『Evangeline』—未発表セッションが紡ぐ多彩なアウトテイク集

エミルー・ハリスの8作目のスタジオ・アルバム『Evangeline』は、1978年から1980年にかけてナッシュビルのEnactron Studiosで録音された未発表曲やアウトテイクをまとめ、1981年1月にWarner Bros. Nashvilleからリリースされた作品です。
全10曲・収録時間33分32秒というコンパクトな構成ながらも、全米Top Country Albumsで5位、Billboard 200で22位を記録し、リリースから間もなくRIAAゴールド認定を獲得するなど、商業的にも大きな成功を収めました。
ドルリー・パートン&リンダ・ロンシュタットとのセッション音源を含む多彩なカバー曲とブライアン・エーレンによる緻密なプロダクションが光る一枚です。

概要

『Evangeline』はEmmylou Harrisの八枚目のスタジオ・アルバムで、1978年から1980年にかけて行われた複数のレコーディング・セッションから未発表曲やアウトテイクを“寄せ集め”たコンセプト作です。プロデューサーは長年のパートナーであるBrian Ahern、レーベルはWarner Bros. Nashvilleが担当しました。

背景と制作

“寄せ集め”的アウトテイク

本作に収録された楽曲の多くは、当初ほかのアルバムに収録されることなく保管されていたセッション音源です。特に、ドルリー・パートン&リンダ・ロンシュタットとの共演として知られる「Mister Sandman」「Evangeline」は、後に『Trio』として結実するセッションの一部として録音された貴重な音源です。

多彩なカバーとオリジナル曲

  • Mister Sandman:1954年にThe Chordettesがヒットさせたポップ・ナンバーを三重唱バージョンで再構築。シングルとしてもリリースされ、カントリー/ポップ両チャートで好成績を収めました。
  • Evangeline:The Bandの同名曲をパートン&ロンシュタットをゲストに迎えてカバー。The Last Waltzセッション音源がルーツとなっています。
  • Ashes By Now:Rodney Crowell作によるナッシュビル・ロック調のオリジナル曲。クロウェル自身も後にヒットさせた作品です。
  • Bad Moon Rising:Creedence Clearwater Revivalの名曲をほぼオリジナルに忠実に再現。ハリスのクリアな歌声と歪んだギター・サウンドが印象的です。

トラックリスト

  1. I Don’t Have to Crawl (Rodney Crowell) – 3:46
  2. How High the Moon (Morgan Lewis, Nancy Hamilton) – 3:21
  3. Spanish Johnny (with Waylon Jennings) (Paul Siebel) – 3:50
  4. Bad Moon Rising (John Fogerty) – 2:40
  5. Evangeline (Robbie Robertson) – 3:09
  6. Hot Burrito #2 (Gram Parsons, Chris Ethridge) – 3:04
  7. Millworker (James Taylor) – 4:03
  8. Oh Atlanta (Bill Payne) – 2:58
  9. Mr. Sandman (Pat Ballard) – 2:20
  10. Ashes By Now (Rodney Crowell) – 4:24

参加ミュージシャン

  • Emmylou Harris – リード&バック・ボーカル、アコースティック・ギター
  • Brian Ahern – プロデュース、エンジニア、各種ギター&パーカッション
  • Dolly Parton, Linda Ronstadt – ハーモニー&バック・ボーカル(トラック5, 9)
  • Rodney Crowell – アコースティック/エレクトリック・ギター
  • Waylon Jennings – デュエット・ボーカル(トラック3)
  • Ricky Skaggs, Albert Lee, Jerry Douglas, James Burton ほか、多数の名手が彩りを添えています。

リリースとチャート成績

  • 発売日:1981年1月(米国)
  • フォーマット:LP、カセット
  • チャート:Top Country Albums 5位/Billboard 200 22位
  • 認定:RIAAゴールド(リリースから9ヵ月以内に達成)

批評・評価

リリース当初、『Evangeline』は短い再生時間と“パッチワーク的”な選曲ゆえに賛否を呼びましたが、ハリスの透き通る歌声とBrian Ahernの細部まで行き届いたプロダクションは高く評価されました。

コレクターズ視点

Discogsでは米国初版LPをはじめ、カナダ盤、ユーゴスラビア盤、UK盤など多彩なバリエーションが確認されており、カラー・ヴィニールや限定盤など希少価値の高いアイテムも多数存在します。1981年リリースのオリジナル日本盤は特にプレミア価格が付くことがあります。

まとめ

『Evangeline』は未発表セッションを巧みに結実させた“寄せ集め”的な作品ながらも、エミルー・ハリスの表現力と豪華ゲストの共演によって、一枚のアルバムとして強い魅力を放っています。短い収録時間にもかかわらず、商業的成功とコレクター人気の両面で今なお語り継がれる一枚と言えるでしょう。


参考文献

https://en.wikipedia.org/wiki/Evangeline_(Emmylou_Harris_album

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