George Lynch 完全ガイド:Dokken/ Lynch Mob/ KXM の名盤と聴きどころを徹底解説

はじめに — George Lynch とは何者か

George Lynch(ジョージ・リンチ)はヘヴィメタル/ハードロック界を代表するギタリストの一人で、1980年代のドッケン(Dokken)での活躍を経て、Lynch Mob やソロ、さらにはKXMのようなプロジェクトまで幅広く活動してきました。テクニックだけでなくメロディや“歌う”フレージング、独特のトーン作りで多くのギタリストに影響を与えています。本稿では「レコード(アルバム)として聴く価値が高い」おすすめタイトルを厳選し、楽曲的な聴きどころ、ジョージのプレイの特徴、作品ごとの位置づけを深掘りします。

Dokken — Tooth and Nail (1984)

なぜおすすめか:Dokken での初期の成功を決定づけたアルバム。ジョージ・リンチのメロディックかつ攻撃的なリードが、ポップなコーラスと結びつき、80年代メタルの“美味しいところ”を詰め込んでいます。

  • 代表曲(聴きどころ):"Just Got Lucky"、"Alone Again" など。バラードとアップテンポ曲での対比が明確で、リンチの“泣き”のフレーズが光る。
  • ギター的ポイント:フレーズにおけるシームレスなレガートと、ハーモニック・マイナーやブルース要素を融合したソロ構築。ピッキングと指の使い分けで表情を作る様子がわかります。
  • 聴き方の提案:まずはアルバム通して聴き、特にソロ後半(終盤の展開)でのモチーフの再利用に注目するとリンチの作法が見えます。

Dokken — Under Lock and Key (1985)

なぜおすすめか:前作の流れを受けつつ、より洗練されたアレンジとプロダクションでリンチのプレイが強調された作品。キャッチーさと技巧のバランスが優れているため、初心者からコアなギターファンまで楽しめます。

  • 代表曲(聴きどころ):"In My Dreams" など。ボーカルとギターのコーラスワーク、間奏部のダイナミクスが見事です。
  • ギター的ポイント:クリーントーンから歪みへの繋ぎ、タメを作るフレーズ、トーンメイキングでのミッドレンジの活かし方が学べます。

Dokken — Back for the Attack (1987)

なぜおすすめか:商業的にも成功し、バンドの代表作の一つ。シンセや制作面でも当時の最高水準を取り入れつつ、リンチはよりドラマチックで場面に応じたプレイを聞かせます。

  • 代表曲(聴きどころ):"Dream Warriors"(映画タイアップ曲)など、映画的な展開を持つナンバーが特徴。
  • ギター的ポイント:メロウなフレーズと高速フレーズが共存。ソロ構築でのテーマ回帰やサブフレーズの活用が顕著です。

Lynch Mob — Wicked Sensation (1990)

なぜおすすめか:Dokken からの独立後に結成された Lynch Mob のデビュー作。よりブルージーでヘヴィ、かつダークな面を押し出しており、リンチのリフメイク力と歌心がさらに前面に出ています。

  • 代表曲(聴きどころ):タイトル曲 "Wicked Sensation" をはじめ、グルーヴ感あるリフ中心の楽曲が揃います。
  • ギター的ポイント:ブルージーなチョーキング、スライド、ミュート奏法を随所に使い分けることで“歌うギター”を表現。リフの作り込みは特に学ぶべき点です。
  • 聴き方の提案:構造としてリフ→バース→コーラス→ソロの繰り返しを丁寧に追って、リンチがどうソロで曲の感情を高めるかを確認しましょう。

George Lynch — Sacred Groove (1993)

なぜおすすめか:リンチのソロ名義での作品で、インスト曲中心の展開やギター主導のアレンジが多い一枚。プレイヤー寄りのファンにとって、彼の即興的な発想やサウンドメイキングを直に感じられます。

  • 代表的な聴きどころ:インスト曲での表現力、エフェクトとダイナミクスの使い分け。
  • ギター的ポイント:フレーズの“歌わせ方”、ピッキングの強弱で情感を出すテクニック、エフェクトのアクセント的使い方が学びどころ。

KXM — KXM (2014)

なぜおすすめか:Doug Pinnick(King's X)とRay Luzier(Korn)と組んだトリオ・プロジェクト。リンチがハードロックの枠を超えてより現代的なヘヴィネスやソングライティングを学んだ作品で、彼の多面的な一面が見えるアルバムです。

  • 代表曲(聴きどころ):グルーヴ重視の楽曲群。リンチがバッキングで作る空間とリードでのアクセントの対比が面白い。
  • ギター的ポイント:シンプルなリフを生かすパワー、音色選びの重要性、現代的なプロダクションとの相性の良さ。

作品選びのコツと聴き方ガイド

  • 「技術を学ぶ」なら:Sacred Groove や Lynch Mob のギター前面の曲を反復してソロのモチーフを分析するのが有効。
  • 「名曲を楽しむ」なら:Dokken の Tooth and Nail / Under Lock and Key を通して80年代のメロディック・メタルの美味しい部分を味わう。
  • 「キャリア変遷を理解する」なら:Dokken期→Lynch Mob→ソロ→KXM の流れで聴くと、プレイスタイルと作曲観の変化がよくわかる。
  • リスニングのコツ:ソロだけでなくバッキングやリフの構築にも注目すると、リンチの“曲を引き立てるギター”という本質が見えてきます。

まとめ — 何を買うべきか(おすすめの優先順位)

まずは DOKKEN の Tooth and Nail(入門かつ代表作)、次に Under Lock and Key / Back for the Attack で黄金期を補強。Lynch Mob の Wicked Sensation でリンチの解放感を味わい、ソロ作(Sacred Groove)でギタリストとしての個性を深掘り。最新の活動を追うなら KXM を。これらを順に聴けば、George Lynch の全体像と細部の妙を効率よく把握できます。

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参考文献