カルロス・ディ・サルリ流エレガンスの核心─人気曲の解説

アルゼンチンタンゴ界の巨匠カルロス・ディ・サルリが遺した代表的な4曲を、誕生背景や録音時期、編曲の特色、世界中のミロンガで愛され続ける理由とともに詳述します。彼は「エル・セニョール・デル・タンゴ」と称され、優雅でありながらダンサブルなスタイルを確立しました。

カルロス・ディ・サルリとは

カルロス・ディ・サルリ(1903年1月7日–1960年1月12日)は、ピアニスト・作曲家・オーケストラ指揮者として活躍し、タンゴ黄金期をリードしました。故郷バイア・ブランカで生まれ、「エル・セニョール・デル・タンゴ」の異名をとり、バンドネオンとヴァイオリンを巧みに組み合わせた編曲で知られています。

代表曲解説

Bahía Blanca

1957年11月にRCAレーベルから初録音されたインストゥルメンタル曲。タイトルは故郷バイア・ブランカへのオマージュです。左手ピアノがリズムと和音を巧みに支え、バンドネオンは節度ある合いの手を、ヴァイオリンは控えめに旋律を彩る構成で、優雅さと躍動感を両立しています。

Volver

本来は1934年にカルロス・ガルデル&アルフレド・レペラが生んだ歌曲ですが、ディ・サルリは情感豊かなインストゥルメンタル解釈を施しました。しっとりとしたピアノイントロから始まり、バンドネオンとヴァイオリンが郷愁を誘うリフレインを織り成し、ミロンガでも頻繁に演奏される定番となっています。

Adiós Muchachos

1927年制作の定番タンゴをディ・サルリ流にアレンジ。リズミカルなバンドネオンのモチーフと、ヴァイオリンの澄んだメロディが交差し、別れの悲哀と同時に前向きな高揚感を表現。多世代にわたって愛されるドライヴィング・タンゴです。

Nada

1944年にホセ・ダメス作曲/オラシオ・サングインエッティ作詞の歌曲として録音。アルベルト・ポデスタの情感豊かな歌声とディ・サルリの繊細なピアノ、リズミカルなバンドネオンが一体となり、失恋の孤独感を深く描き出す名演です。

以上、ディ・サルリの人気4曲を背景から演奏の特色まで詳しく紐解きました。優雅さと躍動感を兼ね備えた彼のタンゴは、今なお世界中のダンスホールで愛され続けています。次回のミロンガや自宅リスニングで、ぜひこれらの名演をお楽しみください。

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