【保存版】アスファルト廃材の正しい処分方法と環境負荷を避けるためのポイント
アスファルトの処分方法について詳しく解説
道路舗装や工事現場でよく使用されるアスファルトは、耐久性が高く、水や熱に強い特徴を持っています。しかし、工事のやり直しや撤去作業に伴い大量のアスファルト廃材が発生します。アスファルトは簡単に処分できるわけではなく、適切な方法で処理しなければなりません。本記事では、アスファルトの処分方法について詳しく解説します。
アスファルト廃材とは何か?
アスファルト廃材とは、道路や駐車場などで使用されたアスファルト舗装の取り壊しや、工事現場で発生した余剰材のことを指します。アスファルトは砂、砂利、石粉に加え、石油由来の合成樹脂であるビチューメン(アスファルトバインダー)が混ざって固まった素材です。この複合的な性質から、燃やしたり、放置したりすることができず、環境負荷を考慮した処分が必要です。
アスファルトの処分が難しい理由
- 有害物質の含有:アスファルトには揮発性有機化合物(VOCs)やPAHs(多環芳香族炭化水素)などの有害物質が含まれていることがあります。
- リサイクルの難しさ:アスファルトは固まった状態で廃棄されるため、そのままでは再利用が困難です。
- 環境汚染のリスク:不適切に処理すると、土壌汚染や地下水汚染の原因になり得ます。
これらの理由から、アスファルトの廃棄は専門的な知識と適切な施設が必要です。
アスファルトの主な処分方法
アスファルト廃材の処分方法は大きく分けて以下の3つがあります。
- リサイクル利用
- 焼却処理
- 産業廃棄物としての適正処理
リサイクル利用
アスファルトはリサイクルしやすい廃材のひとつです。実際、道路舗装業界では「リサイクルアスファルト合材(RAP:Reclaimed Asphalt Pavement)」として広く活用されています。
具体的なリサイクル方法:
- 回収したアスファルト廃材を破砕・粉砕する
- 粉砕した材料を新しいアスファルト合材に混ぜ込み、再生道路舗装材として利用する
リサイクルのメリットは資源の節約と廃棄物の減量です。また、リサイクル材を使った舗装は新規アスファルトと同等の性能を発揮します。
焼却処理
アスファルトは石油成分を含んでいるため、適切な施設で燃料として焼却することが可能です。ただし、焼却時には有害物質が発生する可能性があるため、環境基準を満たした焼却炉で行う必要があります。
焼却処理は地域によって規制が異なるので、事前に処理施設や自治体の指導を確認してください。
産業廃棄物としての適正処理
アスファルト廃材を直接廃棄する場合は、一般ごみではなく「産業廃棄物」として処理します。産業廃棄物の処理には以下のようなルールがあります。
- 処理業者に引き渡す際にはマニフェスト(産業廃棄物管理票)を交付する
- 廃棄物処理施設で適切に処理・埋立てを行う
- 不法投棄は絶対に避ける
なお、アスファルトは比較的安全性が高いため、埋立処理も一定の条件下で認められています。ですが、環境負荷を考えるとリサイクル利用が推奨されています。
アスファルト廃材を処分する流れ
実際にアスファルト廃材を処分するには、以下のようなステップを踏みます。
- 1. 廃材の分別・回収:現場でアスファルト廃材を専用のコンテナや袋に回収します。コンクリートなど他の廃材と混在しないよう注意が必要です。
- 2. 処理方法の検討:処分先の処理方法(リサイクル、焼却、埋立)を決定し、処理業者と相談します。
- 3. 引取業者の手配:アスファルト廃材を引き取ってもらえる産廃処理業者を探します。信頼できる業者かどうか、許可証の確認も重要です。
- 4. 運搬と処理:業者が廃材を引き取り、適切な方法で処理します。契約内容やマニフェストの管理も忘れずに行いましょう。
アスファルト廃材処分の費用の目安
アスファルトの廃棄費用は処理方法や地域によって異なりますが、一般的な目安は以下の通りです。
- リサイクル処理:約3,000〜7,000円/トン
- 焼却処理:約5,000〜10,000円/トン
- 埋立処理:約7,000〜12,000円/トン
大量に廃材が出る場合は、事前に複数の業者から見積もりを取り、比較検討することをおすすめします。
アスファルトの処分で注意すべきポイント
- 不法投棄は絶対に避ける:アスファルトは産業廃棄物であるため、正規の処理ルートを経ずに処分すると、法律違反で罰則を受けます。
- 処理業者の許可証の確認:産業廃棄物処理業の許可を有している業者を利用しましょう。
- 環境に配慮した処理:リサイクル利用が可能な場合は、積極的に採用し環境負荷を軽減しましょう。
- 処分計画の作成:工事計画段階で廃棄物処理の計画も十分に立て、費用や手続きをスムーズにしましょう。
まとめ
アスファルト廃材は堅牢で環境に影響を与える成分を含むため、適切な処分方法を選択することが重要です。
主な処分方法は以下の通りです。
- リサイクル利用:回収したアスファルトを再生し、新しい舗装材として活用する
- 焼却処理:環境基準を満たした施設での燃焼処理
- 産業廃棄物としての適正処理:専門業者による処理・埋立
また、処分時には適切な分別、信頼できる処理業者の利用、不法投棄の厳禁を徹底しましょう。環境への負荷を抑えつつ、廃材を有効活用するためにも、事前の計画と業者選定が鍵となります。
アスファルト処分について不明点があれば、自治体の環境担当窓口や専門業者に相談することをおすすめします。