The Tremeloes コレクター必携:厳選6点のおすすめレコードと聴きどころ・再発・入手のコツ
はじめに
イギリスのポップ/ビート・グループ、The Tremeloes(トレメローズ)は1960年代から70年代にかけて、キャッチーなハーモニーとポップなアレンジで数多くのヒットを生みました。本コラムでは、これからコレクションを始める方や既に数枚持っている方に向けて、「買っておきたいおすすめレコード」をピックアップし、それぞれの聴きどころ、コレクター視点での選び方、現行で入手しやすい再発・編集盤などを深掘りして解説します。(レコードの再生・保管・メンテナンスに関する解説は含みません)
The Tremeloes を理解するための簡単な背景
The Tremeloes は初期にボーカリストのブライアン・プール(Brian Poole)を擁して活動し、そののち独立してグループとして成功を続けました。初期はR&B/ビート的なカバー曲やダンスナンバーを中心に活動し、後期は緻密なコーラスワークとポップ志向のアレンジで幅広いリスナーを獲得しました。彼らの代表曲はシングル中心に発表されていますので、シングル盤やベスト盤を中心に集めるのが満足度が高いです。
おすすめレコード(厳選6点)
「Do You Love Me」 7インチ(Brian Poole & The Tremeloes 名義)
バンド初期の大ヒットで、R&Bのカバーを彼らのエネルギーで鳴らした一枚。初期の生々しい演奏感と若々しいボーカルが魅力。コレクター視点ではオリジナルUKプレス(初回ラベル)を探す価値があります。初期のマーケットでの人気曲なので状態の良い盤は希少です。
「Here Comes My Baby」 シングル/収録盤(Tremeloes 名義、ポップ転向期の代表)
カバー楽曲をポップに再構築した例として知られる一曲。ハーモニーとアレンジの洗練度が増した時期の証拠で、バンドがボーカル編成を変えて以降の方向性を示す重要なトラックです。シングル盤のA面のサウンドバランスはアルバムよりダイレクトに楽しめます。
「Silence Is Golden」 シングル(後期の代表曲)
彼らの代表曲であり最大の商業的成功作の一つ。メロディの美しさとコーラスの密度が際立ち、60年代後半のブリティッシュ・ポップの典型的な音像が楽しめます。音圧やミックスの違いを聴き比べるため、オリジナルのアナログシングルと後年のステレオ再発盤の両方を確認するのがおすすめです。
「Even the Bad Times Are Good」 シングル/収録盤
ポップ・ナンバーとしての完成度が高く、歌メロとハーモニーが一体となって耳に残る楽曲。シングル中心のバンドの魅力がしっかり出ているため、シングル盤収集における“押さえどころ”の一つです。
「My Little Lady」 シングル(70年代ハーモニー・ポップの佳作)
70年代に入ってからのシングルで、よりメロウでポップな方向に舵を切った一曲。バンドの音楽的幅を感じさせるため、60年代のビート期と比較して聴くと違いが明確になり面白いです。
ベスト/編集盤(例:『The Very Best of The Tremeloes』『Silence Is Golden – The Best Of』等)
初めて聴く・集める人にとって最もコスパが良い選択。ヒット曲がコンパクトにまとまっているため、各時期のサウンドの違いを把握しやすいです。中古LPやCDで入手し、気に入った曲のオリジナル・シングルを買い足す流れが効率的。
各レコードの聴きどころ(曲別)
- Do You Love Me:シンプルなR&Bカバーですがテンションの高さが魅力。初期の荒削りなライブ感を味わえる。
- Here Comes My Baby:メロディの処理とコーラスの重なりが巧み。カバー曲を“自分たちの音”に変える手腕がわかる。
- Silence Is Golden:美しいメロディ・ラインと哀愁のコーラス。プロダクション面でもアレンジの幅を感じさせる名曲。
- Even the Bad Times Are Good:ポップ・バンドとしての最適解のような楽曲構成。明るく軽快なサウンド。
- My Little Lady:70年代的なポップ志向が色濃く出ており、バンドの成熟を感じさせるナンバー。
コレクター向け・プレスや選び方のポイント
- オリジナル盤を狙う場合、初出しの7インチ(ラベル表記・カタログ番号・マトリクス刻印)を確認するのが基本。初回プレスは音圧やEQの違いで魅力が変わることがあります。
- 英国内盤(UKプレス)はサウンド・マスタリングやラベル表記が独特なので、英国盤の音を好むコレクターが多いです。一方で米盤・欧州盤は別ミックスや別テイクが存在することもあるので、聴き比べも楽しめます。
- シングル中心のバンドなので、ベスト盤だけで満足せずシングルA面/B面を個別に集めると、思わぬ良曲(B面)に出会えることがあります。
- 状態(VG+/EX以上)とジャケット評価は中古市場での価格に直結します。プレイ用か観賞用かで許容できる状態を分けて探しましょう。
再発・編集盤の選び方
近年はコンピレーションやCD再発、デジタル・リマスター盤などが流通しています。音質を重視する場合は、当時のマスターから丁寧にリマスターされた盤を選ぶと良いでしょう。ボーナストラック付き編集盤は、未収録曲や別テイクが含まれることがあり、コレクターにとって魅力的です。ただし、リマスターの方向(リミックス/EQの差)は盤ごとに異なるため、レビューや音源サンプルを確認してから購入することをおすすめします。
予算と入手の実戦的なコツ
- 初心者はまずベスト盤や廉価再発CDで音楽性を確認。その後、気に入ったシングルを1~2枚ずつオリジナル盤で集めるのが効率的。
- 国内外のオンラインマーケット(Discogs、eBay、国内中古レコード店の通販)で相場を確認。特にオリジナル盤はプレス状態やラベル差で価格が大きく変わります。
- 中古レコード店では店頭で視聴できることも多いので、近隣の専門店を覗くのも良い方法。時に掘り出し物が見つかります。
聴き比べの楽しみ方
The Tremeloes は時期によってサウンドが大きく変化するため、初期のR&B/ビート期〜後期のポップ期を並べて聴くと「同じバンドなのにこんなに違う」という発見があります。シングルのA面/B面を並べる、オリジナル盤と再発盤を聴き比べる、といった楽しみ方がコレクションの満足度を高めます。
まとめ
The Tremeloes はシングル主導で多くの名曲を残したバンドです。まずは代表曲のシングル(Do You Love Me / Here Comes My Baby / Silence Is Golden 等)と信頼できる編集盤を押さえ、その後でオリジナル盤や別プレスの違いを追いかけると、音楽的発見とコレクターとしての楽しみが両立します。音楽性はポップで親しみやすく、コーラスやアレンジの妙をじっくり味わえるグループです。
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参考文献
- The Tremeloes — Wikipedia
- The Tremeloes — Discogs(ディスコグラフィ)
- The Tremeloes — AllMusic(バイオ・レビュー)
- The Tremeloes — 45cat(シングル・カタログ)


