Mort Garsonの電子音楽入門と名盤徹底解説:The Zodiac, Plantasia ほかの傑作を深掘り
Mort Garson — 概要と魅力
Mort Garson(モート・ガーソン、1924–2008)は、もともとハリウッドで編曲・作曲家としてポップ/映画音楽の現場で活躍した人物です。1960年代後半からモーグなどのシンセサイザーを積極的に取り入れ、電子音楽のポップ/実験的な表現を切り拓きました。映画的なアレンジ感覚とポップス的なメロディセンスを持ち合わせているため、サイケデリック/ニューエイジ/アンビエントのいずれの文脈でも語られる多面性が特徴です。
おすすめレコード — 深掘り解説
The Zodiac: Cosmic Sounds (1967)
ポイント:ガーソンが制作に深く関わったコンセプト・アルバム。12星座をモチーフにした楽曲群に、ナレーションやサイケデリックなアレンジを組み合わせた先駆的作品です。
- 音楽の特徴:サイケデリックなギター/オルガンに加え、実験的なエフェクトや初期の電子音を効果的に配置。占星術的なナレーションが全体を貫くため、アルバムとしての統一感が強い。
- 聴きどころ:各星座ごとに描かれるムードの違い。特に「Aries」「Libra」など、短いトラックに凝縮されたサウンドデザインは必聴。
- コレクター向け情報:オリジナル盤は当時のサイケ期の美術を反映したジャケットが魅力。近年は再発もあるので、音やジャケットの保存状態を基準に選ぶと良いでしょう。
Mother Earth's Plantasia (1976)
ポイント:ガーソンの代表作であり、近年インターネット文化やサブカルチャーで再発見された“植物のための音楽”というユニークなコンセプト・アルバム。暖かく丸みのあるモーグのメロディが特徴です。
- 音楽の特徴:メロウで親しみやすいメロディライン。機械的で無機質になりがちなシンセ音を、あえて“やさしく”プログラムしているため、人間味のある表現が魅力。
- 聴きどころ:「Plantasia」「Moon Plants」など、シンセによる旋律の美しさ。環境音楽やチルアウトとしても高評価を受ける演奏です。
- コレクター向け情報:オリジナルの流通は限られていたため、良品は市場で注目されやすい。近年は再発が複数出ているため、音質やマスタリング、ライナーノートの有無で選ぶと満足度が高いです。
The Wozard of Iz (1968)
ポイント:『オズの魔法使い』を風刺・パロディしたコンセプト作。風変わりなストーリーテリングとモーグ/ロック的要素が混ざり合った一枚です。
- 音楽の特徴:サイケロック的なリズムにシンセが絡むアレンジ。ポップさと実験性のバランスが良く、当時のカウンターカルチャー的感覚が色濃く出ています。
- 聴きどころ:劇的な展開のある楽曲構成。ナレーションやキャラクター描写と音楽の結びつきが面白く、アルバム全体を通して“物語を聴く”楽しさがあります。
- コレクター向け情報:オリジナルはアートワークや当時ならではのライナーノートが魅力。再発では編集やイコライジングが異なる場合があるので、オリジナル風味を味わいたければ初版を探すのがよいでしょう。
Black Mass: The Electronic Mass (1971)
ポイント:宗教的モチーフをダークで電子的に解釈した異色作。前衛的で不穏なトーンを持ち、ガーソンのダークサイド(?)を知ることができます。
- 音楽の特徴:オルガンと電子音による荘厳かつ不穏なサウンドスケープ。ポップな面よりも実験的・雰囲気重視の曲が中心です。
- 聴きどころ:宗教音楽的なフレーズと電子音が交差する瞬間。夜/深夜のレコード鑑賞に合う一枚です。
- コレクター向け情報:マニアックなラインナップのため、限定盤や良好盤は価格が上がることがあります。サンプルを掴んでから購入判断するのが安全です。
その他の注目作・シングル類
ガーソンは編曲家/プロデューサーとして多くの別名義トラックや商業仕事も残しています。編集盤やコンピレーションで未発表曲や広告音楽、TV音楽の仕事をまとめたものがあるため、コレクターはそうした編集盤もチェックすると掘り出し物に当たることがあります。
購入・選盤の視点(作品ごとの“聴き方”アドバイス)
- 入門には:まずは「Plantasia」か「The Zodiac」から。メロディ重視ならPlantasia、コンセプト性や時代感を楽しみたいならZodiacが向いています。
- ディープダイブ:サウンドデザインや実験性をより味わいたいなら「Black Mass」や「Wozard of Iz」を。夜間の鑑賞に適した暗めの空気感があります。
- 再発とオリジナル:再発は入手しやすく、リマスターで音質が改善されている場合もあります。オリジナル盤はジャケットや盤自体の雰囲気が楽しめるので、コレクション目的ならオリジナルを狙ってください。
まとめ — Mort Garson を聴く意味
Mort Garson の作品は「初期電子音楽」としてだけでなく、ポップなメロディと実験的な音響が同居する点が魅力です。単純な懐古趣味ではなく、現代のアンビエント/チル/シンセシーンにも通じる普遍性があり、ジャンル横断的に楽しめます。レコードで聴けば、当時のアナログ的な温度感やジャケット造形も含めて体験できるため、LPでの鑑賞は特におすすめです。
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