Kreator レコード完全ガイド:入門から深掘りまで、コレクター必携のおすすめ盤と入手ポイント

Kreator:究極のスラッシュ・コレクションを求めるあなたへ

ドイツのスラッシュメタル・レジェンド、Kreator(クリエイター)は1980年代半ばから現在まで一貫して強烈な攻撃性とメロディックな要素を両立させてきました。本稿では、コアなファンからこれから深掘りしたいリスナーまでに向けて「レコードで手に入れたいおすすめ作品」をピックアップし、各作品の音楽的背景、代表曲、コレクター視点での版や入手のポイントを詳しく解説します。(レコードの再生・保管・メンテナンス方法の解説は含みません)

入門盤:Pleasure to Kill(1986)

Kreatorの初期を象徴する傑作。極端に速いテンポ、刃物のようなリフ、ゾンビ的な咆哮が特徴で、後のデスメタル/エクストリーム・メタルにも影響を与えたアルバムです。粗さと破壊力が魅力で、スラッシュの暴力性を最も純度高く体現しています。

  • 代表曲:“Pleasure to Kill”, “Riot of Violence”, “Extreme Aggression”の原型となる攻撃性を感じられる曲群
  • 聴きどころ:生々しい速さとアグレッション、後の作風に連なる基本リフの数々
  • レコード入手の指針:初期のNoise Recordsオリジナル・プレスはコレクター価値が高い一方、近年のリマスター/180g再発盤は盤質や聴感で扱いやすい。オリジナルはジャケットやインサートの状態も要確認。

発展期の到来:Terrible Certainty(1987)

Pleasure to Killの直後にリリースされた作品で、初期の狂気を残しつつ楽曲構成や演奏の精度が向上。よりタイトになったリズムとダイナミクスが際立ち、Kreatorの“技術的側面”が芽生えたアルバムです。

  • 代表曲:“Behind the Mirror”, “Bomb Threat”など、暴力的ながらメロディを感じさせる楽曲
  • 聴きどころ:テンポの揺らぎやブレイク箇所での緊張感、より“曲としての完成度”が高まった点
  • レコード入手の指針:欧州初期盤はデザインとプレスの魅力があるためコレクション価値が高い。国内流通盤(日本盤)で帯付きは比較的探し甲斐あり。

メジャー進化期:Extreme Aggression(1989)

プロダクションが向上し、より幅広いダイナミクスを取り入れた名盤。クリーンかつパワフルな音像で、メタルの“明快な攻撃性”と“聴きやすさ”が同居します。Kreatorが国際的に評価を固めた一枚です。

  • 代表曲:“Betrayer”, “Extreme Aggression”など、フックあるリフとサビを持つ楽曲
  • 聴きどころ:制作クオリティの向上、歌メロの明瞭化、ライブで映えるアレンジ
  • レコード入手の指針:この時期からプレスのクオリティが安定しているため、良好な状態の初期プレス or 公式リマスター盤がオススメ。

集大成的な技術性:Coma of Souls(1990)

Kreatorのクラシックとされる作品のひとつ。複雑なリフ構成と抑揚のある楽曲展開が増え、スラッシュの枠を超えた楽曲クオリティが際立ちます。テーマ的にも社会批判や内面の葛藤を深く掘り下げた歌詞が多く見られます。

  • 代表曲:“People of the Lie”, “Coma of Souls”など、曲の厚みと広がりが感じられるトラック
  • 聴きどころ:ストリングするリフワーク、ミドルテンポでの重厚感、歌詞のメッセージ性
  • レコード入手の指針:CD時代(90年代)に比べ、アナログで聴くと楽曲の奥行きがわかりやすい。状態の良いLPを探す価値あり。

再起動の名作:Violent Revolution(2001)

1990年代における実験的な時期を経て、2001年のこの作品でKreatorは“原点回帰+現代的アプローチ”を果たしました。よりヘヴィかつモダンな音像になり、新世代のファンを獲得した転換点です。

  • 代表曲:“Violent Revolution”, “Reconquering the Throne”など、復活を感じさせる攻撃性
  • 聴きどころ:スラッシュの伝統を守りつつ、現代的なギター・トーンとアンサンブルで再構築されている点
  • レコード入手の指針:2000年代以降のプレスは盤品質が良く、再入手しやすい。初回特典の有無などでバージョン差あり。

