Bathoryのアナログ盤おすすめガイド:初期ブラックメタルからヴァイキング・メタルまでの代表作と買い方
イントロダクション — Bathoryとは何か
Bathoryはスウェーデン出身のバンドで、中心人物はトーマス・"Quorthon"・フォルグレン(Quorthon)。1980年代中盤のブラックメタル勃興期において最も影響力のあるバンドの一つとされ、初期は極めて荒削りでダークなサウンド、後期には北欧の神話や英雄譚をテーマにした「ヴァイキング・メタル」とも評される壮麗な作品群を残しました。本稿では、Bathoryを深く味わうための“レコード(アナログ)”でのおすすめアルバムをピックアップし、それぞれの魅力、聴きどころ、レア度や買う際の注意点などを掘り下げて解説します。
おすすめレコード — 代表作と聴きどころ
Bathory (1984)
概要:セルフタイトルのデビュー作。極端に低音の厚みを削ぎ落した粗い録音と冷たい空気感が特徴で、後のブラックメタル・サウンドの原型ともいえる作品です。代表曲は「Satan My Master」「Hades」。
聴きどころ:初期のスラッシュ/ブラック寄りのアグレッションと、Quorthonの咆哮的な歌唱。ローファイな録音が当時の衝動性を直に伝えます。
レコード的注目点:初期のオリジナルプレスはコレクターに人気。サウンドはリマスターや再発で変化することがあるため、音の好み(オリジナルの荒々しさを求めるか)で盤を選ぶと良いでしょう。The Return…… (1985)
概要:前作の延長線上にありつつも、さらに暗黒性と悪魔性を強めた2nd。ブラックメタルの美学を確立するうえで重要な一枚です。代表曲は「Storm of Damnation」など。
聴きどころ:リフの鋭さと雰囲気作り。ザラついたギターと不穏なメロディが折り重なり、聴く者を冷ややかな世界へ誘います。
レコード的注目点:初期ブラック・マークリリース周辺の流通状況を確認すると、プレスの出自やジャケットの仕様違いで価値が変わることがあります。Under the Sign of the Black Mark (1987)
概要:Bathoryを“伝説”的バンドへ押し上げた問題作。暴力的かつ儀式的な雰囲気に満ち、ブラックメタル史上の金字塔と評価されます。代表曲に「Enter the Eternal Fire」「Call from the Grave」。
聴きどころ:冷徹さと荘厳さの同居。楽曲の構築性が増し、ダークな物語性がより鮮明に。ブラックメタルの“聖典”的な作品を体験したいリスナーに必聴です。
レコード的注目点:ジャケット・アートワークやライナーノーツの違い、初回盤の帯などでコレクターズ価値が出やすいタイトル。Blood Fire Death (1988)
概要:Black Mark期と呼ばれる移行期の代表作。ブラックメタル的な攻撃性と、のちのヴァイキング期へ繋がる叙事性が混在しています。オープニングのイントロから荘厳に展開する点が印象的。代表曲は「A Fine Day to Die」「Blood Fire Death」。
聴きどころ:曲間のダイナミクス、詩的な世界観の提示。後のバンド像を決定づける重要作で、音のレンジが広がります。
レコード的注目点:ステレオ感やマスタリングの差が音質印象を左右しやすいので、リイシューの音作り情報をチェックすると良いでしょう。Hammerheart (1990)
概要:Bathoryの“ヴァイキング期”を代表する作品で、フォーク的・叙事詩的要素を前面に押し出した名盤。北欧神話や英雄譚への志向がはっきり現れたアルバムです。代表曲は「One Rode to Asa Bay」「Home of Once Brave」。
聴きどころ:ストリングスやコーラス的アレンジを取り入れた壮麗なスケール感。メロディラインの強さと重厚なアレンジが、ライブでの感動を想起させます。
レコード的注目点:アートワークやパッケージ(ゲートフォールド仕様など)の有無で所有欲が満たされる盤もあるため、仕様を確認して選ぶと満足度が高いです。Twilight of the Gods (1991)
