Gary Mooreの名盤を徹底解説|聴くべきアルバムとギター表現の魅力

はじめに — Gary Mooreとは

Gary Moore(ゲイリー・ムーア、1952–2011)は、北アイルランド出身のギタリスト/シンガーで、ロックからブルースまで幅広い表現力を持ったアーティストです。若年期にThin Lizzy等で活動した後、ソロでのキャリアを築き、1980年代のハードロック期から1990年代のブルース回帰まで幾度も音楽性を変化させながらも“一流のギター・フレーズ”でファンを惹きつけました。本コラムでは、レコード(アルバム)という観点から「これだけは聴いておきたい」おすすめ作品を深掘りして紹介します。

おすすめレコード(必聴盤)

Back on the Streets(1978)

ソロ初期の代表作。ロック色の強いアプローチとメロディアスなギターが目立つ作品で、初期のキャリアを知るうえで重要です。特にシングルとして知られる「Parisienne Walkways」は、Phil Lynottがヴォーカルで参加した名唱で、ムーアの叙情的なギター表現が際立ちます。

  • 聴きどころ:メロディの語りかた、クリーントーンから泣きのミドル〜ロング・トーンへの展開。
  • 代表曲:Parisienne Walkways、Back on the Streets(曲名はアルバムと同名曲がある場合あり)

Corridors of Power(1982)

80年代初頭のハードロック志向のアルバムで、ムーアの速弾きやフレーズの切れ味がよくわかる一枚。ギター・ワークを前面に押し出した構成で、ロック・ギター・ファンに特におすすめです。

  • 聴きどころ:リフの質感、ソロで見せるフレージングの多様性(ブーストしたサウンドでの表現)。
  • 代表曲:アルバムの中のハードな曲群(アルバム単位で通して聴く価値あり)

Run for Cover(1985)

メタル〜ハードロック期の集大成的なアルバム。シングル「Out in the Fields」はPhil Lynottと共演した楽曲として有名で、当時の彼のヒット曲の一つです。ヘヴィなギターとキャッチーなメロディが両立しています。

  • 聴きどころ:ハードなサウンドとポップ寄りのメロディのバランス、ギター・ソロのドラマ性。
  • 代表曲:Out in the Fields(共演曲)、ほかシングル曲群

Wild Frontier(1987)

ケルト的な要素を取り込んだポップ/ロック色の強い作品。代表曲「Over the Hills and Far Away」はシンセやトラディショナルな雰囲気も取り入れたヒット曲で、ムーアの幅広い作曲センスがわかるアルバムです。

  • 聴きどころ:曲構成のキャッチーさ、エモーショナルなギター・フレーズと民族的な雰囲気の融合。
  • 代表曲:Over the Hills and Far Away、その他ドラマティックなナンバー

Still Got the Blues(1990)

ムーアの音楽的転機となった重要作。これまでのハードロック路線から本格的なブルース/ブルースロックへシフトしたアルバムで、タイトル曲「Still Got the Blues (For You)」は彼の代表曲として広く知られています。哀愁を帯びたメロディとレスポンスの表現が強く、ギター・トーンも大きな魅力です。

  • 聴きどころ:ブルース特有のフレージング、ロングトーンやベンドの感情表現。歌とギターの関係性。
  • 代表曲:Still Got the Blues (For You)、その他ブルース系の掘り下げ曲

Blues For Greeny(1995)

Peter Green(Fleetwood Mac創世期のギタリスト)へのトリビュート・アルバムで、Greenの曲をムーア流に解釈した作品です。ファンの間では特に評価が高く、ムーアのブルース解釈力と敬意がストレートに伝わる一枚。

  • 聴きどころ:オリジナルへのリスペクトを残しつつの解釈、ニュアンス豊かなギター表現。
  • 代表曲:Peter Green作品のカバー群(アルバム全体として聴く価値あり)

Blues Alive(1993)/ライヴ盤

1990年代ブルース路線のライヴ盤で、スタジオ盤とは異なる生の熱量や即興性を堪能できます。ムーアのステージ上での表現力やトーン感、観客との化学反応がよく伝わる一枚です。

  • 聴きどころ:ライヴならではの伸びやかなソロ、曲間のアドリブなど。
  • 代表曲:ライヴでの代表ナンバー群(アルバム選曲による)

初心者向け・コレクター向けの聴き分けガイド

どのアルバムから入るかは好みによりますが、入門としては以下の順がおすすめです。

  • まずは「Still Got the Blues」:メロディと感情表現がわかりやすく、彼の“歌うギター”が堪能できる。
  • 次に「Back on the Streets」→「Run for Cover」:ロック寄りの代表曲や初期の表情を把握する。
  • コアなファンやギター愛好家は「Corridors of Power」「Blues For Greeny」:テクニックや解釈力に注目。
  • ライヴ音源(例:Blues Alive)はムーアの即興性やステージでの説得力を知るのに最適。

深掘り:ムーアのギター表現で注目すべきポイント

レコードを聴く際に注目すると発見が深まるポイントを挙げます。

  • トーンの幅:クリーン〜オーバードライブ〜厚めのレスポール・トーンまで場面ごとに変化します。曲の感情とトーンが直結している点を意識してください。
  • フレージングの“歌わせ方”:ビブラートの使い方、スライドやベンドで“声”のように語る技法が随所に現れます。短いフレーズでも感情を乗せる術に注目。
  • ジャンル跨ぎの表現力:ロック的な刻みからストレートなブルースまで、同一人物が幅を持って演奏している点は彼の大きな魅力です。

まとめ — 何を買うべきか

入門者は「Still Got the Blues」、ロック寄りを楽しみたいなら「Run for Cover」や「Back on the Streets」、コアなギターファンは「Corridors of Power」「Blues For Greeny」「Blues Alive」を。いずれもGary Mooreの異なる側面(メロディ、テクニック、解釈力、ライブ力)を示す名盤です。

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参考文献