ハンマードリルとは?コンクリートの穴あけに必須の電動工具の仕組み・用途・選び方を徹底解説
建築・設備・土木工事でコンクリートやモルタルに穴をあける作業は頻繁に発生します。アンカー施工、配管工事、サッシ取り付け、設備固定など、正確で効率的な穴あけが求められる場面で欠かせない電動工具が ハンマードリル です。
本記事では、ハンマードリルとは何か、仕組み、用途、コアドリルとの違い、選び方、安全ポイント をわかりやすく解説します。
ハンマードリルとは?
ハンマードリルとは、「回転+打撃」の力を利用してコンクリートや石材に穴をあける電動工具のことです。
主な特徴は次の2点です。
- 回転(ドリルの回転)
- 打撃(ハンマーのような打撃力)
この2つを組み合わせることで、硬いコンクリートでも効率よく穴をあけることができます。
ハンマードリルが活躍する場面
ハンマードリルは、建築・土木・設備におけるほぼ全てのコンクリート穴あけ作業で使用されます。
■ アンカー施工
- ケミカルアンカー
- オールアンカー(オールアンカー)
- W3/8、M8〜M16の下穴加工
■ サッシ、金物の取付
- 窓枠
- 手すり
- 看板
- 外構
■ 配管・電気配管の固定
- サドル固定
- 吊りボルト取り付け
- インサート追加
■ 内装リフォーム
- 電気工事の配線ルート
- 住宅の補強金物の取り付け
■ 土木工事
- 仮設材の固定
- 型枠の補強
- 測量基準点のセット
ハンマードリルの仕組み
ハンマードリルの内部には、次の機構が備わっています。
■ ピストン式打撃機構
空気圧を利用して打撃するため、パワーが強い。
■ 回転機構
ドリルビットを回転させて切り込みを作りながら進む。
■ クラッチ機構
ビットが引っかかった際のキックバックを軽減。
振動ドリルとの違い
ハンマードリルとよく比較されるのが「振動ドリル」です。
| 種類 | 打撃力 | 穴あけ対象 | 特徴 |
|---|---|---|---|
| ハンマードリル | 強い | コンクリート・石材向け | 作業効率が非常に高い |
| 振動ドリル | 弱い | 軽量コンクリート・モルタル | 小規模な作業に向く |
コンクリートに本格的に穴をあけるならハンマードリル一択です。
コアドリルとの違い
| 種類 | 用途 | 穴のサイズ |
|---|---|---|
| ハンマードリル | アンカーなどの小径穴 | 小〜中口径(3〜30mm程度) |
| コアドリル | 貫通穴(エアコン・配管) | 大口径(20〜200mm以上) |
用途により使い分けます。
ハンマードリルの種類
■ SDSプラス(軽量タイプ)
- 穴径:3mm〜30mm程度
- 建築・設備工の標準
- 片手で扱いやすい
■ SDSマックス(ヘビータイプ)
- 大きめの穴にも対応
- 土木・鉄骨・外構などの重作業向け
■ コードレス(充電式)
近年の主流で、現場の取り回しが非常に良い。
作業別のビット(刃先)の種類
■ ハンマードリルビット
コンクリート穴あけの基本ビット。
■ ロングビット
天井や深い位置への施工用。
■ コンクリート用スパイラルビット
切削効率が良く、アンカー施工に最適。
■ コールドチゼル・スケーリングチゼル
タイル剥がしや簡易はつりに使用。
ハンマードリルの選び方
■ 1. 穴径の大きさで選ぶ
小径 → SDSプラス
中〜大径 → SDSマックス
■ 2. 使用頻度
- 毎日使う → 高耐久モデル
- 週1程度 → 標準タイプで十分
■ 3. 電源方式
- 充電式:取り回し良好、今の主流
- コード式:連続作業に強い、高パワー
■ 4. メーカー
マキタ・ハイコーキ・ボッシュが現場では定番。
ハンマードリルの安全ポイント
■ 1. キックバックに注意
腕を持っていかれることがあるため、両手で保持する。
■ 2. 粉塵対策
ゴーグル・マスクは必須。
■ 3. 養生をしっかり
建材や仕上げ面を傷つけないように注意。
■ 4. ビットの摩耗チェック
穴がズレたり、貫通できない原因になる。
■ 5. 位置ズレの確認
ずれるとアンカーの保持力不足の原因に。
まとめ
ハンマードリルとは、回転+打撃の動作でコンクリートに穴をあける電動工具であり、建築・土木・設備現場で欠かせない存在です。
- アンカー施工
- 金物取り付け
- 配管・電気設備工事
- 外構工事
など多くの用途で使われ、選定は使用する穴径や環境によって決まります。
正しく選び、正しく使うことで作業効率と施工品質が大きく向上します。


