PRS(Paul Reed Smith)徹底解説:歴史・特徴・選び方と代表モデルの深掘り

PRSとは何か — ブランドの位置づけと概要

PRS(Paul Reed Smith)は、アメリカのギター製作ブランドで、創業者のポール・リード・スミス(Paul Reed Smith)が1985年に立ち上げました。高い工作精度と美しい仕上げ、独自の設計思想によって、伝統的なギブソン/フェンダー系の良さを併せ持つ“第三の選択肢”としてプロ/アマ問わず幅広く支持されています。PRSはハイエンドの“Core”ラインから、手頃な価格の“SE”シリーズ、さらに完全注文製作の“Private Stock”まで幅広いラインナップを提供しており、音楽ジャンルを問わない汎用性が特徴です。

歴史とブランドの発展

ポール・リード・スミスは若くしてギター製作に取り組み、1980年代に自身の工房を立ち上げました。1985年のブランド設立以降、手工芸的な高品質ギターを少量生産するところから始まり、1990年代以降は製造規模とラインナップを拡大しました。PRSは伝統的なソリッドボディの木工技術を継承しつつ、モダンな設計(スケール長やピックアップ設計、ネックシェイプの最適化など)を取り入れることで、独自のポジションを確立してきました。

デザイン的特徴と技術

  • ボディと材質:PRSの代表的スタイルはメイプルトップとマホガニーバックの組み合わせ。カーブした“カーブドトップ”は美観と共に音響的なキャラクターを生み出します。
  • ネックとスケール:一般的にPRSは約25インチ(約635mm)のスケール長を採用し、フェンダー(25.5インチ)とギブソン(24.75インチ)の中間に位置するため、テンションとフィンガリングのバランスに優れています。ネックシェイプは“Pattern”、“Wide Thin”、“Wide Fat”など複数が用意され、演奏性を細かく選べます。
  • インレイと外観:鳥(bird)をモチーフにしたポジションインレイはPRSのトレードマーク。塗装やフィニッシュの品質も高く、仕上げの美しさが所有欲を満たします。
  • ピックアップと電子系:PRSは自社設計のピックアップ(例:85/15、58/15など)やシングルコイルタイプを用意し、クリーンから高ゲインまで対応するバランスの良いサウンドが特徴です。ブリッジやコントロールも独自設計で、音色の幅が広いモデルが多いです。
  • トレモロとハードウェア:独自設計のブリッジやトレモロ、安定したチューニングを実現するペグ類が採用されています。セットネック構造によりサステインと共鳴が良好です。

サウンドの特徴とジャンル適性

PRSの音は一般に“クリアでレンジが広いが、太さも失わない”と評されます。中低域の太さ(マホガニー由来)と高域の明瞭さ(メイプル由来)を同時に持ち合わせるため、クリーントーンからディストーションまで幅広く使えます。ロック、ブルース、ジャズ、ポップス、メタルなど多様なジャンルで活躍しており、ピッキングのニュアンスやアンプとの相互作用を活かせる設計です。

代表的モデルとシリーズ

  • Custom 24:PRSを代表するモデルで、24フレット、ハムバッカー構成、バランスの取れたサウンドが特徴。多くのアーティストに愛用されています。
  • McCartyシリーズ:ヴィンテージ志向のスペックを持つモデル群で、ウォームで太いトーンを求めるプレイヤー向け。
  • Singlecut:クラシックなシングルカットボディをPRS流に解釈したモデル。サステインとレスポンスに優れます。
  • SEシリーズ:海外(主にアジア)の工場で製造されるエントリー〜ミドル価格帯のライン。PRSらしい設計のエッセンスを手頃な価格で提供します。
  • Private Stock:最高級のカスタムショップライン。希少材・専用フィニッシュ・個別設計など完全オーダーメイドに近い仕様が可能です。
  • Signatureモデル:カルロス・サンタナ、ジョン・メイヤー(Silver Sky)、マーク・トレモンティなど多数のアーティスト・モデルが存在し、各プレイヤーの要望を反映した仕様が販売されています。

アーティストと影響力

PRSは多くの著名ギタリストに採用されてきました。カルロス・サンタナは長年PRSを使用しており、ブランドのイメージ向上に大きく寄与しました。ジョン・メイヤーとの共同で生まれたSilver Skyは、PRSとプレイヤーのコラボレーションがブランドに与える影響を象徴する例です。その他にも現代ロック/メタル系からセッション系ミュージシャンまで、幅広いユーザー層を持ちます。

購入時のチェックポイントと選び方

  • 目的を明確にする:主にクリーントーン寄りかハイゲインか、ネックの太さや指板の丸みなど自分の弾き方に合った仕様を選びます。
  • 試奏での確認:音のレンジ、サステイン、ピックアップのレスポンス、ネックのフィット感を確かめてください。25インチスケールの感覚は人により好みが分かれます。
  • SEとCoreの違い:SEはコストパフォーマンス優先、Core(米国製)は仕上げ・材質・品質管理がさらに高水準です。中古市場ではCoreの方が高値で取引されやすい傾向があります。
  • メンテナンス:セットネックやフィニッシュは繊細なので、気温湿度管理や弦交換、フレットの摩耗チェックを定期的に行いましょう。

中古市場と資産性

PRSはモデルと状態によっては高いリセールバリューを持ちます。特にPrivate Stockや限定モデル、著名アーティストのシグネチャーはコレクター需要があり価値が維持されやすいです。一方で大量生産ラインのSEなどは価格変動が比較的大きいため、購入目的(演奏用かコレクションか)を明確にしておくことが重要です。

まとめ:PRSがもたらす価値

PRSは“高品質な工作、演奏性の高さ、幅広い音色”を兼ね備えたブランドです。ギター本体の仕上げや設計の細部にこだわるプレイヤーにとって、PRSは非常に魅力的な選択肢となります。エントリーモデルのSEから最高峰のPrivate Stockまで、用途と予算に合わせて最適な1本を選べるのも大きな強みです。

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参考文献