Def Leppardのレコード完全ガイド:初心者からコレクターまで押さえる代表作と聴きどころ
イントロダクション
Def Leppard(デフ・レパード)は、1970〜80年代の英国ヘヴィ/ハードロックを出発点に、メロディ重視のアリーナ・ロックへと進化したバンドです。卓越したメロディ、分厚いコーラスワーク、スタジアムサイズのリフとプロダクションで世界的成功を収め、アナログ・レコードでコレクションする価値の高い作品がそろっています。本コラムでは、初心者からコレクターまで押さえておきたい“おすすめレコード”をピックアップし、各アルバムの聴きどころ・背景・購入時のポイントを詳しく解説します(注:再生・保管・メンテナンスの解説は含みません)。
まず押さえるべき代表作(クイックリスト)
- Hysteria(1987) — キャリアの頂点。名曲群と究極のプロダクション。
- Pyromania(1983) — ブレイク作。アリーナ・ロックへの転換点。
- High 'n' Dry(1981) — ラフさとメロディの両立、Mutt Langeとの接点の始まり。
- On Through the Night(1980) — 初期のエネルギーとNWOBHM色。
- Adrenalize(1992) — 変化の時代を経た商業的成功作。
- Vault: Def Leppard Greatest Hits (1980–1995)(1995) — 初めての入門用として最適なベスト盤。
- Slang(1996)・Euphoria(1999) — 実験的/復古的要素を示す重要作(好みに応じて)。
Hysteria(1987) — 80年代ロックの金字塔
概要:7年におよぶ制作期間と大規模なプロダクションの結晶。ポップ性とロックの両立を極めたアルバムで、世界的大ヒットになりました。
- 代表曲:Pour Some Sugar on Me、Love Bites、Armageddon It、Animal、Rocket
- 聴きどころ:層状のコーラス・ハーモニー、緻密なアレンジ、印象的なシンセとギターの融合。叙情的なバラードからアリーナ向けアンセムまで幅広い。
- 背景:ドラマーRick Allenの事故(片腕を失う)があった後の作品であり、復帰と再出発のシンボル的要素も強い。大規模なマルチトラック・レコーディングとプロダクション技術が光る。
- 購入ポイント:オリジナルの80年代プレスはコレクター価値が高い一方、近年のリマスター/デラックス盤はアウトテイクやデモが多く収録されるため“聴き込み派”におすすめ。
Pyromania(1983) — ブレイクスルーの瞬間
概要:商業的に大成功を収め、Def Leppardを世界的バンドに押し上げた作品。シングルヒットの量産と洗練されたプロダクションが特徴です。
- 代表曲:Photograph、Rock of Ages、Foolin'
- 聴きどころ:キャッチーなギターリフと分厚いコーラス。プロデューサーとのコラボレーションにより、よりラジオ向けで分かりやすいサウンドへ変化。
- 背景:MTV世代の到来とも合致し、バンドの露出が一気に増大。アリーナ・ロック的アプローチを確立した作品。
- 購入ポイント:シングルカットで人気の曲が多いので、アルバム全体の流れを楽しめるLPは初心者にもおすすめ。初期プレスとリマスターでサウンドの印象が変わることがある。
High 'n' Dry(1981) — 端正なハードロックとタフなメロディ
概要:初期の荒々しさとメロディアスな路線が混在する作品。バンドの方向性が定まり始めた重要作です。
- 代表曲:Bringin' On the Heartbreak、Let It Go
- 聴きどころ:生々しいギター・トーンと若さあふれるエネルギー。後の大作へつながる基盤が見える。
- 背景:この時期からプロデューサーやサウンド面での実験・進化が始まり、次作以降のスタイル確立に寄与。
- 購入ポイント:初期の英国/米国プレスはコレクターに人気。ジャケットやラベルのバリエーションを確認すると面白い発見があります。
On Through the Night(1980) — デビューの勢い
概要:NWOBHM(ニュー・ウェイヴ・オブ・ブリティッシュ・ヘヴィ・メタル)の影響を残すデビュー作。荒削りながらも楽曲センスが光ります。
- 代表曲:Wasted、Hello America など
- 聴きどころ:若さと直線的なロック魂。後年のメロディ志向との違いを楽しむことができる。
