The Sweet徹底解説:グラムロックの旗手が紡ぐプロフィール・名盤・代表曲と聴き方ガイド

The Sweet — プロフィールと魅力の深掘りコラム

The Sweet(一般には単に「Sweet」「The Sweet」と表記)は、1960年代末にイギリスで結成され、1970年代のグラムロック/ポップ・ロック・シーンで大きな存在感を放ったバンドです。チャート志向のキャッチーなポップ・ナンバーから、荒々しいギターを前面に押し出したロックまで幅広い音楽性を持ち、当時のアイコン的存在となりました。本コラムではバンドのプロフィール、サウンドの本質、代表作、魅力の源泉や現代への影響までを深掘りして解説します。

プロフィール(要点)

  • 結成:1968年(当初は"The Sweetshop"として活動、のちに"Sweet"へ短縮)
  • 主要メンバー:ブライアン・コノリー(Brian Connolly/ボーカル)、スティーヴ・プリースト(Steve Priest/ベース、コーラス)、アンディ・スコット(Andy Scott/ギター、コーラス)、ミック・タッカー(Mick Tucker/ドラム、パーカッション)。
  • 初期スタイル:プロデューサー/作曲チーム(Phil Wainman、Nicky Chinn & Mike Chapman)によるキャッチーなシングルがヒットし、ポップ寄りのグラム・ポップとしてブレイク。
  • 変化:中期以降はメンバー自身の作曲・演奏によるロック路線へとシフトし、ハードでエッジの効いたサウンドを確立。
  • その後の動向:メンバーの脱退・死去など変遷があり、アンディ・スコットは現在も自身のバンドでThe Sweetの名曲を演奏している。

サウンドの特徴と魅力(深掘り)

Sweetの魅力は「曲の二面性」と「演奏・プロダクションの強度」にあります。以下に要素ごとに分けて説明します。

  • ポップとロックの二面性
    初期はChinn & Chapmanが提供した極めてキャッチーなポップ・シングル(掛け声の効いたサビや覚えやすいメロディ)がヒットを量産しました。一方、中期以降はギターリフ主体のロックやヘヴィなアレンジ、自作曲の比重増加によって、ポップさとハードさが同居する独自のサウンドを作り上げました。
  • ボーカルとコーラス
    ブライアン・コノリーの伸びやかなリード・ボーカルと、スティーヴ・プリーストやアンディ・スコットによる力強いハーモニーはバンドの大きな武器でした。コーラスワークが楽曲の"耳に残る"要素を強めています。
  • ギター・トーンとアレンジ
    アンディ・スコットのギターは煌びやかでありながら歯切れがよく、リフ主体の曲では攻撃性を出しつつ、バッキングではポップなフックを支えます。また、レコーディングでの多重コーラスや重厚なサウンドメイクが曲のドラマ性を高めています。
  • リズム/グルーヴ
    ミック・タッカーの正確でパワフルなドラムと、スティーヴ・プリーストのシンプルかつ効率的なベースラインが楽曲に強力な推進力を与えます。ポップな曲でもロックの曲でもリズム隊の存在感は明確です。
  • ステージ表現とグラム的ビジュアル
    メイク、衣装、派手なステージングなどグラムロックの表現方法を積極的に取り入れ、音楽的な"見せ方"でもファンを惹きつけました。音と映像(見た目)の両面で印象付けた点はヒットの追い風になりました。

代表曲・名盤(初心者向けガイド)

ここではThe Sweetの音楽的変遷をつかめる代表曲とアルバムを挙げます。新しく聴く際の指針としてどうぞ。

  • 代表シングル
    • Funny Funny / Co-Co / Little Willy — 初期のチャートヒット。ポップで耳に残るサビが特徴。
    • The Ballroom Blitz — 代表曲中の代表曲。ライヴ感あるエネルギーとキャッチーなコーラス。
    • Fox on the Run — 自作路線での大ヒット。ポップとロックの調和がよく現れた曲。
    • Action — ロック色の強いナンバーで、その後の方向性を示す一曲。
    • Love Is Like Oxygen — プログレッシブな要素も取り入れた後期のヴォーカル重視の名曲。バンドの幅広さを象徴。
  • 名盤(ピックアップ)
    • Sweet Fanny Adams(1974)— よりハードでロック志向の要素が強く出たアルバム。バンド側の自主性が出ている作品。
    • Desolation Boulevard(1974)— バンドの代表作のひとつ。シングル曲とアルバム曲の両面で完成度が高い。
    • Give Us a Wink(1976)— さらなるテクニカルさとポップさの融合を感じさせる作品。
    • Level Headed(1978)— "Love Is Like Oxygen" を収録。プログレッシブ/アダルト志向のアレンジも見られる。

バンドの歴史的な役割と評価

The Sweetは、いわゆる「グラムロック」シーンにおける商業的成功と音楽的深化の両面を体現したバンドです。初期のシングルで若年層の支持を広げた後、自ら作曲・演奏面で積極的に手を入れてよりロック寄りの音楽を展開しました。この変化は一部のファン層を拡大しつつ、ポップ市場での位置づけを変化させました。

影響面では、70年代のグラム的な見せ方や「派手なロックの演出」は後のグラムメタルやパワーポップ系のアーティストに受け継がれています。また、短いフックと強烈なリフを組み合わせる楽曲構成は、今日のポップ/ロックの良い参考例でもあります。

魅力をより深く味わうための聴き方(おすすめ順)

  • まずは代表曲(Ballroom Blitz、Fox on the Run、Little Willy)で“耳馴染み”を作る。
  • 次に「Sweet Fanny Adams」や「Desolation Boulevard」のアルバム全体を通して聴き、曲間の流れやアレンジの厚みを味わう。
  • 最後に「Level Headed」など後期の曲でバンドの音楽的な変化(より成熟したアレンジや長尺の曲)を確認する。

メンバーとその役割(簡潔に)

  • ブライアン・コノリー(ボーカル)— 伸びのあるリードボーカルで多くのシングル曲を牽引。
  • アンディ・スコット(ギター)— メロディ重視のリードとリフ、コーラス参加でサウンドの要。
  • スティーヴ・プリースト(ベース)— 力強くシンプルなベースで楽曲の骨格を支える。コーラスも担当。
  • ミック・タッカー(ドラム)— 正確で力強いドラミング、独特のフィルが曲に躍動感を与える。

今日的な意義と聴く価値

世代を超えて愛される要素が多く残っているのがThe Sweetの強みです。短いイントロで掴むポップ性、ライブで映えるアレンジ、そしてロックとしての説得力――これらが融合しているため、単なる懐メロではなく「作曲・編曲の教本」としても学びのあるバンドです。また、グラムや70年代ロックの流れを知るうえで欠かせない存在でもあります。

注意(本コラムの範囲について)

ご要望に従い、レコードの再生・保管・メンテナンスに関する解説は本稿では含めていません。本稿は音楽的背景・作品・魅力の分析に焦点を当てています。

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参考文献