ラウドネス(Loudness)の軌跡:結成から国際進出まで、日本を代表するヘヴィメタルの歴史と影響

ラウドネス(Loudness) — 概要と結成

ラウドネスは1981年に結成された日本のヘヴィメタル/ハードロック・バンドで、日本のメタルシーンを世界に押し出した代表的存在の一つです。中心人物はギタリストの秋田隆(Akira Takasaki、表記は「高崎 晃」として知られる)で、その卓越したギターワークを核に、独自のサウンドを築き上げてきました。ボーカルの新里 稔(にいはら みのる/Minoru Niihara)、ベースの山下 昌良(Masayoshi Yamashita)、ドラマーの樋口 宗孝(Munetaka Higuchi)らによる初期ラインナップが国内外で注目を集め、1980年代中盤には米国のメジャーレーベル(Atco)と契約して国際的な活動を展開しました。

メンバーと沿革(主要ポイント)

  • 秋田(高崎)隆(ギター):バンドの音楽的中核。高速フレーズとメロディアスなリードを両立させたプレイで知られる。
  • 新里 稔(Minoru Niihara、ボーカル):パワフルで幅の広い歌唱を特徴とし、バンドのフロントマンとしての存在感が強い。
  • 山下 昌良(ベース):堅実なリズムとメロディックなベースラインで楽曲を支える。
  • 樋口 宗孝(ドラマー):熱量の高いドラミングでバンドの推進力となった(2008年逝去)。
  • 1980年代の勢いある海外進出、ラインナップの変遷(海外ボーカリスト起用など)を経て、何度も再結成・活動再開を重ねながら現在に至ります。

サウンドの核と魅力 — なぜ支持されるのか

ラウドネスの魅力は単なる速さや音圧だけではありません。以下の要素が複合的に作用してファンを惹きつけています。

  • ギターワークの質と個性:秋田のリードプレイはテクニカルでありながらメロディ重視。速弾き、ハーモニクス、スウィープ的な要素やフレーズの歌わせ方などがバランスよく混在し、聴き手に強い印象を残します。
  • メロディと勢いの両立:メタルの攻撃性とキャッチーなコーラスやリフを両立させ、国内のリスナーだけでなく海外のリスナーにも訴求する力を持っていました。
  • 英語歌詞の導入と国際志向:1980年代中期以降、英語詞を多用して米国市場を意識した作品を発表。言語面での壁を下げ、海外の舞台で評価を得る戦略が功を奏しました。
  • ライブでのエネルギー:スタジオ録音の完成度だけでなく、ライブでの高い演奏力と熱量がバンドの評価を支えています。リスナーは音源とライブ双方でラウドネスの魅力を体感します。

代表曲・名盤の紹介(聴きどころ)

  • Thunder in the East(1985) — 国際的ブレイクスルー作。プロダクションの明瞭さ、英語詞の展開、代表曲「Crazy Night(英語表記では“Crazy Nights”や“Crazy Night”とも)」などを収録し、米国市場での注目度を高めたアルバムです。バンドの「国際線」を象徴する一枚。
  • Lightning Strikes(1986) — 国際展開期の延長線上にある作品で、よりハードでドライブ感のある楽曲群が特徴。よりモダンなプロダクションとソリッドなアレンジが聴きどころです。
  • The Birthday Eve(1981) / Devil Soldier(1982) — 初期の名盤群。国内メタルシーンでの確かな地位を築いた作品で、当時のRAWな勢いや独自性が色濃く残っています。初期作特有のエネルギーと荒削りな魅力を感じられます。
  • Hurricane Eyes(1987) / S.D.I.(1987)など — 80年代後半の作品群。メロディ重視と当時のプロダクションのモダンさが共存しています。作品ごとにアプローチを変えつつも、ラウドネスらしさは維持されています。

ライブパフォーマンスの特徴

ラウドネスのライブは、テクニカルな演奏力と観客を煽るエネルギーの両方が重要な要素です。秋田の長尺ソロやサビでの合唱パート、ヘッドバンギングを誘うリフなど、観客参加型の構成も多く、スタジオ音源以上にバンドの“熱さ”が伝わるのが魅力です。

変遷と試行錯誤 — 進化するバンド像

1980年代の海外志向、1990年代以降のメンバー交代や音楽的模索、再結成といった流れを通じて、ラウドネスは一貫して“現場主義”を貫いてきました。商業的な成功とアンダーグラウンドな支持の両面を経験し、その余波として楽曲の幅や表現手法が広がっています。曲作りではハードロック、ヘヴィメタル、スピード的要素、メロディックな要素を柔軟に取り入れる姿勢が見られます。

影響とレガシー

  • 日本のメタル/ロック・シーンにおける草分け的存在として、後続ミュージシャンに与えた影響は大きいです。
  • 国内外のリスナーやミュージシャンからのリスペクトも厚く、日本発のメタルが国際舞台で通用しうることを示した象徴的なバンドです。
  • 個々のメンバー、特にギタリストとしての秋田のプレイは、日本のギタリスト世代に多大な影響を与えています。

これからラウドネスに触れる人へのアドバイス

  • 「まずは代表作を一枚」:国際的に知られるThunder in the Eastあたりから聴くと、バンドの“世界観”を掴みやすいです。
  • 「初期作でルーツを確認」:The Birthday EveやDevil Soldierなど初期作で、バンドの熱量と原点を感じるのもおすすめです。
  • 「ライブ映像やライヴ音源を観る」:スタジオとは別の迫力やアドリブ感を知ると、ラウドネスの魅力がより立体的に見えてきます。

まとめ

ラウドネスはテクニックとメロディ、そしてライブでの爆発力を併せ持つバンドであり、日本のヘヴィメタル史における重要な存在です。国際舞台での成功と国内シーンへの影響、そしてメンバー個々の高い演奏力が相まって、長年にわたり支持されてきました。初めて聴く人は代表作から入って、その後に初期・中期の作品やライブ映像を追うと、より深く楽しめるでしょう。

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参考文献