Whitesnake入門:レコードで聴くべき理由と初心者向けおすすめアルバムガイド
Whitesnake入門 — なぜ今レコードで聴くべきか
David Coverdaleを中心に1978年に結成されたWhitesnakeは、ブルース色の強いハードロックから80年代のスタジアム向けアリーナ・ロック(いわゆるAOR/グラム寄り)へと大きく進化したバンドです。ヴォーカルの表現力、ギターの攻撃性、メロディの強さが魅力で、アルバムごとにサウンドや編成が変化するため、LPで揃えて聴き比べるとその変遷がはっきり分かって面白いアーティストです。
おすすめアルバム(代表作と聴きどころ)
Trouble (1978)
デビュー作。Deep Purple直系のブルース・ロック色が強く、Coverdaleの声を中心にした骨太なサウンドが味わえます。まだ商業的なポップ性は薄い時期の作品で、初期Whitesnakeの「素の魅力」を知るには最適です。代表曲:"Take Me With You", "Trouble".
Lovehunter (1979)
デビュー直後の勢いを維持しつつ、よりロッキンでグルーヴの効いた楽曲を収録。アルバム・アートや楽曲の生々しさからバンドの男臭さが伝わる一枚。初期ファンに人気の高い作品です。代表曲:タイトル曲"Lovehunter"など。
Ready an' Willing (1980)
バンドの演奏力やソングライティングが向上し、プロダクションも洗練されてきた頃の作品。よりキャッチーなメロディも増え、以降の方向性の布石となったアルバムです。代表曲:"Fool for Your Loving"(後に再録でヒット)。
Saints & Sinners (1982)
初期Whitesnakeの集大成的な側面を持ちつつ、シンガロングしやすいフックも育ってきた時期。ここに収録の楽曲群は、後年の再録やライブで何度も取り上げられています。代表曲:"Here I Go Again"(オリジナル版はこの時期に登場)。
Slide It In (1984)
Whitesnakeのサウンドがよりハードでモダンになった転換点。ギタリストの交代やプロデューサーの関与などで、UK盤とUS盤でミックスや演奏の印象が異なる点が興味深い(後述)。"Love Ain't No Stranger"など名曲を含み、80年代ホワイトスネイク路線の始まりを感じさせます。代表曲:"Love Ain't No Stranger", "Slide It In".
Whitesnake (1987)
商業的大成功を収めた代表作。映画やMTVの影響もあり、"Here I Go Again '87"、"Is This Love"、"Still of the Night"など世界規模のヒットを生みました。プロダクションはポップで抜けの良いサウンドになり、Coverdaleのメロディ・メイキングが際立ちます。80年代ハードロックを代表する一枚として必聴です。代表曲:"Here I Go Again", "Is This Love", "Still of the Night".
Slip of the Tongue (1989)
Steve Vai参加による派手なギター・プレイが特徴の作品。テクニカルで華やかなギターワークとCoverdaleのシンガロング性が融合した、1980年代末の集大成的アルバムです。演奏の見せ場を重視した作風が好きなリスナーにおすすめ。代表曲:"Fool for Your Loving (re-recorded)", "Judgement Day".
Live... In the Heart of the City (1978/1980 — live)
初期のライブを収めた公式ライブ盤。バンドのライヴ・パフォーマンスの迫力や即興性がよく伝わります。スタジオ録音とは異なるダイナミズムを楽しみたい方に。代表曲はライブ・アレンジによる各収録曲。
The Purple Album (2015)
David Coverdaleが在籍したDeep Purple時代の楽曲をWhitesnake流に再構築したアルバム。過去の名曲に新しい息を吹き込みつつ、Coverdaleの軸はブレていないことを確認できる作品です。Deep Purpleファン、Coverdaleのキャリアを追うリスナーにおすすめ。
アルバム選びのポイント(購入時の視点)
サウンドの変遷を楽しみたいなら:初期(Trouble〜Saints & Sinners)→中期(Slide It In)→大ヒット期(1987)→派手なテクニカル期(Slip of the Tongue)の順で聴くと変化がよく分かります。
名曲の異なるバージョンに注目:例えば"Here I Go Again"は80年代初期のオリジナルと1987年の再録でアレンジや雰囲気が大きく変わります。どちらも魅力があるので聴き比べると面白いです。
ミックス違い(特にSlide It In):このアルバムはUK盤とUS盤でサウンドの違いが大きいことで有名です。より生っぽいロック寄りのUKミックス、商業的にリファインされたUSミックスといった違いがあり、好みによって選ぶ価値があります。
ライブ盤/リイシュー:コンサートの熱さを求めるなら公式ライブ盤を。リイシュー盤はリマスターやボーナストラックが付くことが多く、当時のアウトテイクやデモを楽しめる場合があります。
曲作り・演奏面での聴きどころ
Coverdaleのボーカル表現:ロウでブルージーなシャウトから、メロウでソウルフルなバラードまで、一貫して強い個性があります。曲ごとのヴォーカル表現の違いを追うと楽しいです。
ギターワークの多様性:初期はブルース寄り、80年代中盤以降はよりハイゲインでリフ主導のアリーナ・ロックへ。Slip of the Tongueでは超技巧派のソロが前面に出ます。
プロダクションの変化:Martin Birch期の生々しさから、80年代後半の大規模プロダクション(MTV時代のサウンド)へ。プロデューサーやメンバー交代の影響が色濃く反映されています。
初心者にとっての“はじめの一枚”
Whitesnakeを初めて聴くなら、まずは1987年のセルフタイトル盤(Whitesnake / 1987)をおすすめします。ポップさとハードさのバランスが良く、代表曲がまとまっているので入門用に最適です。その後、Slide It InやTroubleで遡るとバンドの変遷が分かります。
まとめ
Whitesnakeは時代と共にサウンドを変化させつつ、Coverdaleの歌を軸にしたブレない魅力を保ち続けてきたバンドです。初期のブルース・ロックから80年代の大ヒット期、そして技巧派の時代まで、各アルバムに異なる顔があるので、LPで揃えて時系列に聴き比べるとその魅力がより深く味わえます。
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