洗練と冒険のハーモニー――Lighthouse『Peacing It All Together』レコード

本記事では、1970年にRCA VictorからリリースされたLighthouseの3作目『Peacing It All Together』を、制作背景から楽曲解説、パーソネル、パッケージ、チャート・評価、そしてコレクター視点まで徹底解説します。
概要
『Peacing It All Together』は、1970年にカナダのジャズ・ロックバンドLighthouseがRCA Victorからリリースした3作目のスタジオアルバムです。
大所帯バンドならではの豊かなホーン&ストリングス・アンサンブルを軸に、ジャズ、ロック、ポップスが見事に融合した本作は、カナダのRPMアルバムチャートで73位、米Billboard 200で133位を記録しました。
収録シングル「The Chant」はカナダで39位、米Billboard Hot 100で30位となり、Lighthouseにとって初の全米トップ40入りを果たしました。
オリジナルLPはカタログ番号LSP-4325のゲートフォールド仕様で、インナースリーブ付きの豪華パッケージ仕様です。
制作背景
本作はRCA VictorのMusic Centre of the World Hollywood Studiosで録音されました。
1970年2月にはプロモーショナル・シングル「The Chant/Could You Be Concerned」も同時に制作され、アルバムのプロモーションに用いられました。
しかし売上不振を理由に、1971年初めにはRCAとの契約を終了し、米Evolutionおよび加GRTレーベルへ移籍しています。
プロデュースはMike Lipskin、Skip Prokop、Paul Hoffertの3名が共同で担当し、Paul Hoffertによる緻密なアレンジが光ります。
音楽性と楽曲解説
本作はジャズ・ロックを基調としながらも、ポップスやカントリー、プログレッシブ・ロックの要素を横断する多彩な楽曲群が特徴です。
オープニングトラック「Nam Myoho Renge’ Kyo/Let The Happiness Begin」は、仏教のマントラを思わせる反復フレーズとホーンセクションの躍動感が印象的です。
「The Country Song」ではカントリー調のギターリフとホーンのアクセントが融合したフォーキーなサウンドを展開しています。
ドリーミーなストリングスが奏でられる「On My Way To L.A.」では、ロサンゼルスへの憧憬を呼び起こすメロウな展開が聴きどころです。
ラストを飾る「Little People/Nam Myoho Renge’ Kyo (Reprise)」は、冒頭テーマの再構築を通じてアルバムを循環的に締めくくります。
パーソネルと録音詳細
レコーディングは1969年にニューヨークのRCA Studio Cで行われ、エンジニアはMike Moran、リマスタリング・エンジニアにはPaul GoodmanとDon Millerが名を連ねています。
演奏陣はスキップ・プロコップ(ドラム/ボーカル)、ポール・ホファート(キーボード/ヴィブラフォン)、ラルフ・コール(ギター/ボーカル)、ピンキー・ドーヴィン(リード・ボーカル)ら13名の大編成で、Howard ShoreやRuss Little、Bruce Cassidyなどのホーンセクション、Don DiNovoらのストリングス隊が参加しています。
リリースとパッケージ
1970年、RCA Victorからリリースされた本作は、33回転・12インチのステレオLPとして発売され、カタログ番号はLSP-4325です。
ゲートフォールドジャケット仕様の内側にはバンドのフォトや歌詞などが掲載されたインナースリーブが封入され、当時の豪華さを今に伝えます。
チャート・評価
リリース後、アルバムはカナダのRPMアルバムチャートで73位、米Billboard 200で133位を記録しました。
シングル「The Chant」はカナダで39位、米Billboard Hot 100で30位となり、バンド初の全米トップ40入りを果たしています。
ProgArchivesでは20件の評価で平均3.23点と好意的に受け止められており、後の評価でもジャズ・ロック屈指の名作とされることが多いです。
コレクターズアイテム
オリジナルプレスは近年のオークションや専門店で状態により30~50ドル程度で取引されることが多く、中でも美品は平均40ドル前後の価値があります。
一方、eBayなどのオンラインではVG+コンディションが3~5ドル程度で出回ることもあり、状態差による価格幅が大きいのも魅力の一つです。
まとめ
Lighthouse『Peacing It All Together』は、大所帯ならではの編成を生かした豊かなアンサンブルと、多彩なジャンルを横断する楽曲構成が光るジャズ・ロックの名盤です。制作当初は商業的に苦戦したものの、その後の評価は着実に高まり、現在ではコレクター市場でも高い注目を集めています。音楽的深みと歴史的背景を併せ持つ本作は、ジャズ・ロック愛好家はもちろん、新たにおすすめしたい一枚です。
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