Melt-Bananaのレコード入門ガイド:初期作から最新作までの聴き方と盤の選び方
メルトバナナ(Melt-Banana)とは——短く特徴を掴むために
メルトバナナは1990年代初頭に結成された日本のノイズ・ロック/エクスペリメンタル・パンク・バンドです。高速で切れのあるギター、断片的で機械的なリズム、そして山本勇気(Yasuko Onuki)の瞬発力あるハイトーン・ボーカルが合わさった独自のサウンドが特徴。ポップなメロディよりも“スピードと緊張感”を前面に押し出す楽曲構成で、短い曲を多数収録するスタイルがよく知られています。
レコード選びの視点(何を基準におすすめ盤を選ぶか)
メルトバナナのレコードを選ぶ際に重視するポイントは次の通りです。これらを押さえることで、自分の嗜好に合った盤にたどり着きやすくなります。
- 音の“鮮度”とマスタリング感:初期作は荒々しさが魅力。リイシューでのマスタリング差があるので試聴が重要。
- 収録曲(アルバムごとの性格):よりノイジーで即物的なものから、メロディやアレンジに余裕がある中期〜後期作まで幅がある。
- レア度/コレクタブル性:オリジナル初回プレスや限定カラー盤はコレクター向け。ただし音質は必ずしも新盤>旧盤ではない。
- ライブ感:ライヴ盤やライブ寄りのミックスを好むかを考える(スタジオでの緻密さよりも即興的な空気を重視するファンも多い)。
おすすめレコード深掘り(代表的アルバム・必聴盤)
Scratch or Stitch(代表的な入口盤)
おすすめ理由:彼らの初期フルアルバム的存在で、荒削りなエネルギーと混沌した美学が詰まっています。短い楽曲が矢継ぎ早に展開し、メルトバナナの“高速ノイズ”のイメージを決定づけた一枚。
- 聴きどころ:序盤から中盤にかけてのテンポの緩急、ノイズとポップのバランス。
- 注目曲例:代表的な短尺曲を中心に、ライブで盛り上がるトラックが多数。
- 盤の選び方:オリジナルのレーベル(当時のリリース元)プレスは状態次第でコレクター人気あり。リイシューはマスタリングが異なることがあるため、可能なら試聴を。
Charlie(転機と深化のアルバム)
おすすめ理由:初期の衝動を保ちつつ曲作りの幅が広がった傾向が現れる作品。曲ごとの構造が練られ、ポップなフレーズや異質なサウンド・エフェクトがより明確に配置されています。
- 聴きどころ:ノイズとメロディの接点、ボーカルの表現レンジの拡大。
- 注目曲例:シングルカットされた曲やライブでの定番曲を含むことが多い。
- 盤の選び方:国外レーベルからのプレスや日本盤の違い(ジャケット表記やライナーノーツ)をチェックすると面白いです。
Teeny Shiny(洗練と遊び心)
おすすめ理由:プロダクション面でよりクリーンになり、細かな音響処理やアレンジの“遊び”が目立つアルバム。初期ほど尖ってはいないが、ベテランらしい余裕と実験心が同居しています。
- 聴きどころ:サウンドデザインの工夫、フックのある短曲群。
- 注目曲例:アルバム全体の流れで聴くことで細部の面白さが分かる曲が多いです。
- 盤の選び方:CDとアナログ盤で収録やミックスが異なる場合があるため、好みに合わせて選ぶと良いです。
Cell-Scape(中期の到達点)
おすすめ理由:より構築的な楽曲が増え、テクスチャーやリズムの多様性が深化した作品。ノイズ/パンクとしての即物性と、構成美の両立を感じられます。
- 聴きどころ:ギターの音作り、リズム隊の正確さと変拍の使い方。
- 注目曲例:ライブでの表現が想像しやすい、ダイナミックなトラック群。
- 盤の選び方:この時期のプレスは比較的入手しやすく、入門盤としても扱いやすいです。
Fetch(近年作、成熟と多様化)
おすすめ理由:2010年代以降のアルバムで、バンドの成熟が如実に表れる一方、当初の勢いも保持。アレンジや録音の幅が広がり、過去作からのリスナーにも新鮮に聴ける内容になっています。
- 聴きどころ:バンドとしての表現の幅、音像の厚み。
- 注目曲例:長年のファン向けの“集大成”的な瞬間を含むトラック。
- 盤の選び方:比較的新しいリリースなので再発や限定盤が出やすく、仕様で好みを分けるのも楽しめます。
コンピレーション & シングル集(13 Hedgehogs 等)
おすすめ理由:初期シングルやコンピ曲をまとめた編集盤は、レア曲や実験的な短編がまとまって聴けるため、コアファンや初期衝動を体感したい人に特におすすめです。メルトバナナの“原石”が多数含まれています。
- 聴きどころ:初期の荒削りなサウンド、レアなカップリング曲。
- 注目点:収録内容は再発や盤によって差があることがあるので、トラックリストを確認してから購入を。
どの盤を先に買うか──初心者向けの優先順
入門者には以下の順をおすすめします(あくまで一般的な例):
- 「Scratch or Stitch」:バンドの核となる荒々しさを体感するために最適。
- 「Charlie」または「Teeny Shiny」:曲の幅と構成美を感じられる中期作。
- 「Cell-Scape」:技術面・音像の厚みを味わいたい場合に。
- 初期コンピ(13 Hedgehogs等):コアな短編を集めて聴きたいとき。
- 「Fetch」:最新のメルトバナナを追いたい場合。
盤ごとの注意点(購入前に確認すること)
- プレス元・年代:オリジナル盤とリイシューで音質やジャケットの差がある場合があります。
- トラックリストの差異:ボーナス音源や仕様違いがあるので、欲しい曲が収録されているかを確認。
- 限定盤の有無:限定カラーや特典付はコレクター価値が上がる反面、再入手しづらいことが多いです。
- 試聴の推奨:可能なら店舗での試聴や配信で楽曲をチェックして、アルバムの雰囲気が自分に合うか確かめてください。
まとめ
メルトバナナは“瞬発力”と“実験性”が魅力のバンドで、各アルバムごとに性格がはっきりしています。初期の荒々しさを楽しみたいなら「Scratch or Stitch」や初期コンピ、プロダクションやアレンジの工夫を味わいたいなら「Teeny Shiny」「Cell-Scape」を。近年作の「Fetch」は成熟した現在形のメルトバナナを知るのに適しています。盤の年代やプレス差が音質や収録に影響することがあるので、購入前に仕様と試聴を確認するのが良いでしょう。
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