レゲエを越えた愛と平和の譜:ボブ・マーリーの軌跡

ジャマイカ北部セント・アンのナインマイルに生まれたボブ・マーリー(1945年2月6日〜1981年5月11日)の生い立ちを起点に、ピーター・トッシュやバニー・ウェイラーと共にThe Wailersを結成し、スカやロックステディを融合してレゲエを確立、その後国際的なスターへと駆け上がった軌跡を詳細に解説します。また、ラスタファリ教への帰依を背景に「War」「Get Up, Stand Up」といった社会的メッセージを歌詞に込め、1976年の暗殺未遂事件後に行ったSmile Jamaicaコンサートや1978年のOne Love Peace Concertでの和解アクション、さらには『Catch a Fire』『Exodus』『Legend』などの代表作と、2024年公開の伝記映画『Bob Marley: One Love』に至るまで、彼が世界にもたらした文化的遺産を紹介します。

生い立ちと音楽的出発

ボブ・マーリーは1945年2月6日、ナインマイルの農場で生まれた。父ノーバルはイギリス海軍出身、母セデラはアフリカ系ジャマイカ人という異なる背景を持ち、混血のルーツが彼のアイデンティティ形成に影響を与えた。幼少期はキングストンの貧困地区トレンチタウンで過ごし、地元のスタジオワンで録音を経験しながら音楽的基盤を築いた。1962年に「Judge Not」をレコーディングし、1963年にはピーター・トッシュ、バニー・ウェイラーらと「Teenagers」を結成、その後「The Wailers」と改名。1964年にはシングル「Simmer Down」がジャマイカ国内チャート1位を獲得し、注目を浴びた。

レゲエの確立とラスタファリ教の影響

1968年頃からマーリーはスカやロックステディのリズムを土台にテンポを落とした新たなビートと深いベースラインを特徴とするレゲエを確立した。1966年にラスタファリ教に帰依し、その精神性やアフリカ回帰の思想を楽曲に反映。マリファナを宗教的儀式の一部と捉えつつ、逮捕や迫害への抵抗も経験した。こうした信仰と社会批判が融合した「War」「Get Up, Stand Up」は抑圧への強い抵抗を訴えるアンセムとなった。

政治的活動と平和への貢献

1976年12月3日、自宅で暗殺未遂事件に巻き込まれたが、数日後のSmile Jamaicaコンサートで復帰を果たした。1978年4月22日のOne Love Peace Concertでは、当時対立していた与野党リーダーをステージ上で握手させ、和解と平和のメッセージを世界に示した。この行動は、音楽を通じた社会変革の可能性を印象づけた。

代表作とディスコグラフィー

  • Catch a Fire(1973年):アイランド移籍後初アルバムで国際的評価を確立。
  • Burnin’(1973年):「I Shot the Sheriff」を収録し、エリック・クラプトンのカバーで大ヒット。
  • Exodus(1977年):タイム誌選出「20世紀最高のLP」。
  • Legend(1984年):没後リリースのベスト盤として最も売れたレゲエ・アルバムに。
  • 生涯セールス:アルバム相当で1億4500万枚超。

レガシーと最新の動向

ボブ・マーリーの影響は今なお強く、政府に国民的ヒーロー称号付与を求める声が絶えない。2024年公開の伝記映画『Bob Marley: One Love』は世界的に大ヒットし、興行収入は1億8000万ドルを突破。11人の子どもやZiggy、Damian、Skip Marleyら次世代アーティストも活躍し、マーリーの遺産を受け継ぎ続けている。彼のメッセージは愛と平和、自由を求める普遍的なテーマとして、これからも人々の心に響き続けるだろう。


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