ロビン・トロワー徹底ガイド|Bridge of Sighsを軸にした名盤・聴き方・レコード選び

Robin Trower — イントロダクション

Robin Trower はイギリス出身のギタリスト/ソングライターで、1960〜70年代のブルース・ロックを現代に伝える代表的な存在です。Jimi Hendrix の影響を受けたストラトキャスターの歌うようなトーン、スロー〜ミディアムテンポの重厚かつメロウなフレーズ、James Dewar によるソウルフルなボーカル(初期作での共演)といった要素が特徴で、ギター・ワークの「色気」と「間」の取り方に惹かれるリスナーが多いです。

おすすめレコード(名盤深堀)

Bridge of Sighs

なぜおすすめか:Robin Trower の代表作。ギター・トーンの完成形、曲の構築、そしてムードの作り方が揃った一枚で、彼のサウンドが「これだ」とわかる出発点です。

  • 音楽的特徴:ミドル寄りのテンポを基調にしたブルース・ロック。空間を活かしたリード(長いサスティンとクレシェンド)と、リズム隊のしなやかなグルーヴが印象的。
  • 聴きどころ:タイトル曲のギター・メロディ、トーンの変化、フレーズの呼吸感。曲間のダイナミクス(静と動の対比)に注意して聴くとTrower流の表現力がよく分かります。
  • 当時の布陣:Trower のギターを中心に、ボーカルやリズム隊との対話が際立つアンサンブル。

Twice Removed from Yesterday

なぜおすすめか:ソロ初期作のエネルギーとブルース志向が色濃く出た作品。若さゆえの直球なギター表現と、曲としてのストレートさが魅力です。

  • 音楽的特徴:ブルースやR&Bの影響が色濃い。シンプルだが説得力のあるリフとソロが多いので、Trower の原点を感じたい人に最適。
  • 聴きどころ:ギターの音色とフレーズの直情性。後の洗練と比べると粗削りだが、それが逆に魅力になります。

For Earth Below

なぜおすすめか:Bridge of Sighs の路線を引き継ぎながら、曲作りやアレンジにさらに幅を持たせた作品。雰囲気作りの巧さが際立ちます。

  • 音楽的特徴:暗めのトーン、メロウなバラードと骨太のロックのバランス。ギターの空間表現(エコー、回転スピーカー風味のニュアンス)が効いています。
  • 聴きどころ:緩急の付け方、ボーカルとの絡み、ソロの語り口。曲ごとに異なる色を見せる多面性が楽しめます。

Long Misty Days

なぜおすすめか:メロディ重視の曲、キャッチーなフックを含む作品で、Trower の「歌モノ」としての側面がよく出ています。ロック的なドライブ感と叙情性のバランスが良好です。

  • 音楽的特徴:メロディの強さ。ギターは相変わらず主役だが、曲によってはポップ/ロック寄りの構成を取り入れています。
  • 聴きどころ:サビやフックの部分、ギターのサブメロディ。Trower の幅を知るのに適した一枚。

B.L.T.(Jack Bruce & Robin Trower & Bill Lordan)

なぜおすすめか:Jack Bruce(元Cream)の参加によりリズム感やベースラインが強化され、Trower のギターがよりダイナミックに映えるコラボ作。ブルース・ロックの幅を別角度から味わえます。

  • 音楽的特徴:リズム隊とギターの対話が前面に出た力作。ベースのフレーズが曲の表情を大きく左右します。
  • 聴きどころ:ギターとベースの掛け合い、ライブ感のある演奏。Trower のプレイがより生々しく感じられる点。

代表的ライブ盤(編集・音源により聴き比べを)

なぜおすすめか:スタジオ盤とは別の熱量と即興性が味わえるため、Trower の真価(フレーズの即興性やテンポでの表現)を確認するのに最適です。70年代のライブ盤は特にギター・トーンの迫力が違います。

  • 音楽的特徴:アレンジの拡張、ソロの長さや展開の自由度が高い。スタジオの完璧さではなく“現場の爆発力”が楽しめます。
  • 聴きどころ:ソロ展開の違い、テンポの揺れ、観客の反応が演奏に与える影響。

聴き方と楽しみ方の提案(音楽的視点)

  • 「間」を聴く:Trower はフレーズの合間の“間”を重要視します。速いフレーズだけでなく、1音を伸ばす、次のフレーズを待たせるといった表現に注目してください。
  • トーンの変化を追う:同じメロディでもトーン(歪み具合、空間系の効かせ方)を少しずつ変えることで表情を作ります。ギターの音色の変化に耳を向けると深い味わいがあります。
  • リズム隊との相互作用を見る:特に初期の作品は、ボーカルとリズム隊のグルーヴがギター表現を活かす設計になっています。ベースやドラムの動きに注目して聴くと、新たな側面が見えます。

どの盤を買うか(レコード選びの観点)

コレクションとしての価値や音の好みで選び方が変わりますが、基本的には「オリジナル・アナログ盤(1970sのオリジナル・プレス)」は当時の録音感、ダイナミクスが魅力です。一方で、リマスター再発はノイズが抑えられたり低域/高域が整理されて聴きやすくなっていることが多いので、リスニング用途なら再発も選択肢になります。

  • オリジナル盤の魅力:当時のミックスやアナログ機器特有の温度感。
  • 再発/リマスターの魅力:音のクリアさ、経年ノイズの少なさ、ボーナス・トラックや詳細なライナーノーツが付くことがある。

まとめ

Robin Trower はギターの「声」を大切にするアーティストで、静と動、空間の使い方に独自性があります。初めて触れるなら「Bridge of Sighs」は必聴。そこから「Twice Removed from Yesterday」「For Earth Below」「Long Misty Days」などで幅を感じ、B.L.T. やライブ盤で別の側面を補完すると、Trower の魅力が立体的に伝わります。

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参考文献