Ashra(アシュラ)入門ガイド:Manuel Göttschingと70年代クラウトロックの名盤を聴くポイント

Ashraとは:簡単な概略

Ashra(アシュラ)は、ドイツ出身のギタリスト/作曲家マヌエル・ゲッチング(Manuel Göttsching)を中心に展開したプロジェクト名で、1970年代以降のクラウトロック/電子音楽~アンビエント/ニューエイジ方面に大きな影響を与えました。元々は「Ash Ra Tempel」として活動していた時代があり、その流れを汲みつつ、70年代後半にはよりシンセサイザーやループ的なギター処理を取り入れたモダンなサウンドへと移行しています。

おすすめレコード(名盤とその聴き所)

  • New Age of Earth(1976) — 必聴の出発点

    Ashra名義のデビュー作的な位置づけで、広大で瞑想的なサウンドスケープが特徴。ギターのフレーズがシンセのパッドと溶け合い、深いアンビエント感を生み出します。リラックス~集中した作業用、夜に聴く一枚として定番。Ashraを知る上で最初に手に入れたいアルバムです。

  • Blackouts(1977) — 生楽器感とリズム感のある展開

    前作のアンビエント性を踏まえつつ、よりリズミカルでバンド演奏的な要素が表に出た作品。シンセとギターの相互作用がダイナミックに展開し、聴き応えのあるトラックが並びます。アンビエント寄りの作品が好みでも、こちらでバンド感を楽しむとAshraの幅の広さが実感できます。

  • Correlations(1979) — コラボレーション色と発展性

    他メンバーとの共同作業が色濃く出た作品で、アンサンブル感や構成の凝った楽曲が目立ちます。70年代末のシンセ技術とロックの感性が融合した側面があり、時代的な音作りの変遷を感じられる一枚です。

  • Belle Alliance(1983) — 80年代的エレクトロニクスの導入

    80年代に入ってからのエレクトロ寄りの傾向が強まった作品。シンセサイザー主体の音色やリズム構築が目立ち、よりモダンな電子音楽/ポップ寄りの要素も取り入れられています。時代ごとの変化を追いたいファンにおすすめ。

  • 関連必聴:Manuel Göttsching — E2–E4(1984、ソロ名義)

    厳密にはAshra名義ではなくソロ作品ですが、マヌエル・ゲッチングの代表作のひとつで、ミニマル〜テクノ/ハウス界にも影響を与えた長尺の作品。Ashraの延長線上にあるサウンドや制作姿勢を知るうえで重要です。

Ashraを聴く際のポイント

  • アルバムごとに作風の幅が広い:初期のアンビエント感、70年代のバンド志向、80年代のエレクトロ化。どの時期のサウンドが好みかで選ぶと見つけやすいです。

  • 長尺・反復構造が魅力:短い曲が次々切り替わるタイプではなく、音の広がりや反復による変化を楽しむ作品が多い点を押さえておくと良いでしょう。

  • ソロ作との関係性:Manuel Göttschingのソロワーク(特にE2–E4)はAshraの理解を深めます。Ash Ra Tempel時代のライヴ録音やオリジナル作品と合わせて聴くと系譜が見えます。

購入・コレクションに向けての選び方

初めて聴くなら代表作の『New Age of Earth』を軸に、よりエネルギッシュな演奏が聴きたい場合は『Blackouts』、時代変化を俯瞰したければ『Belle Alliance』やソロ作を補完していくのが満足度が高いルートです。中古レコードやCD、配信で入手できることが多いので、フォーマットの好みや入手しやすさで選んでください。

まとめ

Ashraは、マヌエル・ゲッチングを中心に展開したプロジェクトで、アンビエントから電子音楽、ロック的なアプローチまで広がる音楽性が魅力です。まずは『New Age of Earth』を聴いてサウンドの核を掴み、興味が広がれば『Blackouts』『Correlations』『Belle Alliance』やゲッチングのソロ作へと深掘りすることで、その多層的な魅力を味わえます。

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参考文献