概要:ヴァイキング期の完成形に近い一枚。叙事詩的で荘厳、かつ時にメランコリックな曲が並び、Bathoryの幅を大きく広げた作品です。
聴きどころ:メロディと重厚なサウンドのバランス。アルバム全体を通しての連続性があり、ストーリーを聴き通す楽しさがあります。
レコード的注目点:ヴァイキング期のファンにはジャケットのビジュアルや歌詞カードの有無も重要な購入ポイントになります。Blood on Ice (1996)
概要:実際には1980年代後半に書かれた曲群をまとめて1996年に発表した、物語性の強いコンセプトアルバム。ドラマティックな楽曲構成と物語(北の英雄譚)が魅力です。
聴きどころ:アルバムを通した「物語」を重視する作品で、曲ごとの起伏と叙情性が際立ちます。ヴァイキング期が好きなリスナーに刺さる内容。
レコード的注目点:リリース時期の違いからマスタリングが多様なので、自分の好む音像に合ったプレスを選ぶと良いでしょう。Nordland I / Nordland II (2002 / 2003)
概要:晩年の重要作で、ヴァイキング的テーマに再び深く向き合った双子作。壮大なオーケストレーション感と古典的なメタル要素を融合させた作品です。
聴きどころ:成熟したメロディセンスと安定したプロダクション、北欧の叙情が練り込まれています。近年作られた分、音質的にも聴きやすい録音。
レコード的注目点:比較的新しいプレスも多く、状態の良い盤を手に入れやすい一方、初期限定盤などはコレクター対象となります。
アルバム選びのポイント(レコード購入時の観点)
「時代(期)」で選ぶ:Bathoryは初期のブラック寄りサウンド、中期〜後期のヴァイキング/叙情派と明確に作風が変化します。どの時期の雰囲気を聴きたいかを先に決めると良いです。
「プレスとマスタリング」:オリジナル盤は雰囲気重視のサウンドを残している一方、再発はクリアで聴きやすい場合があります。音の荒々しさを求めるか、音圧や分離を重視するかで選択してください。
「ジャケットと付属物」:Bathoryはビジュアル表現も重要です。歌詞カードやライナーノーツ、アートワークの仕様違い(インナーや見開きジャケットなど)はコレクターズポイントになります。
「エディションの確認」:限定カラー、初回盤、特典付きなど、エディションによって価値やリスニング体験が変わることがあります。購入前に盤の仕様を確認しましょう。
聴き方の提案 — 作品世界への没入法
アルバムを最初から最後まで通して聴くこと。特にHammerheartやBlood on Iceのような叙事的作品は、曲順を追うことで物語性が立ち上がります。
時代順に聴き比べるとBathoryの音楽的変遷が見える:デビュー〜The Return〜Under the Sign での荒々しさ、Blood Fire Deathでの転換点、Hammerheart以降の壮麗さ。
歌詞と資料を併せて読むことで、北欧神話やQuorthonの思想がより鮮明に理解できます。紙媒体(歌詞カード、インサート)が揃ったレコードは情報量が高いです。
まとめ
Bathoryは単なる「激しい音楽」を超えて、音像・詩世界・ビジュアルを通じて一貫した世界観を築いたバンドです。レコードというフォーマットは、その世界観を余すところなく体感させてくれます。初期のブラックメタル的衝動を味わいたいならデビュー〜Under the Sign、叙事性や北欧的叙情を求めるならHammerheart以降、物語性を楽しみたいならBlood on Iceをおすすめします。購入時はエディションやマスタリング、付属の充実度をチェックして、自分が求める体験を提供してくれる盤を選んでください。
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参考文献
- Bathory — Wikipedia(日本語)
- Bathory — Encyclopaedia Metallum: The Metal Archives
- Bathory — Discogs(ディスコグラフィとリリース情報)
- Bathory — AllMusic(英語)


