PreSonus徹底解説:Studio Oneからハードウェア、Sphereまで知るべきこと
PreSonusとは何か — 概要と成り立ち
PreSonus(プリソナス)は、プロフェッショナルとホームスタジオの両方を対象に、音楽制作ソフトウェアとオーディオ機器を開発・販売している米国のメーカーです。1995年に設立され、本社はルイジアナ州バトンルージュに置かれています。DAW(デジタル・オーディオ・ワークステーション)の"Studio One"を中心に、オーディオインターフェース、スタジオモニター、デジタルミキサー、コントローラーなど、ハードとソフトを横断するエコシステムを築いている点が特徴です。
沿革の要点(概観)
- 1990年代からオーディオ機器を手掛け、2000年代以降でソフトウェア開発を強化。
- 2009年に初版が登場したStudio Oneは、直感的なワークフローで急速にユーザーを拡大しました。
- ハード/ソフトの統合を進め、StudioLiveシリーズのデジタルミキサーやErisモニター、AudioBoxなどのインターフェースでプロダクトラインを拡張。
- 近年はクラウドサービス"PreSonus Sphere"でソフトや共同制作環境を提供しています。
Studio Oneの深掘り:思想と主要機能
Studio Oneは「シングルウィンドウで完結する作業フロー」を掲げ、余計な切り替えを減らす設計です。ドラッグ&ドロップが徹底され、オーディオ、MIDI、ループ、エフェクト、インストゥルメントの配置が直感的に行えます。主要な機能は次の通りです。
- Arranger Track:曲のセクション(Aメロ/サビ等)をブロック化して自在に並べ替え、構成を素早く試せる。
- Chord Track/Chord Detection:コード進行の自動解析とトラックへの反映で、ハーモニーの編集や自動補正が容易。
- Pattern/Step Sequencer:リズムやフレーズ作成を効率化するツール群。
- ARA(Audio Random Access)対応:Celemony MelodyneといったA RA対応プラグインと密接に統合され、ピッチ編集がシームレスに行える。
- 統合マスタリング:トラック制作から最終マスターまでStudio One内で完結可能な専用ページを搭載。
- 専用プラグインとインストゥルメント:Presence XT(サンプラー)、Mai Tai(シンセ)、Impact XT(ドラム)ほか多彩な内蔵音源とエフェクト。
これらにより、作曲・編曲・録音・ミックス・マスターといった一連の流れを中断せず進められる点が評価されています。WindowsとmacOSの両対応で、無償版(Prime/Artistの存在や名称は変わる場合があります)からプロ版まで複数エディションが用意され、用途と予算に合わせた選択が可能です。
ハードウェア製品群:インターフェース、モニター、ミキサー、コントローラー
PreSonusはハードも強みです。代表的なラインナップを紹介します。
- AudioBox / Studioシリーズ:USBやThunderbolt接続のオーディオインターフェース。安価なモデルから多入力のプロ向けまでラインナップ。
- Erisモニター:コストパフォーマンスの高い近接リファレンス・スタジオモニター。フラットな特性を重視したモデル群でホームスタジオの定番。
- StudioLiveデジタルミキサー:ライブとレコーディングに対応するデジタルミキサー。内蔵DSPによるFat Channel処理、シーン管理、マルチトラック録音などが可能。AVBネットワークを採用するモデルもある。
- FaderPort / Atom:DAW操作を物理的にコントロールするためのデバイス。フェーダーやノブでミックス操作やトランスポートが行える。
ハードとStudio Oneの連携(たとえばFat ChannelのプリセットがStudio Oneから呼べる等)は、ワークフローのスムーズさに直結します。
PreSonus Sphere:サービス型エコシステム
PreSonus Sphereはサブスクリプション型のサービスで、最新のStudio One ProfessionalやNotion(楽譜作成ソフト)、クラウドストレージ、コミュニティ/学習コンテンツ、共同制作のためのコラボレーション機能をパッケージ化しています。ソフトのバージョンアップ、追加プラグイン、クラウドベースのバックアップやプロジェクト共有を一括で提供する点が特徴です。チーム制作やリモートワークの導入が進む現状で、有効な選択肢となります。
プロの現場での採用と適した用途
PreSonusはホームスタジオから小~中規模のプロユースまで幅広く使われています。特に次のような環境で強みを発揮します。
- ソングライティングからマスタリングまで1本のDAWで完結したい場合。
- ライブ現場でのデジタルミキシングと同時にレコーディングを行いたい場合(StudioLiveなど)。
- 低コストで信頼できるインターフェースやモニターを求めるホームスタジオ。
利点と留意点
利点は、ソフトとハードの整合性、直感的なワークフロー、価格対性能比の高さです。Studio Oneは学習曲線が比較的緩やかで、DTM初心者でも入りやすい設計です。一方で、既に別のDAW(Pro ToolsやLogic、Cubaseなど)に深く投資している場合、その移行コストやプラグイン互換性を検討する必要があります。また、大規模なポストプロダクションや特殊な放送ワークフローでは、特定の機能が他DAWの方が優れているケースもあります。
導入時のチェックポイントと活用のコツ
- まずは無償版やトライアルでStudio Oneの操作感を確認する。
- 使用するインターフェースとDAWのドライバ互換性(OSのバージョン)を事前に確認。
- ライブ用途ならStudioLiveのモデル別機能(マルチトラック録音、AVB等)を比較する。
- プリセットやテンプレートを活用してワークフローを最適化。Studio Oneはテンプレート機能が充実しているため、プロジェクトの立ち上げが速い。
- クラウド共有や共同編集を多用するならPreSonus Sphereの導入を検討する。
まとめ:PreSonusが提供する価値
PreSonusは、直感的で効率的な制作ワークフローを軸に、ハードとソフトを統合したエコシステムを提供しています。Studio Oneの機能性、StudioLiveやErisといった実用的なハードウェア、そしてSphereによるクラウド連携は、現代の音楽制作に必要な要素を多く満たします。初心者から中小規模のプロユースまで、コストパフォーマンスと実用性を重視するユーザーにとって有力な選択肢です。
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参考文献
- PreSonus 公式サイト
- Studio One 製品ページ(PreSonus)
- PreSonus Sphere(サービス紹介)
- PreSonus - Wikipedia(英語)
- ARA(Audio Random Access)仕様(Celemony)
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