「My Body」などのヒットで90年代後半のR&Bシーンに強い印象を残しました。
- 聴きどころ:3人のヴォーカリストが互いの音色を活かし合うアンサンブル、ソロでは到達し得ない声のぶつかり合いと補完。
- 代表曲:「My Body」ほか、セクシーでダイレクトなラヴソング群。
- 音楽的特徴:90年代のR&Bプロダクション(鍵盤、スムースなビート)に3者の歌唱力が融合。
5. 選外だが聴く価値のある作品・コンピレーション
なぜ聴くべきか:シングル集やベスト盤にはアルバムに入っていないミックス、コラボ曲、ライブ・バージョンが混在していることがあり、Gerald の多面的な魅力を短時間で把握できます。また、後年の作品群にはより暗めで重厚なテーマを扱う曲もあり、歌詞世界の広がりを肌で感じられます。
楽曲分析:Gerald の歌の魅力(技術的視点)
Gerald の歌唱は単に音が「良い」だけでなく、以下の点で高度に魅力的です。
- ダイナミクス:静かなパートからクライマックスまでの音量・感情のコントロールが巧み。
- フレージング:ゴスペル的な感情の溜めとリリースを用いた歌い回しが、聴き手に強い共感をもたらす。
- ハーモニー感覚:背景コーラスや自分の多重録音との相性が良く、グループ時代から鍛えられた和声感が光る。
- 表現の幅:ロマンチシズムから痛切な悲哀まで、感情表現のレンジが広い。
聴き方の提案(プレイリストの組み方)
- 入門編:代表曲メドレー(LeVertの「Casanova」→ Private Line のタイトル曲 → LSGの「My Body」)でGeraldの表情の変化を味わう。
- アルバム通読:上で挙げた各アルバムを「初期(LeVert)→ ソロ初期 → ソロ熟成 → LSG」の順に通して聴くと、声と表現の歴史がわかりやすい。
- 深掘り編:バラードだけを集めたプレイリストで、フレージングや歌詞の違いを比較する。
まとめ — Gerald Levert のレコードが今も響く理由
Gerald Levert の作品は単なる“懐メロ”ではなく、ヴォーカル・アプローチやR&Bの語法を学ぶ上で現在でも価値の高い教材です。グループ時代のキャッチーさ、ソロの官能性、LSGでの化学反応──それらが合わさって、彼のディスコグラフィーは多面的で一貫した魅力を持ちます。初めて聴く人には、まず代表曲をきっかけに1枚じっくり通すことをおすすめします。
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参考文献
- Gerald Levert — Wikipedia
- LeVert (band) — Wikipedia
- LSG — Wikipedia
- Gerald Levert — AllMusic
- Gerald Levert — Discogs


