Black Flag(ブラック・フラッグ)おすすめレコード徹底解説:Damaged から My War までの変遷と聴きどころ
Black Flag(ブラック・フラッグ)おすすめレコード 深掘りコラム
Black Flag は1976年にカリフォルニアで結成されたハードコア・パンクの代表格であり、その攻撃的なサウンドとレイモンド・ペティボン(Raymond Pettibon)による象徴的なアートワークはシーンを超えて影響を与えました。本稿では「聴く価値が高い」代表的なレコードを厳選して紹介し、それぞれの特徴、バンド史上での位置づけ、聴きどころ、そしてコレクター的に注目すべきポイントを深掘りします(レコードの再生や保管・メンテナンスの方法には踏み込みません)。
Black Flag を理解するための前提
時期によってボーカリストや編成が変遷し、サウンドも「純粋な速弾きハードコア」から「スローで重いジャム/ヘヴィなアプローチ」へと大きく変化します。各アルバムはその時期性を強く反映しているため、変化を追うことでバンドの全体像が見えてきます。
アートワーク(Raymond Pettibon)の強烈さ、DIY精神、ツアーで鍛えられたライブ力も重要な要素。音源だけでなくヴィジュアルやリリース形態も含めて評価されることが多いです。
SST Records を通じたリリースが中心で、オリジナル盤の入手難度や再発の差異が存在します。どの盤を買うかは好みと予算、コレクション目的で変わります。
おすすめレコード一覧(深掘り)
Damaged (1981)
なによりもまず挙げられる“名盤中の名盤”。Henry Rollins(当時のボーカリスト)加入後に録音されたフルアルバムで、ハードコアの破壊力とパンクの怒りが結実しています。テンポの速さや突進するリフ、Rollins の絶叫的な歌唱がアルバム全体を突き抜けるように押し出します。代表曲「Rise Above」などはシーンのアンセム的存在です。
聴きどころ:圧迫感のあるリズム、短い楽曲での感情爆発、Pettibon のアートワークと相まった“核となるBlack Flag”が体現されています。
コレクター視点:オリジナルSST盤は高値になりがち。音質やジャケットの違いを楽しむなら複数エディションの比較がおすすめです。
My War (1984)
「Damaged」的ハードコアから大きく変化した作品。Side A の短い曲群はまだパンクの臭いを残しますが、Side B に収められた長尺のスロー/ヘヴィ・トラックは当時としては衝撃的で、スラッジ、ポスト・ハードコア、後のグランジへ影響を与えました。音楽的な実験性と暗さ、重さが際立つ一枚です。
聴きどころ:テンポの遅いパートでの不協和音的なギター、反復するリフによる“圧倒的な重さ”。バンドの幅を理解するには必聴。
コレクター視点:オリジナルプレスやその後のリマスターで音像がかなり異なることがあるため、購入前に盤情報を確認しましょう。
Slip It In (1984)
「My War」と並ぶ中期の代表作で、より直接的なヘヴィネスとブラックメタルやハードロック的な要素も感じられる作品です。物議を醸した内容やカバー・アート、プロダクションも含め、Boldな実験心が表出しています。
聴きどころ:攻撃的かつ開放的なリフ、Rollins のより汚れた・荒れたボーカル表現。コンテクストとしては、パンクの枠を広げる挑戦的な一枚です。
Nervous Breakdown EP (1979)
Black Flag の初期エネルギーをダイレクトに伝えるEP。短く鋭い楽曲群はハードコア・パンクの原点の一つとして重要です。初期の荒々しさ、未整理な衝動、DIY精神が詰まっています。
聴きどころ:短時間に凝縮された怒りと疾走感。バンドの「出発点」を知るために最適です。
Jealous Again EP (1980)/The First Four Years (compilation)
Jealous Again は複数のヴォーカリスト(Keith Morris、Ron Reyes、Dez Cadena 等)が在籍していた時期の中短編曲を収め、The First Four Years は初期のシングル/EPを集めた編集盤で、初期の変遷を俯瞰するのに便利です。ヴォーカルやスタイルの試行錯誤がそのまま音に残っている点が面白い。
聴きどころ:初期メンバーの多様性、成長過程の“生々しさ”。初期曲の元気さと粗さが好きな人に刺さります。
Everything Went Black (compilation, 1982)
初期の未発表曲や別ヴァージョン、ライブ感の強い音源を集めた編集盤で、レアな録音や未整理な演奏を通じてバンドの多面性を示します。歴史を掘るコレクターやディープリスナー向け。
聴きどころ:スタジオ/デモ風の荒々しい録音。公式アルバムとは違う“裏側”を知ることができます。
各レコードの聴き方・注目ポイント(音楽的視点)
歌詞・テーマ:社会への不満、疎外感、自己表現の暴力性などパンクの基本テーマを持ちながら、Rollins 時代には内省や怒りの表現がより個人的になっています。
サウンドの変遷:初期の短い曲→Damaged の鋭い衝動→My War 以降のスロウ&ヘヴィへの展開。この流れを追うことで、Black Flag が単なる「速いパンク」ではないことが腑に落ちます。
アートワーク:Raymond Pettibon のイメージは楽曲と同等にバンドのアイデンティティ。ジャケットは曲の文脈やムードを補強します。
ライブ感:録音の生々しさや即興的な要素が強いので、初めて聴くときは“演奏の刹那性”を楽しむ姿勢が合っています。
購入・コレクション時のチェックポイント(盤そのものに関する基本的留意点)
オリジナルSSTプレスは歴史的価値が高いが、価格が上がっていることが多い。再発盤は手頃で音質向上が期待できる場合もあるため、目的(聴くため/コレクション目的)で選ぶと良いでしょう。
ジャケットの違い(初版のステッカー、インナー・スリーヴの有無、アートワークの微妙な版違い等)に価値が付くことがあるので、コレクターは出品情報を細かく確認してください。
編集盤やオムニバスでしか聞けないレア音源も存在するため、“代表作だけでなく補完盤”を探すとバンド理解が深まります。
初心者へのおすすめ再生順(入門ガイド)
まずは「Damaged」を聴いてBlack Flagの核となる攻撃性を体験 → 次に「My War」でバンドの幅と重さを確認 → 初期EP(Nervous Breakdown、Jealous Again)で原点の粗さを味わう → 補完として「Everything Went Black」「The First Four Years」を聴く、という流れが自然です。
Black Flag が与えた影響と現代への残響
ハードコア/ポストハードコア/スラッジ/グランジなど、多くのジャンルに影響を与えました。地元のDIY文化やインディペンデントな音楽流通(SSTなど)を強化した点も大きな貢献です。
Raymond Pettibon のアートワークはバンドの「ブランド」を超え、視覚文化としても引用され続けています。
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参考文献
- Wikipedia: Black Flag (band)
- AllMusic: Black Flag
- Discogs: Black Flag
- Rolling Stone 等の解説記事(Black Flag に関する回顧記事など)
- SST Records(レーベル公式/関連商品情報)


