リー・リトナー(Lee Ritenour)徹底ガイド:プロフィール・代表曲・演奏分析まで

プロフィール

リー・リトナー(Lee Ritenour、1952年1月11日生まれ)は、アメリカ出身のジャズ/フュージョン系ギタリスト。幼少期から音楽に親しみ、スタジオ・ミュージシャンとしてのキャリアを経てソロ活動を開始。1970〜80年代のフュージョン/スムーズジャズ・シーンを代表するプレイヤーの一人であり、ジャンルの枠を越えた多彩なレコーディングやコラボレーションで知られています。

キャリア概要と主な経歴

  • スタジオミュージシャンとしての下積み:若い頃からセッションワークで頭角を現し、幅広いジャンルのレコーディングに参加。これにより音楽的な柔軟性とプロフェッショナリズムを培いました。

  • ソロ活動と代表作:初期ソロ作から1970年代後半〜1980年代にかけての作品で評価を確立。メロディアスで聴きやすいインスト曲と、ブラジリアン・テイストやフュージョン要素を融合させた作風が特徴です。

  • Fourplayの設立メンバー:ボブ・ジェームス(キーボード)、ネイザン・イースト(ベース)、ハーヴェイ・メイソン(ドラム)らとともに結成されたスーパーバンドの初期メンバーとして活動しており、グループの音楽的基盤作りに貢献しました。

  • 賞と評価:グラミー賞を含む主要音楽賞へのノミネート歴があり、長年にわたってシーンで高い評価を受けています(ノミネート回数は多いが、受賞状況については作品・年によります)。

音楽的特徴と魅力(なぜ多くのリスナーやミュージシャンに愛されるか)

  • メロディ力:リトナーのフレーズは非常にメロディアスで耳に残りやすく、洗練されたシングル・ノートのラインと歌心のあるアドリブが特徴です。ジャズ的な高度さとポップな親しみやすさを両立します。

  • トーンの美しさ:クリーンで暖かく、輪郭のはっきりした音色を持ち、アルペジオやハーモニクス、オクターブ奏法などを繊細に使い分けます。エフェクトに頼り過ぎない「生の音の良さ」を大切にしています。

  • ジャンル横断の柔軟性:ジャズ、フュージョン、ボサノヴァ/ブラジル音楽、ポップスまで自然に行き来できる懐の深さ。これにより幅広いリスナー層に届きやすい作品作りが可能です。

  • 編曲力とセンス:ソロだけでなく、アンサンブルの中での音の配置やリズムの使い方に秀でており、セッションやバンドでの存在感が強い。

  • 継承と敬意:ウェス・モンゴメリーなどのジャズ・ギターの伝統を受け継ぎつつ、自身のモダンな語法に昇華している点が、プレイヤーからも支持される大きな理由です。

代表曲・名盤の紹介(入門〜深掘りのおすすめ)

  • First Course(デビュー作) — ソロ活動の出発点として、リトナーの基礎がわかる作品。初期のフュージョン色とメロディ重視のスタイルが表れています。

  • Captain Fingers — タイトル通りギター・ワークが前面に出た作品で、フュージョン/インストの魅力を凝縮。リトナーのテクニックと表現力を堪能できます。

  • Rio(ブラジリアン色の強い作品) — ボサノヴァやブラジル音楽の影響を取り入れたアルバムで、リトナーがラテン/ブラジルのリズム感を巧みに自身の表現に組み込んだ好例です。

  • Is It You(シングル) — エリック・タッグ(Eric Tagg)とのボーカル曲で、ポップ寄りのアプローチとインストのバランスが優れた一曲。広い層に届いたヒット曲です。

  • Wes Bound — ウェス・モンゴメリーへのトリビュート作。モンゴメリーの影響を受けたプレイをオマージュとして再解釈しており、ジャズ・ギター愛好家にとって必聴の一枚です。

  • Fourplay(初期) — グループ作としての充実度が高く、リトナー在籍時のサウンドを知るうえで重要な作品。四人の化学反応が生んだ聴きどころが多いアルバムです。

演奏・フレーズ分析(ミュージシャン向けの視点)

  • フレージング:フレーズは往々にして「短く、歌う」方向で構成され、無駄を削いだ経済的なソロ展開が多い。タイム感(グルーヴ)を重視した休符の使い方にも学ぶ点があります。

  • ハーモニーの処理:ジャズ的なテンション・コードやボイシングをシンプルに配置し、ソロ時にはメロディのラインを優先。適切なスケール選択とクロマチックな装飾が特徴的です。

  • リズム感:ブラジル音楽やファンク/R&B由来のグルーヴを自然に取り入れるため、8分/16分のニュアンス、スウィングとストレートの切り替えがうまく、リズム面の勉強材料になります。

  • 音色作り:クリーン〜チャネルのエッジが効いたサウンドを軸に、必要に応じて軽めのコーラスやリバーブを使用。ギターのピッキングとダイナミクスで表情を作る傾向があります。

聴き方ガイド:初心者〜コアファンまで

  • 初心者:まずは代表曲や「Captain Fingers」「Is It You」「Rio」などメロディ重視の曲を聴くと入りやすいです。ボーカル曲があると親しみやすく感じる人が多いでしょう。

  • 中級者:ソロの細部(フレージング、リズムの取り方、コードワーク)を意識して聴き、気に入ったソロをトランスクライブしてみると技術・表現のヒントが得られます。

  • 上級者・ミュージシャン:アンサンブルにおける彼の音の置き方、アレンジの意図、レコーディングでのマイク/トーン選択(耳で想像)など、より総合的な音作りを研究すると深い発見があります。

ライブでの魅力

レコーディングでは洗練されたサウンドが印象的ですが、ライブではより生々しいアプローチと観客とのインタラクションが楽しめます。即興の自由度やアンサンブルの呼吸感が増し、スタジオ録音とは違った側面を見せてくれます。

総評:リー・リトナーが残すもの

リー・リトナーは「技術」と「歌心」を高い次元で両立させたギタリストです。フュージョン/スムーズジャズの文脈だけでなく、ブラジル音楽やポップスを柔軟に取り入れたレパートリーは、多くのリスナーにとって入門の橋渡しとなり、またミュージシャンにとっては学びの宝庫でもあります。聴きやすさと演奏の奥行きが同居する点が彼の最大の魅力です。

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参考文献