ジャズを超えた革命者 マイルス・デイヴィスの生涯と音楽変遷
マイルス・デイヴィスは1926年5月26日にイリノイ州アルトンで生まれ、東セントルイスで育ちました。ジュリアード音楽院に奨学金で入学するもすぐに中退し、1944年にはチャーリー・パーカーのバンドに参加してプロとしてのキャリアをスタートさせます。
以降約50年にわたり、ビバップ、クールジャズ、モーダルジャズ、ジャズ・フュージョンといった革新的なスタイルを次々と切り開き、多くの名盤を残しました。
代表作には『Birth of the Cool』(1957年)、『Kind of Blue』(1959年)、『In a Silent Way』(1969年)、『Bitches Brew』(1970年)、『Tutu』(1986年)などが挙げられ、なかでも『Kind of Blue』はアメリカ国内だけで500万枚を超える出荷を記録した史上最高のジャズアルバムとされています。
1991年9月28日にカリフォルニア州サンタモニカでこの世を去りましたが、その音楽は今も世界中で愛され続けています。
幼少期と教育
幼い頃から音楽に親しみ、14歳でトランペットを手にして才能を開花させました。1944年、ジュリアード音楽院に奨学金で入学しますが、ビバップの興奮を求めて同年中に退学。すぐにニューヨークのジャズシーンで頭角を現し、ビバップの巨匠チャーリー・パーカーと共演を重ねました。
ビバップとの出会い
ニューヨークでの活動を通じて、デイヴィスは高速かつ複雑な即興演奏を特徴とするビバップに深く影響されます。しかし同時に、自身の音楽がより空間的で抑制の利いた「クール」な方向へ進む可能性を感じ始めました。
『Birth of the Cool』とクールジャズ
1949年から1950年にかけて録音された一連のセッションは、1957年にアルバム『Birth of the Cool』としてリリース。ギル・エヴァンスとの協力のもと、管楽器を多彩に配した室内楽的編成によって従来のビバップとは一線を画し、クールジャズの礎を築きました。
ファースト・グレート・クインテット
1955年、コロンビア・レコードと契約後に結成された第一期クインテットは、ソニー・ロリンズ(テナーサックス)、レッド・ガーランド(ピアノ)、ポール・チェンバース(ベース)、フィリー・ジョー・ジョーンズ(ドラムス)から成り、『’Round About Midnight』などの名作を次々と生み出しました。
『Kind of Blue』とモーダルジャズの革新
1959年に発表された『Kind of Blue』では、従来のコード進行ベースではなく「モード(音階)」を用いる新たな即興手法を提示。タイトル曲「So What」をはじめとする全5曲は演奏者に大きな自由を与え、以来ジャズのみならずポップやロック、ヒップホップの分野にも深い影響を与えました。
電気期とジャズ・フュージョンへの挑戦
1969年にはエレクトリックピアノやギター、エフェクトを大胆に導入した『In a Silent Way』を発表し、1970年の『Bitches Brew』で本格的にジャズ・ロック/フュージョンへと舵を切りました。この時期のサウンドはリズムとテクスチャに重点を置き、ジャズの枠を越えたビート感と即興性を融合させています。
後期キャリアと復帰
1975年にはライヴアルバム『Agharta』を録音。以降一時活動を休止しますが、1981年に復帰。1986年にはマーカス・ミラーと共作した『Tutu』を発表し、再び批評的・商業的成功を収めました。
影響と遺産
デイヴィスは生涯で多数のグラミー賞を受賞し、1990年には生涯功労賞を獲得。2006年にはロックの殿堂入りを果たしています。
彼が切り開いた各時代の革新は、後続のミュージシャンたちに継承され、現在の音楽シーンにも脈々と息づいています。
結論
マイルス・デイヴィスは常に変化を恐れず、自らのサウンドを進化させ続けた「音楽の革命家」です。その軌跡はジャズ史を超え、今日の音楽全般に大きな足跡を残しています。
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