The Ikettesの概要と聴きどころ:60年代Ike & Tina Turner Revueを支えたバックコーラスの名盤ガイド
The Ikettes — 概要
The Ikettes(アイケッツ)は、1960年代にIke & Tina Turner Revueのバック・シンガー/ダンサーとして知られた女性コーラス・グループです。コーラスワークとダイナミックなステージングで観客を魅了し、単独名義でのシングルでもヒットを出しました。メンバーは時期によって入れ替わりが激しく、初期の代表的ラインナップにはロビー・モンゴメリー(Robbie Montgomery)、ヴェネッタ・フィールズ(Venetta Fields)、ジェシー・スミス(Jessie Smith)といった歌姫たちが含まれます。
おすすめレコード(概要と聴きどころ)
以下は「The Ikettes」を深く知るためのおすすめ音源です。シングル中心の活動だったため、オリジナル45回転盤は音質・熱量ともに魅力的ですが、近年はコンピレーションやライブ盤でまとまった音源が入手しやすくなっています。
“I’m Blue (The Gong-Gong Song)”(シングル、1961年ごろ)
Ikettesを代表する初期のナンバー。生々しいR&B感とコール&レスポンス、ヘヴィーなグルーヴが特徴で、Revue内でも単独シングルとしても広く知られました。Ike Turnerのプロデュース色が強く出ているので、当時のソウル/リズム・アンド・ブルースの文脈を理解するうえで必聴です。
ミッド〜後期のシングル群(例:ポップ寄り/ソウル寄りの作品)
時期によってサウンドは変化します。初期の生々しいR&Bから、60年代中盤以降はよりポップなアレンジやダンス・チューンも取り入れられ、シングルごとに趣が変わるのが面白い点です。単発シングルを追うことで、Revue全体の音楽変遷やIkeのプロデュース手法の変化も見えてきます。
Ike & Tina Turner のライブ盤(Revueの記録として)
Ike & Tina Turner名義のライブ・アルバムやライヴ録音には、Ikettesのハーモニーやダンスが前面に出たパフォーマンスが多数収録されています。単独シングルだけでは伝わりにくいステージ感、MCや編成のバランス、コーラスの配置感を体感するのに最適です。Revueとしての熱量を味わいたいならまず手に取ってほしい音源です。
コンピレーション(“The Best of…” や 1960s R&Bコンピ)
オリジナルのシングル盤は価値が上がっていることも多く、いきなり高額なオリジナルを追うよりも、信頼できるコンピCD/デジタル編集盤で音源を一通り聴くのが効率的です。コンピにはレアなB面や未発表トラックをまとめたものもあるので、網羅的に音楽性を掴むのに便利です。
各レコードを深掘り:聴くポイントと背景
ボーカル・アレンジの観察 — Ikettesはソロのリードとコーラスの切り分けが明確で、一人の突出したソロを支える“応答”パートに注目するとアンサンブルの緻密さがわかります。初期の録音では粗削りな力強さ、中期以降はコーラスの洗練が進みます。
プロデュースと録音の特徴 — 多くはIke Turnerのプロデュースの下に録音され、リズム重視のアレンジ、ブラスやピアノの刻み、歯切れのいいバックビートが特徴です。楽器隊とコーラスの「押し引き」がグルーヴの要なので、低域と中域のバランスが良い音源で聴くと違いがわかります。
ライヴでの役割を比較する — スタジオ録音とライヴではコーラスの配置やソロの長さが異なります。ライヴ音源でのダンス要素・掛け合い・即興のアドリブは、Ikettesのパフォーマンス力を理解するうえで重要です。
ラインナップ別の色味 — メンバー交代が多かったため、時期ごとに声質やハーモニーの特性が変わります。特にロビー・モンゴメリー、ヴェネッタ・フィールズ、ジェシー・スミス在籍期は“クラシック”とされるサウンドが味わえます。
コレクター向けの実用アドバイス(入手と聴き方)
まずは信頼できるコンピレーションやストリーミングで基本を把握する。その後、気に入った曲のオリジナル・シングルを探すと良い流れです。
盤を探す際は、リリース年・レーベル・マトリクス刻印(刻印番号)を確認すると同一盤の真贋やプレス違いの見分けに役立ちます。レア盤は経年で高価になっている場合があるので、状態(VG+/NMなど)と価格を比較しましょう。
ライブ盤やIke & TinaのボックスセットにはIkettesの重要トラックや未発表録音が含まれることがあるため、リリース内容をよく確認してから購入するのがおすすめです。
聴く順番の提案
1) 代表シングル(“I’m Blue (The Gong-Gong Song)”等)で導入 — Ikettesの基本の“音”とパワーを把握。
2) Ike & Tina Turnerのライブ盤でRevue内での立ち位置を確認 — 実際のパフォーマンスの迫力を体感。
3) コンピレーションで時期別に聴き比べ — メンバー交代やプロデュースの変遷を追う。
まとめ
The Ikettesは単なるバックコーラス以上の存在で、ステージの“顔”としてもRevueの重要な柱でした。スタジオ録音のR&B的な強度、ライブでの爆発力、そして時代とともに変化するボーカル・アンサンブルの移ろい──これらをたどることで60年代のアメリカンR&B/ソウル・シーンの生きた姿が見えてきます。まずは代表シングルとライブ音源、良質なコンピレーションで基礎を固め、その後好みの時期のオリジナル盤を追いかけるのがおすすめです。
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参考文献
- The Ikettes — Wikipedia
- The Ikettes — Discogs(ディスコグラフィ検索)
- Ike & Tina Turner — Rock & Roll Hall of Fame
- The Ikettes — AllMusic(アーティスト概要とディスコグラフィ)


