アルバート・キングのおすすめアルバム厳選ガイド|聴き方と盤の選び方・影響を徹底解説

はじめに

アルバート・キング(Albert King)は、20世紀のブルース/ブルースロックに多大な影響を与えたギタリスト兼歌手です。左利きでありながら逆さまに弦を張ったギター(右利き用をそのまま)を弾く独特のスタイル、大きく歌うようなベンド、空間を活かす間(ま)と深いトーンは、後続のギタリストに強い影響を残しました。本コラムでは「レコードで聴く」ことを前提に、アルバート・キングのおすすめアルバムを厳選して紹介します。各作の魅力、聴きどころ、入手時のチェックポイント(オリジナル盤/良質なリイシューの選び方)などを織り込みつつ深掘りします。

アルバート・キングを聴く上でのポイント

  • フレージング重視:速弾きより“歌う一音”。大きなビブラートとワンフレーズの完結感を注目して聴くと理解が深まります。

  • コードよりメロディ:多くはシンプルなリズムに対してシングルノートでの語りかけるプレイが主役です。

  • バックのソウル感:Staxなどソウル・ミュージシャンたちとの共演が多く、リズム隊やホーンのグルーヴに乗ってギターが映えます。

  • ライブ音源の魅力:熱量や即興が特に強く出るため、ライブ盤は必聴です。

おすすめレコード(厳選)

Born Under a Bad Sign(1967)

スタックス(Stax/Volt)が世に出した代表作。アルバム全体が“ブルース×ソウル”の黄金比でまとめられており、アルバート・キング入門に最適です。バックはブッカー・T. & the M.G.'s を中心とした安定感のある演奏で、王道のブルース・ナンバーを洗練されたアンサンブルで聴かせます。

  • 聴きどころ:タイトル曲「Born Under a Bad Sign」は彼の代名詞の一つ。歌とギターのフレーズが一体となった濃密な表現を味わってください。

  • なぜ買うか:アルバートの“商業的かつ芸術的”な側面が最も明確に出ている一枚で、ブルース史上の重要作。

  • 盤の選び方:オリジナルのStaxプレスはサウンドの温度感が魅力。近年のリマスター/180gリイシューも音像がクリアなので好みで選ぶと良いでしょう。

Live Wire/Blues Power(1968)

1968年、フィルモアなど当時のロック/ブルースの聴衆の前での熱演を捉えたライヴ盤。ステージでの伸びやかなテンション、ソロの引き伸ばし、観客とのやり取りなど“生のアルバート”がよく分かる作品です。スタジオ盤とは違ったアレンジや即興が味わえます。

  • 聴きどころ:とにかく即興の伸びと観客の反応。ギターのフレーズがより生々しく、息づかいまで伝わってきます。

  • なぜ買うか:アルバートのライブでの存在感を体感できるため、彼のプレイの“強度”を知りたい人に最適。

I'll Play the Blues for You(1972)

70年代に入っての一作で、よりソウルやR&B的な味付けが色濃く出たアルバム。タイトル曲「I'll Play the Blues for You」はスムースで叙情的なバラード・ブルースとしてヒットし、アルバートの“歌心”と“歌うギター”の魅力が前面に出ています。

  • 聴きどころ:タイトル曲のロングフォーム、ギターの抑制されたフレーズと情感豊かなトーン。

  • なぜ買うか:ブルースの枠を越えたソウル寄りのアプローチを楽しめるので、彼の幅を知るには欠かせません。

In Session(with Stevie Ray Vaughan)

1980年代初頭に行われたアルバートとスティーヴィー・レイ・ヴォーン(Stevie Ray Vaughan)とのテレビ/ラジオ用セッションの音源。世代を超えたギタリスト同士の対話が聴ける貴重な記録で、アルバートのプレイが若きブルースロッカーたちに与えた影響を如実に感じられます。

  • 聴きどころ:音楽的な化学反応。アルバートの“余裕ある間”と、SRVの燃えるようなフレーズとの掛け合いは見ものです。

  • なぜ買うか:アルバートの影響力と、そのプレイが後のギタリストにどう継承されたかを一枚で味わえる点が貴重。

Years Gone By / ベスト・コンピレーション類

オリジナル作だけでなく、スタックス期のシングル群や未発表/ライヴ音源を集めたコンピレーションも充実しています。時代ごとの音作りやアプローチの変化を俯瞰するには、ベスト盤や年代別コンピが便利です。

  • 聴きどころ:初期シングルの荒削りなブルース、スタックス期の洗練、70年代以降のソウル寄りサウンドといった変遷が追えます。

  • なぜ買うか:代表曲を一枚にまとめて聴きたい、また時期による違いを俯瞰したい場合に向きます。

選曲・聴き方の具体的アドバイス

  • まずはタイトル曲:まずは「Born Under a Bad Sign」「Crosscut Saw」「I'll Play the Blues for You」など代表曲から入り、フレーズの反復や歌心を掴んでください。

  • 比較聴取:同じ曲のスタジオ/ライブ版を比べると、アルバートの即興やフレージングの差がよく分かります。

  • バッキングにも注目:特にスタックス期はブッカー・T.らのアンサンブルが優れています。ギターだけでなく、ホーンやリズム隊との会話に耳を傾けると発見が増えます。

  • 世代を超えた共演を聴く:SRVとのセッションなどは、アルバートのプレイがどのように受け継がれているかを実感できます。

アルバート・キングが残した影響

  • ブルース・ギターの“歌う”表現を普及させ、エリック・クラプトンやスティーヴィー・レイ・ヴォーンら多くのギタリストに影響を与えました。

  • スタックスのソウル・サウンドとブルースを結びつけたことで、ブルースの商業的な展開にも寄与しました。

  • ライヴでのダイナミクスや即興性は、ブルース・ロックの表現方法に強い示唆を残しました。

まとめ

アルバート・キングのレコードを聴くときは、「一音の重み」と「歌心」を追いかけるのが近道です。スタックス期の名作スタジオ盤で彼の完成形を知り、ライヴ盤やセッション盤で即興と表現の幅を確認する。この順番で聴くと、彼の全体像が自然に見えてきます。紹介した各盤は目的別に選びやすく、どれもアルバートの重要な側面を示しています。ぜひじっくり針を落として、その音楽性の深さを味わってください。

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参考文献