徹底レビュー:Sennheiser Momentum 4 ワイヤレス — 音質・ノイズキャンセリング・使い勝手を深掘り
はじめに
Sennheiser(ゼンハイザー)のMomentumシリーズは長年にわたり“音質重視の高級ヘッドホン”として評価されてきました。Momentum 4 Wireless(以下Momentum 4)は、シリーズの中で電池持ちやノイズキャンセリング(ANC)、快適性を大幅に改善したモデルとして2022年に発表され、多くのレビューで注目を集めました。本稿ではMomentum 4の音質、ノイズキャンセリング、接続性、装着感、機能面、競合機との比較、そして実際の使用シーンに基づく評価と活用テクニックまで、技術的な背景と実体験を交えて詳しく掘り下げます。
製品概要と位置づけ
Momentum 4はMomentumシリーズの最新世代にあたり、従来モデルからの設計見直しで“長時間使用の快適さ”と“利便性”を重視したモデルです。主な特徴としては、長時間バッテリー(公称60時間)、アクティブノイズキャンセリング(ANC)、外音取り込み(Transparent Hearing)、Sennheiserのチューニングによるサウンド、専用アプリでのイコライザーとカスタマイズ機能、USB-C充電とBluetoothマルチポイント接続の対応などが挙げられます。
音質(サウンドシグネチャと解像度)
Sennheiserらしい“バランスの良い音作り”がMomentum 4の出発点です。低域は量感を持ちながらも過度に膨らまず、キックやベースラインの存在感をしっかり伝えます。中域は透明感が高く、ボーカルのニュアンスや表現が自然に出るため、ポップスやジャズ、ボーカル曲での親和性が高いです。高域は刺さりを抑えつつ伸びがあり、シンバルやハイハットのディテールを丁寧に描写します。
解像度面では、同価格帯のトップモデルと比べても優秀で、楽器の分離や立体感を適度に表現します。サウンドはやや「聴き疲れしにくい」チューニングで、長時間のリスニングにも向いています。専用アプリでEQを調整すればローエンドを増強したり、中域を前に出したりと好みに応じた味付けが可能です。
ノイズキャンセリング(ANC)と外音取り込み
Momentum 4のANCは、周囲の雑音を低減しつつ音質を損なわない方向で調整されています。都市部の電車やカフェなど一般的な環境においては十分な遮音効果を発揮し、音楽への没入感を高めます。ANCの効き方は可変で、専用アプリ側で強さの調整やプリセットの切り替えが可能な点も実用的です。
外音取り込み(Transparent Hearing)も自然で、会話や駅のアナウンスを聞き取りやすくします。取り込み時の音質はリスニングを妨げにくいバランスが取られており、外音取り込みの音像が不自然に強調されることは少ないです。
接続性とコーデック
Bluetooth接続は安定しており、マルチポイント(複数機器の同時接続)にも対応しているため、スマートフォンとPCなどを行き来するワークフローに向いています。対応するコーデックはSBC、AAC、そしてaptX Adaptiveなど主要なオプションを備えており、対応機器と組み合わせることで低遅延かつ高音質なワイヤレス再生が可能です。USB-Cポートを介した有線デジタル接続や充電にも対応しており、汎用性は高いと言えます。
バッテリーと充電
Momentum 4の大きなセールスポイントの一つが長時間バッテリーです。公称値で約60時間の再生が可能とされており、通勤や出張などで頻繁に充電できないユーザーには大きなメリットです。USB-Cでの充電に対応しており、外出先での給電にも対応しやすい仕様となっています。短時間でのクイックチャージ機能も備えており、急ぎの場面である程度の再生時間を確保できる点は安心感があります。
フィット感・デザイン・携帯性
外観はシンプルで高級感があり、素材感にも配慮されています。イヤーパッドとヘッドバンドのクッション性が向上し、長時間装着しても耳や頭部に過度な負担をかけにくい設計です。イヤーカップは回転機構を持ち、フラットに折りたたんで付属のキャリングケースに収納できます。ビルドクオリティは良好で、日常使いにおける耐久性も期待できます。
アプリとカスタマイズ
Sennheiser Smart Controlアプリにより、イコライザー(EQ)の細かな調整、ANCのモード切替、タッチ操作のカスタマイズ、ファームウェア更新などが行えます。アプリ内のプリセットも充実しており、聴くジャンルや好みに合わせて素早く音作りの変更が可能です。ユーザーによってはアプリでの微調整で音質の印象が大きく変わるため、購入後はアプリを活用することを推奨します。
通話性能とマイク性能
マイクは通話やオンライン会議で実用的な音声拾いが可能です。風切り音や周囲雑音をある程度軽減するアルゴリズムを備えており、静かな室内や車内などではクリアな通話が期待できます。ただし風の強い屋外環境ではマイク性能の限界が出る場合があり、必要に応じて環境に配慮した使い方が求められます。
競合機種との比較
同価格帯やカテゴリのライバルとしては、Sony WH-1000XM5やBose Noise Cancelling Headphones 700などが挙げられます。Momentum 4の強みはバッテリー持続時間の長さと音質の自然さです。一方、SonyはANCの総合的な性能や空間オーディオ周りの機能、Boseはノイズ制御の洗練度と通話品質で高評価を受けることが多いです。選び方は重視するポイント次第で、長時間再生・自然な音を重視するならMomentum 4、ANCの最大性能や追加機能を重視するなら他モデルを検討すると良いでしょう。
実用的な評価:向いているユーザー
- 長時間の通勤・出張で充電の手間を減らしたい人
- 音楽をナチュラルでバランス良く楽しみたいオーディオ志向のユーザー
- スマートフォンとPCを行き来して使う必要があるビジネスユーザー(マルチポイント対応)
- アプリで音作りをカスタマイズして自分好みの音を追求したい人
弱点・注意点
Momentum 4は総合的にバランスの良いモデルですが、以下の点は購入前に留意すると良いでしょう。
- ANCの“絶対的な効き”は機種によって差があり、最強クラスを求めるなら他機種(例:一部のSony製品)と比較検討が必要。
- 屋外でのマイク性能は万能ではないため、頻繁に屋外通話をするユーザーは実際の通話品質を店頭で確認するのが望ましい。
- 音質やフィット感の好みは個人差が大きく、試聴による確認が推奨される。
活用テクニックと設定のコツ
より良い体験のためのいくつかの実践的なアドバイスです。
- 初回使用時はアプリからファームウェアを最新に更新しておく。更新で安定性や機能が改善されることがある。
- EQプリセットを試して、自分の好みやジャンルに合わせた微調整を行う。低域を少し上げるだけでポップスの没入感が増すことが多い。
- マルチポイント接続を活用すれば、会議中にスマホが鳴ってもスムーズに切り替え可能。ただし一部のデバイス組み合わせで挙動が異なる場合があるので注意。
- 長時間使用時はイヤーパッドとヘッドバンドの位置を適宜ずらして圧迫を軽減すると疲労が減る。
まとめ(総合評価)
Sennheiser Momentum 4は「音質の自然さ」と「実用的な長時間バッテリー」を両立したヘッドホンです。ANCや外音取り込み、アプリによるカスタマイズなど現代的な機能も揃い、日常使いから出張・在宅ワークまで幅広い用途に適します。ライバル製品と比べての強み・弱みを理解した上で、自分の使用シーンに合わせて選べば高い満足度が得られる製品です。
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参考文献
- Sennheiser - Momentum 4 Wireless 製品ページ
- RTINGS - Sennheiser Momentum 4 Wireless Review
- The Verge(製品レビュー検索ページ)
- What Hi-Fi?(製品レビュー検索ページ)
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