ホワイトスネイクのレコード厳選6枚|LPで聴く名盤と購入前のチェックポイント

イントロダクション — ホワイトスネイクのレコードを楽しむために

ホワイトスネイク(Whitesnake)はデヴィッド・カヴァーデイル(David Coverdale)を中心に1978年に結成され、ブルース色の濃いハードロックから80年代のアリーナ・ロックへと進化していった英国発の代表的ロック・バンドです。ヴォーカルの存在感、ギターのドラマ性、時代を象徴する産業的なプロダクションまで、LPで聴くと各アルバムの制作背景や音像の違いがより鮮明になります。ここでは、コアなファンからライトリスナーまでおすすめしたいレコード(アルバム)を厳選し、それぞれの聴きどころや入手時のポイントを深掘りして紹介します。

おすすめレコード1:Ready an' Willing(1980)

Whitesnakeの初期黄金期を象徴するサード・アルバム。ブルースからハードロックへと踏み出した過渡期の名盤で、キャッチーさとロックの骨太さを両立しています。

  • リリース年:1980年
  • 代表曲:Fool for Your Loving、Blindman、Right Now
  • 聞きどころ:デヴィッド・カヴァーデイルの表現力が前面に出た歌唱、シンプルながら説得力あるギター・ワークとコーラスの厚み。
  • 入手ポイント:オリジナル盤は当時のアナログらしい温度感が魅力。リマスター盤は音域の拡張やディテールが出ますが、オリジナル・ミックスの雰囲気を求めるなら初期プレスも検討。

おすすめレコード2:Saints & Sinners(1982)

初期の活動の総決算とも言えるアルバム。楽曲の幅が広がり、よりメロディアスな曲が増えたことでカヴァーデイルのソングライティングが一段と光ります。

  • リリース年:1982年
  • 代表曲:Here I Go Again(オリジナル・バージョン)、Crying in the Rain、Don't Break My Heart Again
  • 聞きどころ:後の大ヒットとなる“Here I Go Again”の原型がここに。初期ホワイトスネイクの泥臭さとシンガロング可能なメロディが魅力。
  • 入手ポイント:オリジナルLPに加え、シングル・バージョンや後年のリメイクとの差を聴き比べるのが楽しい。

おすすめレコード3:Slide It In(1984)

バンドがアメリカ市場でのブレイクを意識し始めた重要作。ここでの変化が後の商業的大成功への布石となります。特に“UKミックス”と“USミックス”という2つの公式ミックスが存在する点は聴きどころの一つです。

  • リリース年:1984年
  • 代表曲:Love Ain't No Stranger、Slow an' Easy、Gambler
  • 聞きどころ:UKミックスはギターが前に出る生々しい演奏感、USミックスはよりポップでラジオ向けに整えられたプロダクション。どちらを好むかで印象がかなり変わります。
  • 入手ポイント:可能なら両ミックスを比較できる盤を手に入れるのがベスト。再発によって収録ミックスが異なることがあるので、発売年・ミックス表記を確認しましょう。

おすすめレコード4:Whitesnake(1987) — 別名「1987」

バンドの世界的大ブレイク作。MTV時代の映像性と大ヒット・シングル群が詰まったアルバムで、ホワイトスネイクの“代表作”として挙げられることが多い作品です。

  • リリース年:1987年
  • 代表曲:Here I Go Again(1987バージョン)、Is This Love、Still of the Night
  • 聞きどころ:ビッグ・プロダクション、重厚なコーラス、そして“80sアリーナ・ロック”の完成形。特に“Here I Go Again”の再録はオリジナルとは異なるアレンジで大成功しました。
  • 入手ポイント:オリジナル1987年の初回プレスはコレクターから人気。音の分離やパンチを重視するなら初期アナログが好まれる一方、後年のリマスターは高域や低域が整えられていることが多いので好みに応じて選ぶと良いです。

おすすめレコード5:Slip of the Tongue(1989)

スティーヴ・ヴァイ(Steve Vai)をギタリストに迎えた作品で、テクニカルでドラマティックなギター・サウンドが全面に出た一枚。プロダクション面でも80年代の様式を濃厚に反映しています。

  • リリース年:1989年
  • 代表曲:The Deeper the Love、Fool for Your Loving(リメイク)、Now You're Gone
  • 聞きどころ:スティーヴ・ヴァイの独創的で派手なギターと、デヴィッド・カヴァーデイルのドラマティックな歌唱の対比。制作時期のラインナップ変化も録音に影響を与えています。
  • 入手ポイント:当時のサウンドを楽しみたいならオリジナル盤。拡張版やデラックス盤ではデモや未発表テイクが収録されることがあるのでコレクション性も高いです。

おすすめレコード6:Live...In the Heart of the City(1980 / 1981)

初期のライヴ盤。バンドの演奏力とカヴァーデイルの熱量をダイレクトに味わえるため、スタジオ盤とは違う“生の力”を求めるなら必聴です。

  • リリース年:1978(パート録音)/1980に正式リリース形態で流通
  • 代表曲(ライヴでの名演):Might Just Take Your Life、Trouble、Ain't No Love in the Heart of the City
  • 聞きどころ:当時のステージングを想起させる熱量。レパートリーのアレンジ違いや即興性が光ります。
  • 入手ポイント:ライヴ録音の性質上、プレスごとの音質差が出やすいので複数盤を比較してみると面白いです。

アルバム選びのポイント(購入前にチェックしたいこと)

  • リリース年とミックス表記:特にSlide It InのUK/USミックスや、アルバムによってはラジオ向けに再編集されたヴァージョンが存在します。どのミックスを聴きたいかは判断基準になります。
  • 収録トラックのバージョン違い:Here I Go Againのオリジナル(Saints & Sinners)と1987バージョンは別物です。好みのアレンジを確認して購入しましょう。
  • オリジナル盤 vs リマスター/デラックス盤:オリジナル盤は当時の空気感があります。リマスターやデラックス盤は音像がクリアでボーナス曲が付く反面、オリジナルのミックス感が変わることがあります。
  • 曲順・収録の違い:海外盤(UK/US)で曲順や収録曲が変わることがあるため、聴きたい収録曲が含まれているかを確認してください。

初心者〜中級者へのおすすめ戦略

  • まずは「Whitesnake」(1987)を聴く:代表曲がまとまっており、ホワイトスネイクの“顔”がわかりやすいので入門作に最適です。
  • 初期のブルース寄りを体感したいなら「Ready an' Willing」「Saints & Sinners」へ:カヴァーデイルのルーツやバンド初期の粗削りな魅力が分かります。
  • 制作やミックスの違いも楽しみたいなら「Slide It In」のUK/US両ミックスを比較:同一アルバムでここまで印象が変わる例は貴重です。
  • ギター好きは「Slip of the Tongue」:ヴァイのプレイが好きなリスナーには特に価値があります。

まとめ

ホワイトスネイクは時代ごとに顔が変わるバンドです。初期の泥臭いブルース・ロック、80年代中盤のアメリカ志向のプロダクション、そして大規模な80年代後半のアリーナ・ロック。レコード(LP)で聴くと各時代の音の作り込みや演奏の空気感がよく伝わってきます。本稿で挙げたアルバムはどれも異なる魅力を持っているので、自分の好みに合わせて「オリジナル盤」「リマスター」「US/UKミックス」などを選ぶ楽しみもあります。ホワイトスネイクの音像にじっくり向き合いながら、アルバムごとの個性を楽しんでください。

参考文献

Whitesnake Official Site

AllMusic - Whitesnake

Discogs - Whitesnake (discography, pressings & releases)

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