「ベル・ビヴ・デヴォーの名作レコード解説|『Poison』を中心としたコレクター必携のアナログ盤の魅力と価値」
ベル・ビヴ・デヴォーとは
ベル・ビヴ・デヴォー(Bell Biv DeVoe、略称BBD)は、アメリカのR&Bグループであり、元ニュー・エディション(New Edition)のメンバーであるベルニー・ウィリアムス(Bobby Brownではなく)、リッキー・ベル(Ricky Bell)、マイケル・ビヴンズ(Michael Bivins)の3人から成るトリオです。彼らは1990年代初頭に登場し、R&B、ヒップホップ、ニュー・ジャック・スウィングを融合させた革新的なサウンドで一世を風靡しました。特に彼らのデビューアルバム『Poison』(1990年)は、レコード市場で驚異的なセールスを記録し、現在もレコードコレクターや音楽ファンの間で名盤として高く評価されています。
ニュー・ジャック・スウィングの旗手としてのベル・ビヴ・デヴォー
ベル・ビヴ・デヴォーは、ニュー・ジャック・スウィングというジャンルの象徴的存在です。ニュー・ジャック・スウィングは1980年代後半から1990年代初頭にかけて流行した音楽スタイルで、R&Bのメロディアスな要素とヒップホップのビートを融合させたものです。このサウンドは、プロデューサーのテディ・ライリーらによって形作られ、多くのアーティストに影響を与えました。
ベル・ビヴ・デヴォーはニュー・ジャック・スウィングのトレンドのなかでも、特にストリート感とポップなメロディを絶妙に組み合わせ、幅広い層に受け入れられました。トリオそれぞれの声の個性が際立ち、コーラスのハーモニーが洗練されていることも特徴です。
名曲「Poison」の魅力
ベル・ビヴ・デヴォーの代表曲であり、彼らのスタイルを象徴するのが「Poison」です。この曲は1990年にリリースされ、その年の最もヒットしたR&B、ポップシングルの一つとなりました。豪快なベースラインとキャッチーなフック、そして切れ味鋭いラップパートが印象的で、リスナーに強烈なインパクトを与えました。
レコードとしての「Poison」は、12インチシングルが特に人気で、DJやクラブシーンでも広くプレイされました。様々なリミックスやインストゥルメンタルバージョンもB面に収録されており、それらは当時のダンスミュージックカルチャーに大きな影響を与えました。
- A面: 「Poison」オリジナルバージョン(約5分)
- B面: リミックスヴァージョン、インストゥルメンタル、アカペラなど
これらの多彩なバージョンは、ターンテーブルを駆使するDJに重宝され、レコードとしての価値を高めました。現在ではビニールコレクターの間でも希少価値が出ており、状態の良いオリジナル盤は高額取引されることもあります。
レコード盤としての魅力とコレクターの視点
ベル・ビヴ・デヴォーの作品は、CDやデジタル配信よりもレコード盤が特に注目されています。理由の一つは、ニュー・ジャック・スウィング特有のグルーヴや厚みのあるサウンドがアナログ盤でより鮮明に響くことにあります。また、ジャケットデザインやインナーのアートワークも、1990年代初頭のストリートカルチャーを反映したデザインが魅力的で、コレクター心をくすぐります。
例えば、12インチシングル盤のジャケットは大判で写真やロゴが映えるため、壁に飾って楽しむファンも多いです。オリジナルプレスは米国ブラックミュージックシーンの歴史的資料としても価値があります。
レコードの仕様としては、以下の点に着目することも重要です。
- オリジナルプレスか再発かの識別(プレス番号、刻印のチェック)
- ジャケットの状態(折れ、スレ、ひび割れの有無)
- レコードの盤面のキズやスクラッチの有無
- 付属のインナー袋や歌詞カードの有無
これらの条件が整った美品は、コレクター市場で高値がつくこともあります。特に「Poison」以外のシングルカット曲もレコードでの入手が難しくなりつつあるため、ファンにとっては貴重なコレクションの一つです。
「Poison」以外の名曲とレコードシングル
ヴォーカルの三者三様の魅力が発揮される「Poison」の他にも、ベル・ビヴ・デヴォーには魅力的なシングルが多数存在します。これらもまたレコードでのリリースが主流だったため、その時代の音楽ファンには欠かせないアイテムです。
- "Do Me!": ファーストアルバム『Poison』収録。ボーカルとラップが混ざり合う感覚が楽しめる。この曲も12インチシングルでリリースされ、様々なリミックスが存在。
- "B.B.D. (I Thought It Was Me)?": 本人たちの名前をもじったキャッチーなナンバー。攻撃的なビートとメロディが特徴。
- "When Will I See You Smile Again?": バラード調の美しい楽曲。都会的でソウルフルな面が感じられる。
これらの曲もオリジナルのレコードシングルとして存在し、当時の音楽カルチャーを知るうえで貴重な資料です。レコードにはその時代独特のマスタリングやミックスがされていることもあり、デジタル版とは異なる音質やアレンジを楽しむことができます。
レコードを通じて感じる「ベル・ビヴ・デヴォー」の真髄
デジタル音源が主流となった今日においても、ベル・ビヴ・デヴォーの初期作品のアナログレコードは色褪せることのない魅力が詰まっています。ニュー・ジャック・スウィングの緻密なビート構造や、ボーカルの細やかなニュアンスは、アナログ盤ならではの温かさと力強さで伝わってきます。
また、DJが用いるための12インチシングルは、各種リミックスやダブバージョンが封入されていることが多く、音楽の楽しみ方を拡げるものです。現代のリミックス文化のルーツも垣間見えるコレクターズアイテムとしての価値も鉄板です。
まとめ
ベル・ビヴ・デヴォーは、90年代R&Bシーンにおいて、ニュー・ジャック・スウィングを牽引した偉大なグループです。彼らの代表曲「Poison」をはじめとする楽曲群は、現在も多くのファンに愛され続けていますが、その魅力は単なるデジタル音源やCDだけではなく、アナログレコードにこそ最大限に発揮されます。
オリジナル盤のレコードは、音質、パッケージのデザイン、付属物の充実度により、当時のストリートカルチャーや音楽シーンの空気感をリアルに感じさせてくれる貴重な媒体です。特に12インチシングル盤は多彩なリミックスが楽しめ、DJカルチャーとも深く結びついています。
音楽ファンやレコードコレクターにとって、ベル・ビヴ・デヴォーのアナログレコードは、単なる視聴アイテム以上の価値があると言えるでしょう。ぜひ、そのサウンドとアートワークを実際のレコードで体験してみてください。