APIの使い方|初心者でもできるWebサービス連携の基本
はじめに
「API」という言葉を聞くと、専門的で難しそうに感じるかもしれません。
しかし実際には、APIを使うことで外部のデータや機能を自分のアプリやサイトに簡単に取り込むことができるのです。
たとえば、地図を表示したり、天気情報を取得したり、AIに文章を生成させたりするのもAPIの活用例です。
この記事では、初心者でも理解できるように「APIの使い方」をわかりやすく解説します。
1. APIを使う前に知っておくべきこと
● APIキー(認証キー)
APIを使うときは、多くの場合「APIキー」と呼ばれるパスワードのような認証情報が必要です。
これは、「誰がAPIを利用しているか」を識別するためのものです。
各サービスにアカウント登録を行い、管理画面からAPIキーを発行して使います。
例:Google Maps APIキー、OpenAI APIキーなど。
● APIエンドポイント
APIにアクセスするための「URL(住所)」のことをエンドポイントと呼びます。
このURLにリクエストを送ることで、データを取得したり、情報を送信したりします。
例:
https://api.openweathermap.org/data/2.5/weather
2. APIを使う基本の流れ
APIの基本的な使い方は、どのサービスでもほぼ共通しています。
以下の4つのステップで利用できます。
① アカウント登録・APIキーの取得
まずは利用したいAPIサービス(例:Google、Twitter、OpenAIなど)に登録します。
登録後、ダッシュボードからAPIキーを取得します。
② APIリクエストを送る
取得したAPIキーを使い、APIにリクエスト(要求)を送ります。
多くの場合、次のような構文になります。
https://api.example.com/data?param=value&apikey=あなたのAPIキー
たとえば、天気情報を取得する場合:
https://api.openweathermap.org/data/2.5/weather?q=Tokyo&appid=あなたのAPIキー
このURLにアクセスすると、東京の天気情報がJSON形式で返されます。
③ データ(レスポンス)を受け取る
APIから返ってくるデータは、多くの場合JSON形式です。
これは、次のようなシンプルなデータ構造です。
{
"name": "Tokyo",
"weather": [{
"main": "Clouds",
"description": "overcast clouds"
}],
"main": {
"temp": 289.5
}
}
ここから「都市名」「天気」「気温」などをプログラムで取り出して使います。
④ 取得したデータを表示・活用する
最後に、取得したデータをWebページやアプリ上で活用します。
たとえば次のような応用が可能です。
- サイト上に現在の天気を自動表示
- 地図を埋め込んでルート検索を提供
- チャットボットにAI(ChatGPT)を組み込む
3. 実際のコード例(Python)
ここではPythonを使ったAPIの例を紹介します。
import requests
# 天気情報APIのURL
url = "https://api.openweathermap.org/data/2.5/weather"
params = {
"q": "Tokyo",
"appid": "あなたのAPIキー",
"units": "metric"
}
# APIにリクエストを送信
response = requests.get(url, params=params)
# JSONデータを取得
data = response.json()
# 結果を表示
print(f"都市: {data['name']}")
print(f"天気: {data['weather'][0]['description']}")
print(f"気温: {data['main']['temp']}°C")
このコードを実行すると、東京の天気と気温が表示されます。
4. よく使われるAPIの例
| API名 | 用途 | 提供元 |
|---|---|---|
| Google Maps API | 地図や経路検索を表示 | |
| OpenWeatherMap API | 天気情報を取得 | OpenWeather社 |
| Twitter API (X API) | 投稿やツイート情報を取得 | X(旧Twitter) |
| ChatGPT API (OpenAI API) | AIによる文章生成 | OpenAI |
| YouTube Data API | 動画情報の取得 |
5. APIを使う際の注意点
- アクセス制限:一定時間内に呼び出せる回数(リクエスト数)に制限があります。
- 利用規約の確認:商用利用や再配布の可否を事前にチェックしましょう。
- セキュリティ管理:APIキーは他人に見られないように保護する必要があります。
6. まとめ
APIを使うことで、他のサービスの機能を自分のアプリに簡単に組み込むことができます。
ニュース、天気、地図、AI、決済など、あらゆる分野でAPIが活用されています。
初心者の方も、まずは無料のAPI(例:OpenWeatherMap)から試してみましょう。
「外部サービスのデータを自分のプログラムで動かせる」――それがAPIを使う面白さです。
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