ローリング・ストーンズ不朽の名曲10選─誕生秘話から音楽的革新、文化的影響


ローリング・ストーンズは1962年の結成以来、60年以上にわたりロックの最前線を走り続ける伝説的バンドです。ストーンズの楽曲は、ギターリフの斬新さやボーカルの力強さのみならず、社会や青春の葛藤を映し出す歌詞世界、そしてライブを含むパフォーマンスの鮮烈さで、世代を超えて愛されてきました。本稿では、とりわけ人気の高い10曲を選出し、それぞれの誕生背景、レコーディング秘話、音楽的特徴、そして当時のリスナーや後世への影響について詳しく掘り下げます。


代表曲解説

1. (I Can’t Get No) Satisfaction

発表年・アルバム:1965年シングル
キース・リチャーズが夢の中でひらめいたという歪んだリフは、ファズペダルの偶然の産物でした。若者の不満を代弁する歌詞は、当時の米英チャートを席巻し、一躍バンドを世界的スターへと押し上げます。ミック・ジャガーの舌っ足らずな「I can’t get no satisfaction…」というフレーズは、シンプルながら強烈な印象を与え、以降のロックにおける“アンセム”の定義を更新しました。

2. Gimme Shelter

発表年・収録アルバム:1969年『Let It Bleed』
社会不安やベトナム戦争への暗い視線を反映したこの曲は、イントロの不安を煽るギターと、終盤で炸裂するメリー・クレイトンのゴスペル風シャウトが劇的なコントラストを生み出します。スタジオ録音では、スティーヴ・ウィンウッドやミック・テイラーといった豪華ゲストが参加し、まさに「世界が崩れゆく中の避難所」というタイトルどおりのサウンドスケープを構築しています。

3. Paint It, Black

発表年・シングル:1966年
ジョージ・ハリスン直系のシタール風ギターを用いて、東洋的な空気を大胆に取り入れた一曲です。暗く救いのない歌詞や、ミックのこぶしをきかせたヴォーカルは、当時のポップソングの枠を超えた「黒の美学」を提示しました。ビートも通常の4/4拍子ではなくアクセントをずらす工夫が見られ、サイケデリック・サウンドの先駆けともいえます。

4. Jumpin’ Jack Flash

発表年・シングル:1968年
「泥まみれで生まれた男」を自嘲的に歌うタイトルは、バンドのルーツである労働者階級の出自を象徴します。粗削りなギターリフとミック・ジャガーのシャウトが、ストーンズらしいロックの原始的エネルギーを体現。ライブでは定番中の定番となり、今なおフェスティヴァルで聴くとオーディエンスを一気にヒートアップさせます。

5. Brown Sugar

発表年・シングル:1971年
ファンクとロックンロールが融合したグルーヴィーなリズムセクションが印象的です。挑発的な歌詞には、当時タブーとされたテーマをあえて直球で投げ込むストーンズの挑戦精神が現れています。プロデューサーのジミー・ミラーが生み出したタイトなドラムサウンドも、この曲のセクシーな魅力を支える大きな要素です。

6. Sympathy for the Devil

発表年・収録アルバム:1968年『Beggars Banquet』
人類史を悪魔の視点で語る挑発的なコンセプトが話題を呼びました。ボンゴやタンバリンを活用したラテン/ゴスペル混合のリズムトラックに、ミックのナレーション的なヴォーカルを重ねています。ライブではメンバー全員がマイクを回しながら「Pleased to meet you…」と歌うパフォーマンスが観客を狂喜させました。

7. Wild Horses

発表年・シングル:1971年
アラバマ州マッスル・ショールズ・スタジオで録音された名バラードです。ミック・ジャガーは失恋の痛みを、キース・リチャーズはホームシックをそれぞれ歌詞に込め、穏やかなアコースティック・アレンジが胸に迫ります。ストーンズの楽曲中でも、とりわけエモーショナルな深みを感じさせる一曲です。

8. Angie

発表年・シングル:1973年
ミックが当時の恋人に捧げたともいわれる切ないバラードで、アコースティックギターとピアノを主体としたシンプルな編成が心に染みわたります。曲名は架空とも言われますが、ミックの朴訥な歌唱と、リチャーズによる繊細なストリングスアレンジが“失われた愛”の情景を見事に描き出しています。

9. You Can’t Always Get What You Want

発表年・収録アルバム:1969年『Let It Bleed』
大規模なコーラス隊を導入し、ロックとゴスペルを融合した壮大なスケールが特徴です。歌詞は「必ずしも望むものが手に入るとは限らない」と諭すメッセージで、リスナーに深い共感を呼び起こします。フルオーケストラを含むアレンジは、その後のロックの可能性を大きく広げました。

10. Start Me Up

発表年・シングル:1981年
イントロのカッティングギターリフは耳にこびりつくほどキャッチーで、未発表曲として長らく温められた作品が再構築されてヒットに結びついたエピソードも知られています。リチャーズのリフとジャガーの軽快なヴォーカルが相まって、ストーンズの“第二の全盛期”を象徴する楽曲となりました。


各曲は、メンバーそれぞれの人生経験や時代背景を色濃く反映しつつ、常にロックの地平を拡張する挑戦を続けています。あなたのプレイリストに加えることで、ストーンズの多面的な魅力をさらに感じていただけることでしょう。

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