Lou Donaldsonの名盤徹底ガイド:ハードバップからソウルジャズまで、おすすめレコードとコレクションの極意
はじめに — Lou Donaldsonとは何者か
Lou Donaldson(ルー・ドナルドソン)はアメリカのアルト・サックス奏者で、ハードバップからソウル・ジャズ(いわゆる“ブルーズ・ジャズ/ボガロウ”)までを自在に行き来した名手です。ブルース感の強いメロディと歌うようなフレージング、グルーヴ志向のレパートリーで知られ、特に1960年代のブルーノート期に多数の名作を残しました。本コラムでは「レコードとして手元に置きたくなる」おすすめ作品を中心に、各盤の聴きどころ、選ぶ際のポイント、コレクター目線の注意点(盤の希少性やおすすめプレスなど)を深掘りして解説します。
おすすめレコード(概観)
以下は音楽的な重要性・代表性・入手価値のバランスで選んだ Lou Donaldson の傑作群です。スタイルの変化(ハードバップ→ソウルジャズ)を追えば、彼の長年にわたる音楽性の幅がよくわかります。
Blues Walk(代表作|ハードバップ色が濃い一枚)
聴きどころ:タイトル曲「Blues Walk」はシンプルな12小節ブルースのテーマが印象的で、ドナルドソンの歌うようなフレーズと伸びやかなアルトが堪能できます。全体としてメロディ重視の構成で、ハードバップ期の彼の魅力が詰まっています。
なぜおすすめか:演奏の明快さと歌心、ブルース感のバランスが良く、ジャズ入門者にも響きやすい名盤です。初期ブルーノート期〜プレスティッジ期の流れを掴むのにも適しています。
選び方のヒント:オリジナル盤はコレクターズ・アイテムになりやすい一方、Blue NoteのRVG(Rudy Van Gelder)リマスターや公式再発も音質面で安心して楽しめます。
Here ’Tis(ハードバップ→ソウルジャズへの橋渡し)
聴きどころ:演奏のテンションとグルーヴの始まりを感じる作品で、ブルース・フィーリングを土台にしつつリズム感の強いナンバーが並びます。ソロの歌心やレスポンスの妙を味わってください。
なぜおすすめか:ドナルドソンがハードバップの語法を保ちながら、よりR&Bやダンス・グルーヴへ接近していく過程を聴ける点が面白いです。後のソウルジャズ期を理解するための重要な一枚。
選び方のヒント:オリジナルLPは良好なコンディションで高値になることがあります。音質重視ならRVG系の再発を選ぶのが無難です。
The Natural Soul(ソウルジャズ期の代表例)
聴きどころ:よりグルーヴ重視、オーガニックでウォームな演奏が特徴。ブルースを基調にしたテーマが多く、演奏も“歌う”ことを第一にしているので親しみやすさがあります。
なぜおすすめか:ソウルジャズの良さ(リズムの身体性、キャッチーなメロディ、即興の会話性)を純度高く楽しめること。ダンスリズムに近い曲もあり、聴いていて自然と体が動きます。
選び方のヒント:オリジナルのBlue Note盤はプレスや年代で音の質感が異なります。深いサウンドを求めるなら、モノラル盤やVan Gelderの古いマスターを好むコレクターも多いです。
Alligator Bogaloo(商業的成功/代表的なソウルジャズ曲)
聴きどころ:タイトル曲「Alligator Bogaloo」はキャッチーでリズミカルな一曲。ソウル、R&Bの要素を大胆に取り込み、ジャズの枠を超えた“グルーヴ”を打ち出したため、幅広いリスナーに届きました。
なぜおすすめか:Lou Donaldson を“レコード棚に必ず置くべきアーティスト”にした一枚。クラブやDJシーンでサンプリング/プレイされやすいファン・フレンドリーなトラックが多く、ジャズ好き以外にも刺さります。
選び方のヒント:シングル・カットされた曲があればそちらもチェック。オリジナルLPのアナログらしい質感は中古市場で人気が高いです。
Good Gracious! / Gravy Train(評価の高い60年代中盤の仕事)
聴きどころ:よりファンキーでビート感の強い演奏が目立つ時期の作品群。短めのテーマとインパクト重視のソロが続くなど、聴きやすさを重視した構成が多いです。
なぜおすすめか:ダンス的なノリを保ちつつも即興演奏の魅力が失われていない点が評価できます。ジャズ・クラブのライヴ感をレコードで味わいたいときに向きます。
選び方のヒント:60年代のBlue Note録音は複数のプレスが存在するため、盤による音の違いが出ます。コレクション目的ならオリジナル盤、実用的に聴くなら良好な再発盤を。
購入・コレクション時の実用的な視点
オリジナル盤の魅力:ジャケットのアートワークや当時のマスターの音色はオリジナルにしかない魅力があります。ただしコンディション相場は上がっているので予算との相談が必要です。
再発・RVGリマスター:Blue NoteのRVGシリーズや公式再発は音質面で安定しており、特にモダンなオーディオ環境で聴くならお勧めです。音の「鮮度」や低域の安定感が向上している場合が多いです。
盤の状態と価格:盤質(VG, VG+, Mの判定)・ジャケットの保存状態が価格を左右します。ジャケットの破れや書き込みはコレクション価値を下げますので、購入前に写真や説明をよく確認してください。
選盤の優先順位:①音質(盤質・マスター)、②ジャケットの保存、③プレスのバリエーション(初版/再発)を基準に考えると良いでしょう。
聴き方のコツ(音楽的な楽しみ方)
フレーズを“歌”として追う:Louのアルトはボーカル的なので、まずはメロディやフレーズの“歌い回し”に耳を向けると彼の個性がよくわかります。
ブルース感の変化を味わう:初期のハードバップ的なブルース解釈と、のちのソウルジャズ的なグルーヴ重視のブルース感の違いを比較してみてください。
ソロの構造を見る:短いテーマ→掛け合い→ソロ展開の構造が明快なので、リズムセクションとの対話(呼吸)を意識して聴くと面白い発見があります。
最後に — どの一枚から始めるか
入門向けに一枚挙げるなら「Blues Walk」(あるいはBlue Note期のベスト盤)が最適です。よりグルーヴとダンス性を楽しみたいなら「Alligator Bogaloo」を。収集を楽しむならオリジナル・プレスとRVG再発の両方を聴き比べるのも一興です。
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