- 購入ポイント:デビュー盤はコレクションとしての価値が上がる傾向があるため、状態のよいオリジナル盤は注目です。
Adrenalize(1992) — 喪失を乗り越えた商業的成功
概要:ギタリストSteve Clarkの死を経て制作された作品。商業的には大きな成功を収めました。
- 代表曲:Let's Get Rocked、Have You Ever Needed Someone So Bad
- 聴きどころ:90年代初頭の産物として、80年代のサウンドを引き継ぎつつもよりシンプルでダイレクトな楽曲が並ぶ。
- 購入ポイント:当時のCD中心時代にリリースされたため、アナログ盤は比較的入手しやすく状況に応じて買い求めやすい。
Vault: Def Leppard Greatest Hits (1980–1995)(1995) — 入門盤として最適
概要:代表曲を網羅したベスト盤。初めてDef Leppardに触れる人にとって最短で“良さ”を掴める一枚です。
- 聴きどころ:ヒット曲だけを連続で楽しめるため、レコードでの視聴体験としても満足度が高い。
- 購入ポイント:複数プレスが存在するので、ジャケット仕様やボーナス曲の有無をチェックすると良いでしょう。
Slang(1996)・Euphoria(1999) — 実験と回帰
概要:90年代の混乱を受けて音楽性を模索した「Slang」と、よりポップ/メロディ志向に戻った「Euphoria」。どちらもバンドの多面性を示す重要作です。
- 聴きどころ:Slangはダークでオルタナ的な要素が強く、Euphoriaは再びアリーナ向けのメロディを強化。好みによって評価が分かれるが、両作とも聴き応えあり。
- 購入ポイント:90年代以降のリリースはプレス数が多く価格も比較的安定しているため、気軽に試せます。
レコード購入時の実務的ポイント(メンテ以外)
- オリジナル盤 vs リイシュー:コレクター性や投資性を重視するなら初期プレス、音質やボーナストラック重視なら近年のリマスター/デラックスを選ぶとよい。
- プレス国・レーベル:英国(Bludgeon Riffola など)や米国(Mercury 等)のプレスでプレス音やラベルデザインが異なるため、表記を確認して好みの版を選ぶ。
- デラックス盤の魅力:HysteriaやPyromaniaなどはデラックス盤でデモ・リハーサル・リミックスが付属することが多く、バンドの制作過程を知るのに有益。
- 状態のチェック:中古市場で購入する際はジャケット/インナースリーブの有無や盤面の状態(キズの有無)を確認。※メンテナンス方法そのものの解説は割愛します。
- 価格帯の目安:代表作は需要が高く相応に価格も上がりやすい。複数の出品を比較して相場感をつかむと安心です。
聴きどころ別のおすすめ順(目的別)
- 「代表曲だけ一気に」…Vault(ベスト盤)→Hysteria→Pyromania
- 「制作過程・コレクション重視」…Hysteria(デラックス)→Pyromania(初期プレスorデラックス)
- 「バンドの変遷を俯瞰」…On Through the Night→High 'n' Dry→Pyromania→Hysteria→Adrenalize→Slang/Euphoria
まとめ:どのレコードから始めるべきか
初めてDef Leppardをレコードで聴くなら、まずはHysteriaかVaultをおすすめします。Hysteriaはバンドのサウンドが最も濃縮されており、Vaultは名曲を手っ取り早く押さえられます。コレクション性を重視するなら初期プレスや各アルバムのデラックス盤を狙うと発見が多く、ファンとしての理解も深まります。
エバープレイの中古レコード通販ショップ
エバープレイでは中古レコードのオンライン販売を行っております。
是非一度ご覧ください。

また、レコードの宅配買取も行っております。
ダンボールにレコードを詰めて宅配業者を待つだけで簡単にレコードが売れちゃいます。
是非ご利用ください。
https://everplay.jp/delivery
参考文献
- Def Leppard 公式サイト
- Def Leppard - Wikipedia
- Hysteria - Wikipedia
- Pyromania - Wikipedia
- Def Leppard - AllMusic
- Rolling Stone(アルバム評検索)


