Slade(スレイド)徹底解説:グラム・ロック時代を彩る代表曲とライブの魅力
Slade — 概要と出自
Slade(スレイド)は1960年代末から1970年代にかけて英国を中心に絶大な人気を誇ったロック・バンドです。代表的なラインナップはボーカル/ギターのノッディ・ホルダー(Noddy Holder)、リードギターのデイヴ・ヒル(Dave Hill)、ベース/バイオリン/キーボードのジム・リア(Jim Lea)、ドラムのドン・パウエル(Don Powell)。グラム・ロック期に派手な衣装と力強いステージングで注目を集め、シンプルでパンチの効いた"ファン参加型"の楽曲で幅広い層に支持されました。
音楽的特徴と作曲スタイル
シンプルで記憶に残るメロディ:多数のヒットは、分かりやすいメロディと短いフレーズで構成され、観客がすぐに歌えるコーラスを持ちます。
踏み鳴らしと掛け声:手拍子やフットスタンプ、掛け声を効果的に取り入れた「参加型」アレンジが多く、ライブでの一体感を生みます。
ノッディの声質:ノッディ・ホルダーのハスキーでパンチのあるボーカルはスレイドのトレードマークで、楽曲の説得力を高めます。
ジム・リアの多才さ:ベースに加えてバイオリンやキーボード、アレンジ面でも中心的役割を果たし、単純なロック・フォーミュラの中に巧みな色付けを行いました。
言葉遊びと表記:タイトルで意図的に綴りを崩す(例:"Cum On Feel the Noize")など、親しみやすさとキャッチーさを狙った表現が特徴です。
代表曲と名盤(解説付き)
"Coz I Luv You"(1971) — 初期の大ヒット。バラード寄りながらノッディの表現力が光る楽曲で、ポップ性とロック的な素朴さが同居します。
"Mama Weer All Crazee Now"(1972) — 大合唱を誘うシンプルなリフとフックが魅力。スタジアムやパブでの熱狂を想起させるアンセムです。
"Gudbuy T'Jane"(1972) — ロックンロール的なノリを前面に出した一曲で、ボーカルとコーラスの掛け合いが痛快。
"Cum On Feel the Noize"(1973) — スレイドの代表曲のひとつ。シンプルだが極めてキャッチーなサビで国民的ヒットとなり、後にクワイエット・ライオットによるカバーで米国でも注目されました。
"Far Far Away"(1974) — メロディアスで温かみのある曲。ロックのダイナミズムとメロウな情感が調和しています。
名盤:"Slade Alive!"(1972) — ライブアルバムで、バンドのパワーと観客との一体感をそのまま捉えた重要作。スレイドのライブの魅力がよく分かります。
名盤:"Slayed?"(1972) — スタジオでの攻撃的なエネルギーとポップな感性が同居したアルバムで、1970年代初頭のスレイドを象徴する一枚です。
"Slade in Flame"(1974) — 同名映画のサウンドトラック的作品で、商業的なヒット路線だけでない深みを見せたアルバム。バンドの表現力の幅を示しています。
ライブの魅力とパフォーマンス
スレイドのライブは「参加」を核にしています。ノッディの煽りに続くコーラス、シンプルなリフとリズムによる即効性、そしてデイヴ・ヒルの視覚的に印象的なギター/ファッション(プラットフォームブーツや派手な衣装)は観客を巻き込む力がありました。ライブアルバムや当時の映像からも、観衆とバンドの距離が極めて近いことが読み取れます。
文化的影響とその後の評価
グラム・ロックの一翼:派手なビジュアルとポップな音楽性で70年代のグラム・ロック・シーンに強い存在感を残しました。
パブロック/ヘヴィの橋渡し:単純明快なリフと強烈なリズム感は、パンクやハードロック/ヘヴィメタルの聴衆にも訴求する要素を持ち、後進のバンドに影響を与えました。
国際的な影響:特に"Cum On Feel the Noize"のカバーが米国で成功したことにより、スレイドの楽曲が別ルートで広く知られることになりました。
評価の再評価:初期は商業的成功が中心でしたが、後年になってアルバムや映画の芸術的価値、ライブの重要性が再評価されています。
魅力の核心:なぜ今でも聴かれるのか
スレイドの楽曲は「すぐに歌えて、すぐに盛り上がる」作りになっているため、世代を越えて人々の共感を得やすいです。音楽的に難解である必要はなく、エネルギーと共同体験(参加する楽しさ)を直接的に提供する点が普遍的な魅力となっています。また、ノッディ・ホルダーの個性的な声やバンド全体のユニークなキャラクターが、単なる流行歌以上の印象を残します。
聴きどころ/初めて聴く人へのガイド
「まずはヒット曲を」 — "Cum On Feel the Noize"、"Mama Weer All Crazee Now"、"Far Far Away"など、代表曲でバンドのエネルギーを掴みましょう。
「ライブ盤で迫力を体感」 — 'Slade Alive!' は演奏力と観客の熱気を伝えるので入門に最適です。
「映画とアルバムで深掘り」 — 'Slade in Flame' はバンドの表現の広がりを理解するのに役立ちます。
批評的視点—弱点や誤解されがちな点
シンプルさゆえの軽視:シンプルでストレートな楽曲構成は一部の評論家から「単純すぎる」と評されることがありますが、それは意図的な表現手法でもあります。
イメージ先行の評価:派手なビジュアルが注目されがちで、音楽的な技術やアレンジの妙が見落とされることがあります。
現代への継承とおすすめの聴き方
スレイドの音楽は、パーティー向け、ライブ演奏、カラオケ的な楽しみ方に非常によく合います。ロックの基礎的快感(大声で歌える、足で踏める、みんなで合唱する)を求めるなら今でも有効です。また、音楽史的にはグラムからパンク/ヘヴィへ至る過程を考える際の重要なピースとしても聴く価値があります。
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