マーティ・フリードマンの軌跡:CacophonyからMegadeth、日本移住まで—技術とメロディを極めるギタリスト
プロフィール — Marty Friedmanとは
Marty Friedman(マーティ・フリードマン)は、アメリカ出身のギタリスト/作曲家。1980年代後半からテクニカルなメタルギターの旗手として注目を集め、Cacophonyやソロ活動での速弾き/ネオクラシカル寄りの技巧で名を馳せた後、1990年代にはMegadethの主要メンバーとして世界的成功を収めました。2000年代以降は日本へ移住し、J-POPや伝統音楽の要素を取り入れた幅広い作品群とメディア出演で、日本でも高い知名度を得ています。
キャリアの流れ(要点)
- 初期〜Cacophony:メタル/ネオクラ系のギターデュオ・バンドCacophony(Jason Beckerと共演)で注目。アルバム「Speed Metal Symphony」などで圧倒的な技巧を披露しました。
- ソロ活動(初期):高速フレーズとメロディを両立させたインスト曲中心のアルバム(代表作に「Dragon's Kiss」)でソロ・ギタリストとしての地位を確立。
- Megadeth時代(1990年代):1990年代の主要作品群(例:「Rust in Peace」「Countdown to Extinction」等)に参加し、バンドのサウンドに独自のメロディセンスとソロを提供。国際的な成功を経験しました。
- 日本移住後の活動:2000年代に日本へ拠点を移して以降、ソロ作や日本曲カバー(「Tokyo Jukebox」シリーズ)を発表。テレビ出演やコラボ、アニメ/ゲームへの関与などを通じ、国内外のリスナー層を拡大しました。
マーティ・フリードマンの音楽的特徴(ギタリストとしての魅力)
- メロディ優先のフレージング:高度なテクニックを持ちながらも、どこまでも歌心あるフレーズを弾くのが最大の特徴。速弾きは“見せ場”ではあるが、常にメロディに回帰します。
- スケールと音階の多彩さ:ハーモニック・マイナーやフリジアン・ドミナント等の中東的/東洋的な色合いを好んで用い、独特の“エキゾチック”な響きを作り出します。日本的な旋律やフォーク的要素を取り入れることも得意です。
- テクニックの幅:スウィープ、レガート、ハイブリッド・ピッキング、タッピング等を自在に使い分け、速さと抑揚を両立させます。技術はあるが“ただ速いだけ”にはならない設計感があります。
- トーンと表現力:歪みの中でも歌わせるためのヴィブラート、微妙なピッキングの強弱、スライドやベンドの繊細さが特徴で、感情の機微を伝える演奏ができる点が多くのリスナーを惹きつけます。
- ジャンル横断性:ヘヴィメタルを基軸にしつつ、ポップ、ジャズ的要素、伝統音楽の要素まで取り込み、新しいテイストへ果敢に挑戦します。
代表曲・名盤(入門と深掘り向けのおすすめ)
- Cacophony — Speed Metal Symphony / Go Off!:若き日の技巧とスピード感が詰まった作品。ギタリスト視点での聴きどころが多い。
- ソロ — Dragon's Kiss:マーティのメロディ性と技巧が凝縮された初期ソロ作。インスト作品としての完成度が高い。
- Megadeth 在籍作品(例):Rust in Peace、Countdown to Extinction:メジャー・メタル作品でのマーティの貢献が最も広く知られている時期。ヘヴィでありながら耳に残るギターが光ります。
- 日本時代のソロ作(Tokyo Jukebox ほか):日本の楽曲を彼なりに再解釈したカバー集や、和の要素を取り入れたオリジナル曲群は、マーティの多面性を示す良い入口です。
なぜ多くの人を惹きつけるのか — マーティの“魅力”を分解する
- 技術と感情の両立:高いテクニックが先に立ちすぎず、常に“何を伝えたいか”が先行しているため、テクニカル系が苦手なリスナーにも刺さる表現力があります。
- 異文化の架け橋:西洋メタルの文脈を持ちながら、日本や東洋の旋法を取り入れることで独自性を生み出し、異なる音楽文化の橋渡し役となっています。
- 進化を恐れない柔軟さ:メタルの王道に留まらず、ポップ、アニメ、ゲーム音楽まで手を広げることで常に新しいリスナー層を取り込んでいます。
- 人柄とメディア力:公の場での明るいキャラクター、メディア出演や日本語での発信力もあり、音楽以外の面でもファンを引きつけています。
マーティの演奏から学べるポイント(ギタリスト向け)
- フレーズを“歌わせる”練習:テクニック練習の後に必ずメロディを弾き、どうしたら歌心が出るかを意識する。
- スケールの色を学ぶ:ハーモニックマイナー、フリジアン・ドミナント、和風ペンタトニックなどを少しずつ取り入れて音色の幅を広げる。
- フレーズの間の“間”とダイナミクス:速さだけでなく、音の長短、強弱、ポーズを使って表情を作る。
- 曲作りでは“融和”を狙う:異なる音楽要素をただ並べるのではなく、つながりを意識して自然に融合させる。
マーティが残した影響と位置づけ
テクニカル・ギタリストとしての影響に加えて、文化的なクロスオーバーを実践した点でユニークな存在です。多くのギタリストが彼のフレージングや音階の選択、メロディ重視の姿勢を参考にしています。また、国境を越えて活動拠点を移したことで“グローバルに活躍するギタリスト像”の一つのモデルを示しました。
まとめ
Marty Friedmanは、高度な技巧と深いメロディ感覚を併せ持ち、ジャンルや文化の壁を越える柔軟さを示したギタリストです。速弾きや奇抜さだけではなく「どう聴かせるか」を常に考える演奏家であり、その姿勢が技術志向のリスナーからポップス寄りの聴衆まで幅広く支持される理由です。これから彼の音楽に触れる人は、まず代表作であるCacophony期の爆発力、Megadeth期の大曲群、そして日本移住後の多彩なソロ作を順に追ってみると、マーティの全体像がよくわかるでしょう。
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参考文献
- Marty Friedman — Wikipedia
- Marty Friedman — AllMusic
- What made Marty Friedman one of the greatest metal guitarists — Louder Sound
- Official Marty Friedman Website


