戦国無双2 Empiresを徹底解説:歴史性・ゲーム性・攻略のコツ
はじめに:『戦国無双2 Empires』とは何か
『戦国無双2 Empires』(Sengoku Musou 2 Empires)は、Omega Force が開発しコーエー(現:コーエーテクモゲームス)が発売した『戦国無双2』シリーズの“Empires”サブシリーズ作品です。2007年にPlayStation 2向けにリリースされ、無双アクションと内政・外交を組み合わせた“合戦+戦国大名運営”のゲームデザインが特徴となっています。プレイヤーは大名・武将として領地の統治、外交交渉、合戦指揮を行い、日本統一を目指します。
ゲームの核となるシステム──“合戦”と“内政/外交”の二面性
本作は大きく分けてフィールドでのアクション合戦パートと、全国地図上で行う内政・外交パートに分かれます。合戦は従来の無双シリーズと同様、武将(プレイヤー)を操作して多数の雑兵をなぎ倒し、拠点攻略や敵武将の討伐を目指すリアルタイムアクションです。一方で、全国マップでは領地の内政(資源増産や城の整備)、軍備や部隊編成、他勢力との外交交渉、武将の人事を行い、戦略的に勢力拡大を進めます。
内政・外交の詳細
Empires系の肝となる内政面では、各国の国力(兵力、財力、領土の安定度など)を管理します。城や拠点の強化、税率や政策の決定、国人衆や家臣の配置といった“政務”が勝敗に直結します。外交では同盟や婚姻といった長期戦略、武将単位での説得や帰順交渉が可能な場合があり、敵対勢力を弱体化させるための“外交カード”が重要になります。
合戦パートの特徴と戦術
合戦では無双アクションに加え、部隊指示や拠点攻略の優先順位、速やかな敵主力の殲滅など戦術的判断が求められます。Empiresシリーズでは単純に敵を倒すだけでなく、マップ上の拠点を奪取することで戦況を有利に進められるため、部隊の運用(援軍の呼び寄せや退路の確保)が重要です。また、武将ごとの特性(足の速さ、攻撃範囲、無双ゲージの溜まりやすさ)を活かした役割分担が勝敗を分けます。
武将と人事管理の重要性
武将は単なる戦闘ユニットではなく、人事管理の核です。Empiresでは武将の能力だけでなく忠誠度、性格や派閥関係が内政や合戦に影響します。重要な拠点や役職に誰を据えるか、誰に城代や軍監を任せるかでその領地の安定性や軍事効率が変わります。優秀な武将を味方に引き入れるための説得や、逆に敵の将を野放しにしない人事介入も戦略の一部です。
シナリオとリプレイ性
本作は複数の歴史シナリオや勢力選択が用意されており、開始時点の勢力や時代背景を変えることで違った難易度や展開が楽しめます。さらに、Empiresシリーズの特徴として“国づくり”の自由度が高く、外交路線や内政重視、軍事的侵攻などプレイヤーの方針によって全く異なるゲーム展開が生まれます。このためリプレイ性は高く、何度も別の戦略で遊べる作りになっています。
良い点と批判されがちな点
評価される点は、無双アクションの爽快感を残しつつ、戦略性の高い内政要素を融合させた点です。武将個々の成長や配置が国家運営に直結するため、ゲームに“重み”が生まれます。一方で批判される点としては、UIや情報表示が分かりにくい、AIの挙動が単調で外交行動にクセがある、合戦が繰り返しプレイすると単調になり得る、という点が挙げられます。またPS2世代の作品であるため、現代基準では演出や操作感に古さを感じるプレイヤーもいます。
初心者向けの攻略ポイント
- 序盤は拡張を急ぎすぎず、まずは領地の安定(内政と城の整備)を優先する。税収源を確保してから兵力増強を図ると安定する。
- 有能な武将は積極的に引き抜くか懐柔する。人事で適材適所に配置すると戦争の損耗を減らせる。
- 合戦では拠点の奪取を意識する。拠点を落とすと敵全体の戦力低下につながる場合が多い。
- 外交は長期戦略を見据えて利用する。短期的な同盟よりも、敵の背後を突く手は有効。
- 勢力のバランスを見て進軍する。複数方面での戦線拡大は補給と人事の管理ができていないと失敗する。
登場人物とおすすめ武将(プレイの指針)
本シリーズは織田信長、豊臣秀吉、徳川家康、真田幸村(真田信繁)、伊達政宗ら歴史上の有名武将を多数フィーチャーしています。初心者には操作が扱いやすく使い勝手の良い武将(攻撃範囲が広い、無双技が扱いやすい)がおすすめです。例えば攻撃のバランスが良い織田信長系、機動力が高い伊達政宗系、突進力のある真田幸村系など、自分のプレイスタイルに合うキャラを見つけると攻略が楽になります。
Empiresシリーズとしての位置付けと後継作との比較
『戦国無双2 Empires』は、Empiresシリーズの方針を戦国無双シリーズにうまく取り込んだ例です。無双本編が「個の活躍」に重きを置くのに対し、Empiresは「国づくりと戦略」に重点を置き、シリーズに別の遊び方を提供しました。後のEmpires作品でも内政・外交の要素は拡張されており、現代作はUIや情報量、バランス面で改良が進んでいます。古い作品ながらも、戦略性とアクションの融合を好むプレイヤーには今なお楽しめる内容です。
まとめ:どんな人に勧めたいか
『戦国無双2 Empires』は、無双シリーズのアクション性を好む一方で、国政運営や戦略的な意思決定を楽しみたいプレイヤーに適しています。シリーズのファンであれば登場武将たちの個性を活かす楽しみがあり、戦略ゲーム好きなら内政・外交パートの試行錯誤に深い満足感を得られるでしょう。逆に純粋なアクションだけを求める人にはややテンポが遅く感じられるかもしれません。
参考文献
『戦国無双2 Empires』 - 日本語版ウィキペディア
Samurai Warriors 2: Empires - Wikipedia (English)
コーエー(現:コーエーテクモゲームス)公式サイト(Gamecity)
Omega Force 公式サイト