成熟した強靭さ:Enemy of God(2005)・Phantom Antichrist(2012)・Gods of Violence(2017)

2000年代以降の3作は、それぞれにKreatorの“成熟した攻撃性”を示します。より構築的でメロディックな要素を併せ持ち、ライブでの持続力も強化。特にPhantom Antichrist以降はシンセやオーケストレーションを控えめに取り入れてドラマ性を高めています。

  • 代表曲:Enemy of God期の“Enemy of God”、Phantom Antichristの“Phantom Antichrist”、Gods of Violenceの“Totalitarian Terror”など
  • 聴きどころ:モダン・スラッシュの典型、楽曲の起伏や長尺の楽曲での表現力、成熟した歌詞世界
  • レコード入手の指針:これらは現行盤として再発や限定カラー盤が流通しているため、好きなインサートや限定仕様を狙うのが楽しい。

EP・コンピ・レアトラックの注目点

Kreatorはアルバム以外にもEPやシングルで重要な曲やカバー、ライブ音源を残しています。特に初期のEP群やプロモ盤は、アルバム未収録の荒々しい演奏や別テイクが聴けるため、コレクターやコアなファンには重要です。

  • 注目ポイント:初期EPや限定シングルはジャケット差やステッカー、インサートの有無で価値差が出やすい
  • 聴きどころ:アルバムと異なるアレンジや未発表トラック、カバー曲(例:Dischargeなどへのアプローチ)

どの順番で聴くのが良いか(おすすめの入門〜深堀ルート)

  • まずはPleasure to KillでKreatorの“本質”に触れる
  • 続けてTerrible Certainty → Extreme Aggression → Coma of Soulsで1980年代〜1990年初頭の黄金期を体感
  • Violent Revolutionで2000年代の復活を確認し、Enemy of God〜Phantom Antichrist〜Gods of Violenceで現在形のKreatorを理解する
  • 興味が広がったらEPやシングル、ライブ盤で細部を埋めていくのがおすすめ

コレクター向けの版(どの盤を狙うか)

レコード収集という観点でKreatorの作品を選ぶ際の一般的な指針です。

  • オリジナル・ノイズ(Noise Records)期のプレス:歴史的価値が高く、状態が良ければコレクションの核になる
  • 公式リマスター/180g再発盤:盤質や長期保存性、現代的なEQ/マスタリングが好ましい場合に選択
  • 限定カラー盤・ツアー限定盤:視覚的に魅力的で、コレクションのアクセントになる。流通量が少ないため価格は上昇しやすい
  • 日本盤(帯・解説付き):日本独自の解説や帯が付くため、コレクター的な価値があることが多い

作品ごとの“なぜ重要か”まとめ

  • Pleasure to Kill:Kreatorの暴力性と、その後のデスメタルへ与えた影響の始点
  • Terrible Certainty:演奏力の向上と構築性の芽生え
  • Extreme Aggression:国際的評価を確固たるものにしたプロダクションの向上
  • Coma of Souls:楽曲の深みとメッセージ性の到達点
  • Violent Revolution以降:原点回帰と現代的アプローチの融合、現在につながる進化

買う前に確認したいポイント(ディスコグラフィー整理のコツ)

同一タイトルでもプレス/再発/ボーナストラックの有無で内容が違います。入手時には以下をチェックすると良いでしょう(詳細は各販売ページで確認してください)。

  • レーベル表記(Noise / Steamhammer / SPV 等)とプレス年
  • 表記されているトラックリスト(ボーナストラックや別ヴァージョンの有無)
  • ジャケットのバリエーション(初回の印刷違い、限定カラーヴァイナル等)
  • 帯・ライナーノーツの有無(日本盤など)

まとめ:どの一枚から始めるべきか?

「最初に1枚だけ選ぶ」としたら、Kreatorの“原点”と“可能性”が詰まったPleasure to Killか、構築性と名曲群が揃うComa of Soulsが強くおすすめです。原点の衝撃を味わいたいならPleasure to Kill、曲の深さと多彩さを求めるならComa of Souls。そこから時代を追ってExtreme Aggression→Terrible Certainty→Violent Revolution〜現行作へと広げていくとKreatorの全貌が見えてきます。

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参考文献