Maze featuring Frankie Beverlyの聴き方ガイド—Joy and PainからLive in New Orleansまでの徹底解説
Maze(Featuring Frankie Beverly) — イントロダクション
Maze(一般には「Maze featuring Frankie Beverly」と表記されることが多い)は、1970年代後半から1980年代にかけてアメリカのR&B/スムーズソウルを代表するバンドの一つです。リードのフランキー・ベヴァリー(Frankie Beverly)の温かく説得力のあるボーカルと、バンド全体によるタイトでありながら伸びやかなグルーヴ、長尺でドラマ性のあるアレンジが特徴です。ダンスフロアでもゆったりしたカップル向けの場面でも映える「スローで濃密なR&B」を求めるリスナーにとって、Mazeのレコードはマストアイテムです。
おすすめレコード(名盤を深掘り)
Maze (デビュー作)
ポイント:
- バンドの原点が詰まった1枚。初期のソウル/ファンク志向とフランキーの歌唱スタイルが確立される過程を聴けます。
- 楽曲はメロウでありつつもスピリチュアルな要素やコーラスワークが光り、後の作品につながるモードが見えてくる作品です。
注目トラック(代表的にチェックしたい曲):
- 「Happy Feelin's」 — グルーヴの出し方、コーラスの重なりが印象的なトラック。
- バンドの雰囲気を伝えるアルバム・トラック群 — 長尺の展開やイントロの引き方に注目。
Golden Time of Day
ポイント:
- 「Golden Time of Day」「Southern Girl」など、代表曲を多く含む転機的なアルバム。メロウでありながらシンプルに耳に残るフックが増えます。
- 楽器アンサンブルの洗練度が上がり、バンドとしてのチームワークがより明確になります。アレンジ面での余裕が音像に反映されています。
注目トラック:
- 「Golden Time of Day」 — タイトル曲。ゆったりした導入から盛り上がる構築が魅力。
- 「Southern Girl」 — メロディとリズムのバランスが良く、ライブでも盛り上がる定番曲。
Inspiration
ポイント:
- バンドのソウルフルな側面が強調され、より歌とグルーヴへのフォーカスが進んだ作品。静かなパートと熱量のあるパートの対比が美しいです。
- フランキーのボーカル表現がさらに深まり、リスナーに訴えかける“語りかける”ような歌い回しが目立ちます。
注目点:
- ミディアム〜スローのナンバーが多く、夜のドライブや深夜のリスニングに最適。
- コーラスやブラスの使い方に注目すると、編曲の妙がよく分かります。
Joy and Pain
ポイント:
- バンドの代表作の一つで、タイトル曲「Joy and Pain」はMazeのシンボル的ナンバーです。エモーショナルでダイナミックな歌唱と、リズムセクションの粘り強さが同居します。
- このアルバムを通して、歌詞のメッセージ性(人生の光と影、喜びと苦しみの共存)がより前面に出てきます。
注目トラック:
- 「Joy and Pain」 — 感情の起伏をダイナミックに表現する名曲。バンドの代名詞的存在です。
- アルバム中のバラードやミディアムも高品質で、アルバム通しての流れを楽しめます。
Live in New Orleans(ライヴ盤)
ポイント:
- Mazeのライブは彼らの魅力が最もよく現れる場です。スタジオ録音よりも長尺で展開がゆったりし、観客との一体感やインプロヴィゼーションが楽しめます。
- 名曲の別テイク、ライヴならではの間やソロの伸びは、バンドの“生の強さ”を知るには最良のドキュメントです。
注目点:
- ライブ・バージョンで初めて味わえるテンポ感やフレーズの遊び。特定の曲がライヴでより有名になったケースも多いです。
- ライヴ録音は盤によって収録曲や編集が異なる場合があるため、購入時はトラックリストを確認することをおすすめします。
どのアルバムから聴き始めるか(おすすめの導入順)
初心者には「Joy and Pain」→「Golden Time of Day」→「Live in New Orleans」の順で、代表曲とバンドのライヴ力を一気に体感するのが良いでしょう。Mazeの世界観に深く入りたい場合は、デビュー作→Inspirationと辿ることで、音楽的な成長が感じられます。
コレクター向けのポイント(音源・エディションの選び方)
盤選びの観点から:
- オリジナル・アナログ盤は、当時のミックス感やライヴの臨場感をそのまま楽しめる魅力があります(入手の難易度と状態は個体差があります)。
- 近年のリマスターや公式再発は音の分離やクリアさが向上している場合が多く、初めて聴く場合やデジタル再生環境でのリスニングには便利です。
- ライヴ盤は盤によって編集や収録順が異なる場合があるため、収録曲と収録時間を確認して、自分が聴きたいテイクを収録した版を選ぶと良いでしょう。
音楽的な魅力をより深く味わうための聴きどころ
聴きどころのガイド:
- フランキー・ベヴァリーのボーカル表現:語るようなフレーズ、伸びやかなロングトーン、感情の込め方に注目。
- リズムセクション:控えめながら粘るベースとドラムのグルーヴが楽曲の基盤。シンプルながら効率的なビート作りを感じ取ってください。
- アンサンブルの作り方:コーラスやホーン(使用されている場合)、ギターのカッティングなどの“隙間”の使い方が、温度感や空間を作ります。
- 長尺の展開:曲の途中での小さな変奏やブレイクがドラマを生むタイプのバンドなので、アルバム再生時はトラック間の流れも含めて一気に聴くと効果的です。
まとめ
Mazeは、フランキー・ベヴァリーの人間味あるボーカルとバンドの緻密なグルーヴが結実した稀有な存在です。スタジオ録音での洗練されたメロウさと、ライヴでの即興性・熱量の両方を楽しめるバンドは多くありません。入門者は代表作(特に「Joy and Pain」「Golden Time of Day」)を中心に、ライヴ盤での表現力も合わせて体感することをおすすめします。
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参考文献
- Maze (band) — Wikipedia
- Maze — AllMusic(ディスコグラフィー・レビュー)
- Maze Featuring Frankie Beverly — Discogs(リリース詳細)


