Brass Construction(ブラス・コンストラクション)— ブルックリン発のホーン重視ファンク/ディスコの名盤と影響
Brass Construction — プロフィール
Brass Construction(ブラス・コンストラクション)は、1970年代を中心に活動したアメリカのファンク/ディスコ・バンドです。ブルックリン出身で、フルホーンを前面に押し出した力強いブラス・アレンジと、ダンサブルなリズムセクションを特徴としています。バンドの実質的なリーダーであるRandy Mullerがアレンジや作曲の中核を担い、クラブシーンから一般チャートまで幅広く支持されました。
結成と経歴(概略)
- 1970年代にニューヨーク(ブルックリン)で活動を開始。複数の管楽器奏者、リズム隊、パーカッションを含む編成で、ステージ演奏において強い存在感を放ちました。
- 1975年のデビュー作(セルフタイトルのアルバム)からヒット曲を輩出し、クラブやディスコでの定番レパートリーとなっていきます。
- その後も複数のアルバムとシングルをリリースし、1970年代後半のファンク/ディスコ・ムーブメントにおける重要なグループの一つとして評価されます。
音楽的特徴と魅力
Brass Constructionの魅力は、シンプルなモチーフを徹底的に反復することで生まれる強烈なグルーヴと、ブラス(ホーン)群によるダイナミックなアレンジにあります。以下が主な特徴です。
- 反復されるリフ(フレーズ)を中心にビルドアップしていく構成:一見単純なモチーフが、アレンジやリズムの変化でどんどん深化していきます。
- ホーン・セクションの多彩な表現:トランペット、トロンボーン、サックス等がリズム楽器と同等にリードを取ることで、厚みとパンチが生まれます。
- パーカッションとエネルギッシュなリズム:コンガやパーカッションが加わることでラテン的な躍動感も含んだ多層的なビートが形成されます。
- ボーカルの使い方:コール&レスポンスやグループ・ボーカルを効果的に用い、ダンスフロア向けの一体感を演出します。
- 長尺のダンス・トラック:アルバム・ヴァージョンでは曲をゆったり伸ばし、即興的な演奏や展開を楽しめる構成が多いです。
代表曲と名盤(試聴のおすすめ)
Brass Constructionの作品はシングル・エディットとアルバム・ヴァージョンで印象が大きく異なることが多く、どちらも味わうのが薦められます。以下は入門に適した代表的な曲・アルバムです。
- 「Movin'」 — デビュー・アルバムからの代表曲。クラブ・フレンドリーなイントロから伸びるグルーヴが特徴で、バンドの名を広く知らしめたナンバー。
- 「Changin'」や「Ha Cha Cha (Funk)」などのシングル群 — ダンス向けの強い推進力とホーンの切れ味が光ります。
- アルバム「Brass Construction」(デビュー作) — バンドの世界観を一度に体感できる一枚。アルバム版の長尺トラックでじっくり聴くと、リズムの変化やホーンのアンサンブルの妙がわかります。
- 続く「Brass Construction II / III」などのアルバム群 — 初期の成功を受けてさらにアレンジの幅を広げた作品群。ダンスミュージックとしてだけでなく、アンサンブルの面白さを聴ける作品が揃っています。
なぜ今聴くべきか — 影響と現代的価値
Brass Constructionのサウンドは単なる「古いファンク」ではなく、現代のクラブ・ミュージックやサンプリング文化にも影響を与えています。以下がその理由です。
- グルーヴの普遍性:時代を超えて身体に訴えかけるリズムは、ダンスミュージックの根幹として今も有効です。
- サンプリングソースとしての価値:ホーンのフレーズやブレイクはヒップホップ/エレクトロニックのプロデューサーにとって魅力的な素材になっています。
- ライブ志向のサウンド設計:演奏中心のアンサンブルは、バンド音楽やジャズ・ファンクを好むリスナーにも刺さります。
- 再解釈の余地:今日のプロダクション技術やリミックス文化によって、古い音源が新しい文脈で再生されやすい点も魅力です。
聴きどころと楽しみ方(ガイド)
- シングル・エディットとアルバム・エディットを聴き比べる:短く切ったシングルはダンスフロア直結、アルバム版は展開とアンサンブルの妙を味わえます。
- ホーン・アレンジに注目する:単にメロディを追うのではなく、ホーン同士の掛け合いやリフの変化を追うと面白さが増します。
- リズムの“ズレ”やループ感を体感する:反復の中で起きる微妙な変化が曲をドラマティックにします。ヘッドフォンで低域やパーカッションを意識して聴くのも効果的です。
- 他アーティストとの比較で楽しむ:同時代のファンク/ディスコ系アーティスト(例:Kool & The Gang、Parliament-Funkadelicなど)と比べると、Brass Constructionの“ブラス志向”がより際立ちます。
ブラス・コンストラクションのレガシー
Brass Constructionは、一過性のディスコ・ムーブメントの中にあっても、バンドとしての演奏力とアレンジ力で独自の位置を築きました。シンプルなフレーズから最大の効果を引き出す手腕、ホーンとリズムの一体感は多くのミュージシャンやプロデューサーにインスピレーションを与え続けています。
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参考文献
- Brass Construction — Wikipedia
- Brass Construction — AllMusic
- Brass Construction — Discogs
- Brass Construction — WhoSampled(サンプリング/被サンプリング情報)


