Santo & Johnny徹底解説:Sleep Walkを軸に聴く名盤と聴き方の完全ガイド
はじめに — Santo & Johnnyとは
Santo & Johnny(サント・アンド・ジョニー)は、兄弟デュオのSanto Farina(サント・ファリーナ)とJohnny Farina(ジョニー・ファリーナ)が中心となったインストゥルメンタル・ユニットです。1950年代末から1960年代にかけて、ハワイアン・スチールギター風のメロウなサウンドを軸に、ロマンティックで夢見心地な楽曲を数多く残しました。中でも代表曲「Sleep Walk」は世代を超えて愛される名曲で、彼らの名前を一躍世界に知らしめました。
Santo & Johnnyの音楽的特徴と聴きどころ
- スチールギターやスライド奏法を用いた哀愁漂うメロディライン。ハワイアン・テイストとアメリカン・ポップ/インストの融合が特徴。
- リラクシングで映画的な配列。ヴァイオリン的に歌うギターとシンプルなリズム隊の対比が効果的。
- 短めのインスト・トラックが中心で、BGM的に聴いても、深く耳を傾けても楽しめる構成。
- 多くのカヴァーやメディア使用が生まれるほど親和性が高く、ジャンル横断的な影響力を持つ。
おすすめレコード(厳選)
ここでは入手しやすさ、音質や楽曲の充実度、そして音楽史的な重要性の観点から特におすすめしたいレコードをピックアップします。新規リスナー向け、コレクター向け、それぞれに向く選択肢を挙げます。
「Sleep Walk」 7インチシングル(オリジナル・シングル、1959年)
- おすすめ理由:Santo & Johnnyを語る上で外せない単曲。オリジナル・シングルは歴史的価値が高く、オリジナル・テイクの雰囲気をそのまま伝えます。
- 聴きどころ:「Sleep Walk」の鋭くて伸びのあるスチールのメロディ。B面の曲も当時のデュオの作風を知るうえで貴重。
- 入手のヒント:初期盤はコレクターズアイテムになることがあるため、まずは再発7インチやコンピレーションで曲を確認してからオリジナルに手を伸ばすとよいです。
「Santo & Johnny」(セルフタイトル・アルバム、初期LP — 1960年代リリースのアルバム)
- おすすめ理由:代表曲を含むアルバムで、彼らの多彩なインスト手腕をアルバム単位で味わえます。シングルだけでは見えない楽曲の幅や配列感が楽しめます。
- 聴きどころ:アルバム全体の流れや、シングルとは違うアルバム向けのアレンジ。甘く切ないメロディが続くので一気に聴くと世界観に浸れます。
- 入手のヒント:オリジナルLPのほか、CD再発/リマスター盤やデジタル配信で音質やボーナストラックの有無を確認するとよいでしょう。
ベスト/コンピレーション盤(例:「The Best of Santo & Johnny」等)
- おすすめ理由:代表曲群を手早く網羅できるため、はじめて聴く人やプレイリスト作成には最適。複数レーベルから良質な編集盤が出ているので音源のまとまり方を比較して選ぶのがおすすめです。
- 聴きどころ:「Sleep Walk」以外にも隠れた佳曲が多数収録されていることが多く、通しで聴くと新たな魅力が見つかります。
- 入手のヒント:収録曲リストとリマスタリングの有無をチェック。曲の順序やバージョン違い(オリジナル・テイク/モノ/ステレオ)に注意。
シングル/レアトラック集(Complete Singles / Anthology)
- おすすめ理由:B面曲やシングルのみのバージョン、ヴァリアント・テイクを聴きたいコレクター向け。時期ごとの変遷や実験的な試みも追えます。
- 聴きどころ:アルバム未収録の曲や(region限定)シングルの別テイク。アーティストの地味だが重要な変化が見えることがあります。
近年の再発・リマスター盤(SundazedやRhinoなどの信頼できるレーベルによる編集盤)
- おすすめ理由:音質改善やオリジナル・ジャケット、ブックレットの充実といった点で現代的に聴きやすくまとめられています。オリジナルの雰囲気を保ちつつクリアな音で楽しめます。
- 聴きどころ:リマスターによって細部の音が浮き彫りになり、ギターのタッチや空気感がより伝わりやすくなります。
各レコードで注目すべき楽曲と聞きどころの解説
Sleep Walk — 楽曲の核となるスチールの旋律。イントロの余韻や転調部分の美しさは、インストの名曲としての普遍的な魅力があります。
その他の代表曲(例:Carolina Moon、All Night Diner 等) — シングルB面やアルバム曲の中にも、メロディ重視で印象に残る短い佳曲が多く、1曲ごとに情景が浮かぶ作りです。
アルバム収録トラックの流れ — アルバム通して聴くと、曲ごとの短い物語性や雰囲気の変化(夕暮れ→夜→夢のような静けさ)が感じられます。単曲で聴くよりもアルバムでの連続性を楽しんでください。
どの盤を買うか/聴くかの判断基準
- まずは「ベスト/コンピレーション」などで代表曲群を把握する。気に入ったらオリジナルLPや単曲シングル、リマスター盤に進むのが効率的です。
- 音質重視なら信頼できるレーベルによるリマスター盤を。コレクション重視ならオリジナルの7インチや初期プレスのLPを探す価値があります。
- 収録曲やバージョン(モノラル/ステレオ、シングル・テイク)が違うことがあるので、購入前にトラックリストを必ず確認しましょう。
影響とレガシー
Santo & Johnnyのサウンドは、60年代のインストゥルメンタル音楽やサーフ・インスト、後年のアンビエント風イージーリスニングにまで影響を与えました。「Sleep Walk」は映画やドラマ、CMなどで多用され、世代を超えてカバーが続いています。ミニマルでありながら情緒に訴えるその手法は、現代のリスナーにも十分通用します。
おすすめの聴き方・プレイリスト例
- 入門:ベスト盤(代表曲)→セルフタイトルLP(アルバム体験)→シングル/レア集(深掘り)
- テーマ別:夜のドライブ、雨の日、映画的BGMなどシーンに合わせて1〜2曲を差し込むと効果的です。
- 比較聴取:オリジナル盤とリマスター盤を聴き比べることで音色の違い、アレンジの細部が分かります(音楽的発見が得られます)。
まとめ
Santo & Johnnyは短いフレーズに強い情緒を込める名手たちです。まずは「Sleep Walk」を軸に代表曲を聴き、その後アルバムや編集盤で曲の幅を楽しむのがおすすめ。オリジナルの温度感を求めるか、音質や余白情報(ブックレット等)を重視するかで購入先が変わるため、目的に合わせて盤を選んでください。
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参考文献
- Santo & Johnny — Wikipedia(日本語)
- Santo & Johnny — Wikipedia(English)
- Santo & Johnny — AllMusic
- Santo & Johnny — Discogs(ディスコグラフィ情報)


