パット・ベネター完全ガイド:入門者向け代表曲とコア・コレクションを徹底解説

パット・ベネターとは

パット・ベネター(Pat Benatar)は、1970〜80年代のロック/ハードポップを代表する女性ボーカリストのひとりです。力強く伸びのある歌声と、ギタリスト/作曲パートナーであるニール・ジラルド(Neil Giraldo)とのタッグで、ヒット曲と印象的なミュージックビデオを次々と生み出しました。ロックの女性フロントとしてチャートとMTVの両方で存在感を放ち、シンガーとしての技巧と感情表現の両面で高い評価を受けています。

おすすめレコード(入門〜コア・コレクション)

In the Heat of the Night(1979)

デビュー作。ロック/ポップの基本が詰まった一枚で、彼女のエネルギーをストレートに感じられます。歯切れの良いロック・ナンバーとポップなセンスが混在しており、パットのボーカルとニールのギター・アレンジの相性が確立された作品です。

  • おすすめポイント:デビュー作ならではの勢いと生々しさ。初期の代表曲がまとまっている。
  • 代表曲(試聴推奨):"Heartbreaker" など

Crimes of Passion(1980)

彼女のキャリアを象徴するヒット作。シングル「Hit Me With Your Best Shot」はポップ/ロック双方で大きな成功を収め、広く知られるようになったアルバムです。プロダクションは当時のラジオ志向をよく捉えたもので、メロディとパフォーマンスが際立ちます。

  • おすすめポイント:キャッチーなシングル群とアルバム全体の完成度。80年代ロックの典型。
  • 代表曲(試聴推奨):"Hit Me With Your Best Shot"、"Treat Me Right"

Precious Time(1981)

前作の成功を受けて発表されたアルバムで、より洗練されたアレンジとドラマティックな歌唱が特徴です。ロック色を保ちながらも曲ごとの表情が豊かで、パットのボーカル表現の幅が見える作品です。

  • おすすめポイント:バラエティに富んだ曲調と安定した歌唱。ファンなら見逃せない楽曲が含まれる。
  • 代表曲(試聴推奨):タイトル曲"Precious Time"、"Fire and Ice"など

Get Nervous(1982)

80年代初頭のロックサウンドを色濃く反映したアルバム。ハードなロックからドラマチックなミディアムまで、ダイナミックな構成になっています。ミュージックビデオ時代を迎える直前の、音像の充実が感じられる作品です。

  • おすすめポイント:バンドとしてのまとまりとエネルギーが強く出たアルバム。ライブ映えする楽曲が多い。
  • 代表曲(試聴推奨):"Shadows of the Night" など

Live from Earth(1983)

ライブ録音を中心にした作品ですが、ここに収録されたスタジオ録音のシングル「Love Is a Battlefield」は彼女のキャリアでも特に象徴的な曲です。ライブ盤としては、ステージでの表現力や観客との一体感がよく伝わってきます。

  • おすすめポイント:「Love Is a Battlefield」を含むこと、ライブでの歌唱力とアレンジの魅力を味わえる点。
  • 代表曲(試聴推奨):"Love Is a Battlefield"(スタジオ音源)

Wide Awake in Dreamland(1988)

80年代後半の作品で、ポップな要素とロックの融合が進んだアルバム。キャリア中期の集大成的側面があり、シングル「All Fired Up」など、エネルギッシュな楽曲が印象的です。

  • おすすめポイント:ポップ・ロック志向の曲が増え、幅広い聴衆に届く仕上がり。成熟したボーカルが楽しめる。
  • 代表曲(試聴推奨):"All Fired Up"

True Love(1991)

ジャンルの転換とも言える作品で、伝統的なジャズ/ブルース・スタンダードに挑んだアルバムです。これまでのロック性とは異なる側面を見せ、彼女の表現の幅や音楽的な好奇心を感じられる一枚です。

  • おすすめポイント:ロック以外のレパートリーでの歌唱力を知るために有益。静かながら深い表現力が光る。

ベスト/コンピレーション(入門向け)

初めて聴く人には代表曲を網羅したベスト盤が最適です。短時間で彼女のキャリア・ハイライトを俯瞰でき、好きな時代のアルバムへ深掘りするための導入になります。

  • おすすめポイント:代表曲がまとめて聴けるので、まずはコンピで気に入った時代のオリジナル・アルバムを買うのが効率的。

選び方と聴きどころのヒント(レコードの物理的な扱い以外)

  • 時代感を楽しむ:初期(1979〜1981)は生っぽいロックとキャッチーなメロディ、中期(82〜85)はプロダクションが厚く、後期はポップ寄りや実験的作品が増えます。何を求めるかで選ぶと良いでしょう。
  • ニール・ジラルドの存在:ギターやアレンジ面での色付けが大きく、彼のサウンドが気に入れば主要アルバムすべてに満足感があります。
  • シングル=名曲が必ず収まっているわけではない:ヒット曲を中心に聴くのも良いですが、アルバム曲にも隠れた名曲が多いので、アルバム全体を一度通して聴くことをおすすめします。
  • ライブ盤の価値:スタジオ録音とは違う迫力やアレンジが味わえるため、ライブ盤もレパートリー理解に役立ちます。

パット・ベネターの魅力まとめ

力強くクリアな声質、エモーショナルな表現、そしてロックとポップを横断する楽曲群—これらがパット・ベネターの最大の魅力です。初期のアグレッシブなロック、ヒットが並ぶ黄金期、そしてジャンルを超えた挑戦作まで、聴く側の好みに合わせて“入り口”を選べるアーティストです。

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参考文献